【いびきは遺伝する!?】いびきをかきやすい体型や骨格について解説
目次
「いびきは遺伝する」という話はよく耳にしますが、本当に正しいのかどうか理解している方は少ないのではないでしょうか。
いびきが遺伝しているかどうかを知るためには、いびきの仕組みを理解する必要があります。本当は、いびきが遺伝するのではなく、「いびきをかいてしまう原因」が遺伝するのです。
そのほかにも、生活習慣によって体型が変わる場合もいびきは発生しやすいです。
原因によって治療方法が異なるため、遺伝が原因のいびきと、私生活が原因のいびきについて詳しく解説していきます。
いびきは遺伝する?
いびきが遺伝することはありません。
しかし、いびきをかきやすい体質が遺伝する可能性は非常に高いです。親のいびきそのものが遺伝するのではなく、いびきの原因となる要素が遺伝する可能性があると捉えるのが正確です。
異なった理解をしないためにも、いびきそのものについて知ることが必要です。また、いびきには大きく分けて2つの種類があると考えられているため、それらも正しく理解しましょう。
いびきの原理、原因について解説していきます。
いびきの原理を理解しよう
いびきが発生する原理を正しく理解できているでしょうか?
いびきとは、気道(喉)の圧迫によって発生する音のことです。睡眠中に何らかの影響によって気道が圧迫されることで、日中には通常通り呼吸ができていたのにも関わらず、睡眠中に気道が狭くなりうまく呼吸できなくなります。
いびきは気道が塞がることによって発生する症状のため、「いびきが遺伝する」といった言葉には間違いがあります。
主に考えられるいびきの原因は骨格、体型の遺伝と自身の生活習慣によるものです。
いびきには遺伝的な要因と生活習慣の2つが考えられる
上記でも解説しましたが、いびきは睡眠中の気道の圧迫によって発生する症状のことを指します。
つまり、いびきが発生するのには気道を塞ぐ原因があるということです。
原因については、親の骨格や体型などの遺伝的な要素と、飲酒・喫煙・肥満などの生活習慣が考えられます。
いびきの原因となる「骨格」を遺伝する
いびきを発生させる原因となる骨格は、顎の小ささや扁桃の大きさです。
顎が通常よりも小さい場合、それだけで気道が狭くなります。アジア人は欧米人と比較すると下顎が後退しているため、親からの遺伝とは関係なく小さい傾向があります。
一方で扁桃が通常より大きい場合もあります。扁桃とは喉まわりのリンパ組織であり、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割があります。この扁桃が大きい場合、気道の圧迫に繋がる可能性が非常に高くなるため、切除する方が多いです。
生活習慣によるいびきの発生
一般的には、骨格の遺伝よりも生活習慣による原因が多いです。
いびきの原因で最も多いのが肥満です。脂肪はお腹だけでなく首や頬の周りにもついてしまうため、余分な脂肪が睡眠時に気道を圧迫する原因となります。
肥満以外にも、飲酒や喫煙、過度な疲労が考えられます。これらは頬や首の筋肉を必要以上に緩めてしまうため、普段よりも気道を圧迫させやすくしてしまいます。
遺伝した骨格を改善する方法
顎の小ささや扁桃の大きさを遺伝した場合、外科手術、マウスピース療法が代表的です。
マウスピース療法と外科手術では外科手術の方が完治する確率が高く、費用が安くなることもあります。
そのほかにも枕などの寝具を整えることで、気道の確保が期待できますが、あくまでも気道を確保しているだけのため、いびきの原因を改善できている訳ではありません。
外科手術とマウスピース療法について解説していきます。
外科手術、マウスピース療法が代表的
狭くなった気道を確保するために、マウスピース療法を用いて改善することは可能ですが、一時的な作用でしかなく、根本的な気道の圧迫、狭さの改善には繋がりにくいです。
そのため、基本的には外科手術が用いられることになります。外科手術はこれまでコストが高く、ダウンタイムの辛さが印象的であまり推奨されることはありませんでしたが、近年ではレーザー治療が普及したことによって、価格やダウンタイムのデメリットが改善されました。
また、レーザー治療には日帰りで手術ができるといった大きなメリットがあります。早く安く確実に治療するのであれば、レーザー治療が最も効果的であるといえるでしょう。
いびきをかきやすい骨格が必ずしもいびきを発生させる訳ではない
いびきを発症させる骨格は遺伝する可能性があると説明してきましたが、必ずしもいびきを発症させる訳ではありません。
あくまでも顎の小ささや扁桃の大きさはいびきをかきやすくするだけで、確実に気道を塞ぎいびきをかいてしまうかといえば、そうではありません。睡眠中の枕の角度や、自身の体型によって大きく気道の広がりは変わります。
親がいびきをかきやすい骨格で、自分がその骨格を遺伝しているからといって、現状いびきをかいている様子が見られないのであれば、それほど強く意識する必要はないということです。
生活習慣によるいびきを防ぐには?
これまで骨格が原因で発症するいびきについて解説してきましたが、生活習慣が原因となる場合についても説明していきます。
大前提として、いびきをかいている方の割合は骨格の遺伝よりも生活習慣が原因となっている場合が高いです。肥満や過度な飲酒が主な原因であり、自身では気がついていないといった特徴があります。
まずは自分の生活習慣を見直し、原因を突き止めることが大切です。それぞれ症状の原因を詳しく説明します。
肥満によるいびきの場合
日本でいびき、睡眠時無呼吸症候群を発症している方の中でも、8割程を占める原因がいびきです。つまり、いびきをかく大半の原因は肥満であるということです。
肥満とは単にお腹がぽっこりと出てしまうだけでなく、首や頬にも余分な脂肪をつけてしまいます。睡眠中にその脂肪は重りとなり、気道を圧迫する原因になります。
肥満に心当たりがあり、いびきや睡眠時無呼吸症候群が気になる方は、病院に通うよりもダイエットから始めるのが最も効果的です。実際に病院でも「減量療法」とった名称でダイエットが進められることが少なくありません。
飲酒、喫煙、疲労がいびきの原因となっている場合
飲酒、喫煙、疲労がいびきの原因は、生理的に必要ないびきである可能性があります。
いびきには、「単純性いびき症」と呼ばれるいびきがあります。鼻詰まりや過度な疲労が見られる場合、生理的に発症するいびきです。
この場合、睡眠時無呼吸症候群のように、早期治療を考える必要はありません。ただし、飲酒には筋肉を緩める効果があります。肥満傾向にある方は、飲酒によって頬や首の筋肉が普段よりも緩み、気道の圧迫の原因となる可能性があります。
イビキが気になっている場合は、過度な飲酒は避けるようにしましょう。
子供のいびきは例外が多い
子供には、扁桃が肥大する時期が存在します。扁桃は3歳から7歳にかけて成長し、ピークを迎えた後は収縮するといった特徴があります。
そのため、子供はよくいびきをかく印象がありますが、放っておいて大丈夫なことが多いです。体が小さい状態に扁桃の成長が釣り合わず、気道が狭くなっていますが、扁桃はある時期をめどに一定の大きさまで縮小し、体は大きく成長するため、あまり強く心配する必要はありません。
ただし、肥大しすぎた扁桃は切除する必要があるため、どうしても気になる場合は病院へ通うこともおすすめです。
まとめ
いびきそのものが遺伝することはありませんが、親がいびきをかきやすい場合、いびきの原因と考えられる骨格を遺伝してしまう可能性は大いにあり得るということです。
ただし、日本を全体的に見れば、いびきの原因は自身の生活習慣に問題があることがわかります。肥満や飲酒、喫煙、過度な疲労がないか、今一度自身の生活を見直してみてください。
また、幼少期の子供にいびきが多いと感じる場合、子供にはいびきをかいてしまう時期があるということを理解し、過度な心配は避けましょう。10歳を超えてもいびきをかき続けているようであれば、扁桃の肥大が収縮していない場合や、何らかの原因でいびきが慢性的に続いていることが考えられるため、いびき治療が行える病院へ伺ってみてください。
【よくある質問】
Q.いびきは遺伝するの?
A.いいえ、いびきそのものが遺伝することはありません。ただし、顎の小ささや扁桃の大きさなどいびきをかきやすい骨格、体質を受け継ぐ可能性はあります。
Q.いびきをかくのは親のせい?
A.骨格が遺伝することは事実ですが、日本全体的にいびきの原因は肥満や飲酒、過度な疲労などの生活習慣に見られることが大半です。遺伝的な要素よりも、自身の生活に原因があることが多いと考えられます。