女性のいびき治療法は?女性のいびきの原因と注意すべきいびきの特徴
目次
いびきは男性がかくというイメージを持つ方もいますが、実際には女性でいびきに悩む方も多いです。
いびきは、様々な原因で上気道が狭くなることで起こります。
上気道が狭くなると、空気が通る際に周辺の粘膜が振動し、音が鳴るという仕組みです。
上気道が狭くなる原因によっては、専門クリニックで治療を行わなければなりません。
そこで、女性のいびきの原因や主な治療法、放置すると危険ないびきの特徴について紹介します。
いびきのメカニズムと原因
いびきは、上気道が塞がれ、狭くなった部分を空気が通ることによって振動して音が発生するというメカニズムです。
上気道が正常な場合は、空気がスムーズに通るため、いびきをかきません。
上気道は喉周辺の筋肉が緩んだり、就寝中の姿勢が原因で狭くなったりすることがあるため、誰でも一時的ないびきをかくことがあります。
しかし、毎日いびきをかいている場合には、常に上気道が狭くなっている状態のため、治療が必要なケースも少なくありません。
まずはいびきの原因を知り、原因に適した対処法を検討しましょう。
原因①口呼吸
口呼吸をすると、鼻呼吸と比較して口蓋垂が気道に落ち込むため、空気が通りにくくなります。
また、寝ている間に舌の筋肉が緩み、気道に落ちて塞がれるため、口呼吸をしている人はいびきをかきやすいといえるでしょう。
原因②鼻炎
ホコリや花粉といった、アレルギー体質が原因の鼻炎もいびきの原因のひとつです。
鼻が詰まった状態では鼻から酸素を取り込めないため、口呼吸になりいびきが発生します。
原因③疲労
人間関係や仕事、家事のストレスや疲労が溜まっている場合にも、いびきをかきやすいため注意が必要です。
疲れやストレスを溜めていると、身体は疲労を回復するために、寝ている間に筋肉を弛緩します。
さらに、酸素を十分に取り込もうとするため口呼吸になり、結果としていびきをかくことにつながります。
原因④プロゲステロンの減少
女性ホルモンのプロゲステロンは、閉経前後に分泌量が減るという特徴があります。
プロゲステロンには脳を刺激する作用があるため、上気道開大筋と呼ばれる上気道が開いた状態で維持するための筋肉の動きを活発にします。
しかし、年齢を重ねて女性ホルモンの分泌量が減ることで上気道開大筋の動きが弱くなり、気道が塞がれやすく、いびきをかくようになるのです。
いびきは病気の前兆?
毎日いびきをかいている場合は、上気道が常に狭くなっている状態です。
上気道が常に狭い状態では、寝ている間にしっかりと呼吸はできません。
寝ている間に呼吸ができないと睡眠の質が低下するほか、大きないびきをかいており、いびきが止まった瞬間に目覚める場合には睡眠時無呼吸症候群になっている可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に呼吸が止まってしまう病気であり、心筋梗塞や脳卒中につながることもあるため早期治療が必要です。
また、睡眠時無呼吸症候群になると睡眠の質が大幅に低下するため、昼間の集中力が低下する、身体が疲れやすくなるといったデメリットもあります。
女性のいびきは治療しなくても大丈夫?
女性のいびきは、一時的なものと治療が必要なものに分けられます。
ポイントは、十分に眠れているかどうかです。
たまにいびきをかく場合や、いびきをかいても十分に眠れており、朝起きる際に疲れやストレスを感じていない場合には、単純性いびきや原発性いびきと呼ばれるものであり、大きなトラブルは起こりにくいでしょう。
しかし、夜に何回も目が覚めたり朝起きるのがつらかったり、昼間眠くなったり、家族やパートナーから大きないびきをかいていると指摘されたりした場合は、睡眠時無呼吸症候群になっている可能性もあり注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきが非常に大きく、いびきが急に止まり再度大きないびきをかくという状態を繰り返します。
いびきを放置すると高血圧や糖尿病といった生活習慣病になりやすくなるほか、十分に睡眠を取れないことにより精神疾患につながるリスクもあるのです。
そのため、睡眠時無呼吸症候群の治療を行っているクリニックを受診しましょう。
女性が注意すべきいびきの特徴
いびきの原因は人それぞれ異なり、治療が必要ないケースもあります。
しかし、いびきをかく頻度が高い場合には放置せず、治療をしたほうが良いでしょう。
これまでいびきをかかなかったのに急にいびきをかくようになった場合や、いびきの頻度が高い、大きないびきをかく場合には注意が必要です。
一時的ないびきであれば良いですが、毎日いびきをかく場合には病気が隠れている可能性があります。
また、いびきのペースが速いということは呼吸の頻度が高い状態であり、呼吸器に問題があることも考えられます。
さらに、大きないびきや息をするたびに音が出るようないびきは、脳に十分に酸素が届かなかったり、血圧が上昇したりといったリスクがあります。
いびきの対策を行っても自分では改善できず、長期間いびきが続いている場合には、1度専門のクリニックを受診しましょう。
女性のいびき治療法!セルフケア&クリニックでの治療
いびきを治療することは非常に重要ですが、一定期間、治療を継続しなければなりません。
一時的にでもいびきの対策をしたいという場合には、いびき対策グッズを活用しましょう。
マウスピース
マウスピースは、首の周辺の筋力が衰えることが原因のいびきや、もともと顎が小さくいびきをかきやすい人に最適なグッズです。
寝ている間に舌が下がって気道が塞がれないよう、顎の状態に合わせてマウスピースを作成・装着することで、気道を確保する効果が期待できます。
マウスピースは市販のものを購入する、歯科で作製してもらうといった方法がありますが、自分の口に適したサイズのものを使用することが重要です。
自分に適した枕を使う
仰向けで寝るよりも、横向きの姿勢になったほうがいびきをかきにくいことが特徴です。
しかし、寝ている間に無意識に寝返りをうつため、一晩中同じ姿勢でいることは非常に困難です。
そのため、可能な限り就寝中にいびきをかかないよう、枕の高さやサイズを工夫しましょう。
枕のサイズが合っていないと、仰向けで就寝した際に顎が下に落ちるため、喉が圧迫されていびきをかくことが多いです。逆に顎が上に向きすぎると舌が落ち込みやすくなります。
枕は、横を向いて寝た際に、胸と顔が垂直になるものを使用しましょう。
鼻マスク(CPAP)
CPAPと呼ばれる鼻マスクを使うことによって、寝ている間に空気を送り、気道を確保する方法もあります。
しかし、CPAPは睡眠時無呼吸症候群に使用される医療機器であり、使うためには医師の診断を受けなければなりません。
日帰りレーザー治療
いびきの原因は、寝ている間に口蓋垂の周辺が気道を塞ぐことが原因になっているケースが多いです。
そのため、レーザー治療で口蓋垂やその周辺を切って広げるを切って広げることで、いびきを改善する効果が期待できます。
レーザー治療で気道を拡張することによって、いびきの音の原因になる粘膜の震えを抑制する効果が期待できるでしょう。
また、レーザー治療であれば出血や痛みも少なく、クリニックによっては日帰り治療も可能です。
いびきの音については、レーザー治療を受けたおよそ9割の方に改善が見られており、非常に効果が高い治療だといえます。
しかし、個人差があるうえに、肥満体型の場合にはいびきの音が改善しにくいため注意が必要です。
女性のいびきは治療できる!原因を特定して適した治療を受けよう
いびきは、パートナーや家族、自分にとっても睡眠を妨げる原因になります。
また、常にいびきをかいている場合は健康にも大きな悪影響が出るため、早期治療が必要だといえます。
いびきの原因は複数あるので、原因を明確にすることから始めましょう。
症状や原因をしっかりと理解し、一人ひとりに適した対策を取る必要があります。
また、一時的にいびきを軽減したい場合には、市販されているいびき対策グッズも活用するのがおすすめです。
いびき対策グッズでは改善できないほど大きないびきをかいていたり、睡眠時に呼吸が止まっていたりといった自覚症状がある場合には、放置せずにクリニックを受診しましょう。