寝不足による吐き気の理由とは?原因や対処法を解説します!

睡眠障害・不眠症
2023.08.14

寝不足のとき、胃の気持ち悪さや吐き気を感じたことはないでしょうか。じつはその症状、睡眠における健康のアラームだといわれています。

そこでこの記事では、寝不足による吐き気の原因や対策を紹介します。また、吐き気が起きてしまうメカニズムやリスクも解説しているので、自身の生活を改めるきっかけにしていただけると幸いです。

寝不足に伴って吐き気を感じる理由・メカニズム

体調不良の女性

いつもより睡眠時間が短いときや寝ないまま仕事に向かうときなど、寝不足の日に吐き気を感じたことがある人も多いでしょう。ちょっと眠る時間が短かっただけなのに、なぜ吐き気を感じるのでしょうか。

寝不足に伴って吐き気を感じる理由、そしてメカニズムについて紹介します。

参考:
2023.05.22、睡眠不足による吐き気はなぜ起こる?自律神経の乱れが原因?おすすめの対処法について、医師が解説します | CLINIC FOR

自律神経(交感神経)の乱れ

寝不足による吐き気の理由は、自律神経(交感神経)の乱れが関係しているといわれています。
自律神経とは、身体の状態を無意識下で調整してくれる神経のことです。例えば、身体が熱を持ったとき、汗をかいた経験をお持ちの方も多いでしょう。じつは自律神経の働きによって、体温を下げるために汗をかいたのです。ただし、この機能が働くのは体調が整っているときだけだとご存じでしょうか。

実は寝不足など、体調不良に近い状態の場合には自律神経の機能が思うように働きません。自律神経が乱れた結果、身体の状態をうまく調整できなくなります。中でも吐き気の原因となるのが、自律神経によって調整されている胃液の量です。

胃液の量が過剰に分泌されることによって、胃の粘膜が荒れてしまいます。最終的には胃もたれのような状態になってしまい、吐き気を感じてしまうのです。

消化不良

前述した胃液の分泌量増加だけでなく、逆に胃液が減少するケースもあります。特に問題となるのが消化不良です。

胃の内容物を思うように消化できなくなってしまうと、通常1時間程度で終わる胃の活動が、何時間も継続してしまいます。最終的には胃液が胃の中に溜まる時間が延びて胃もたれの状態となり、消化不良を起こしてしまうのです。

寝不足のまま食事すると、特に吐き気を感じやすくなります。早めに寝不足を解消するか、食事量を減らして吐き気を回避しましょう。

寝不足によって頭痛を誘発する場合もある

こめかみを押さえるシニア男性

寝不足によって起こる問題は、吐き気だけではありません。場合によっては頭痛を引き起こす恐れもあるのでご注意ください。

頭痛が誘発される原因も、自律神経の乱れが関係しています。
まず、脳の血流は自律神経によって調整されているのが特徴です。しかし、寝不足になって自律神経が乱れると、血管の拡張・収縮がうまくできなくなります。寝不足の状態だと血管が収縮しやすく高血圧の状態になりやすいため、血流不足が生じて頭痛を引き起こしてしまうのです。

長期間頭痛が続いてしまうと、生活習慣病や脳梗塞といった問題に発展するケースもあります。将来発生するリスクを避けるためにも、寝不足の解決が必要です。

参考:
寝不足によるめまいの特徴とは?|カイロプラクティックオフィスBALANCE LAB

寝不足による吐き気には病気のリスクが隠れている?

ソファーの背もたれにもたれる女性

人間の平均睡眠時間は7~8時間程度だといわれていますが、普段から寝不足の状態だという人も多いでしょう。
趣味や仕事を優先してしまい、睡眠時間が4~5時間程度だったり、夜に寝つけないため仕方なく寝不足が続いていたりするケースが考えられます。

しかし、短時間睡眠や寝不足の状態が続くことには、吐き気だけではなくさまざまな病気のリスクが隠れています。将来発生するリスクを回避するためにも、どのようなリスクがあるのか、寝不足の危険性について見ていきましょう。

参考:
2023.05.22、睡眠不足による吐き気はなぜ起こる?自律神経の乱れが原因?おすすめの対処法について、医師が解説します | CLINIC FOR

脳梗塞

脳梗塞とは、何らかの原因で脳の血管が詰まってしまう病気のことです。急激に意識を失うほか、後遺症として麻痺や言語障害、視力の低下といった問題に発展するケースも多々あります。

脳の血管の拡張・収縮をうまく制御できなくなると、脳梗塞の発症リスクが高まってしまうでしょう。程度はさまざまですが、大勢の方が後遺症を患ってしまうため、早めの寝不足解決が望まれます。

くも膜下出血

くも膜下出血とは、脳を覆う膜の下部で出血を起こす病気のことです。脳は硬膜・くも膜・軟膜という3層の膜で覆われていますが、そのうちくも膜の下部で出血が起こると、頭痛や意識の低下、吐き気などを生じます。最悪の場合、死に至るケースも多いため細心の注意が必要です。

また、くも膜下出血も自律神経の乱れによる血管への負荷が原因で発症しやすいといわれています。脳と血管はデリケートな関係性にあるため、血管の拡縮を変化させる自律神経を乱れさせない対策が必要です。

脳出血・脳炎

脳出血・脳炎とは、脳細胞が外部からのウイルスで出血・炎症を起こす病気のことです。寝不足によって自律神経が乱れてしまうと、免疫細胞の働きが低下してしまいウイルスが侵入しやすい環境をつくりだしてしまいます。

脳出血や脳炎を発症すると、高熱や頭痛、けいれん発作などを発症し、ほかの病気と同様に死に至るケースもあるので、寝不足にはご注意ください。

寝不足で吐き気を感じてしまう5つの原因

お腹を押さえる女性

寝不足によって吐き気を感じてしまうのは、すべて寝不足のせいというわけではありません。場合によっては次のような要因が重なることで自律神経が乱れ、吐き気を感じてしまう場合があるのです。

・ストレス
・体調不良
・いびき、睡眠時無呼吸症候群
・生活習慣の乱れ
・医薬品の服用

なぜ吐き気に影響してしまうのか、その理由を見ていきましょう。

参考:
吐き気・嘔吐の原因と治療方法|美馬内科クリニック

原因①:ストレス

仕事や人とのコミュニケーションなど、嫌なことを無理して続けるとストレスが溜まり、吐き気を感じやすくなります。

ストレスを感じると自律神経が乱れて、寝つきが悪くなってしまいます。自然と寝る時間が短くなってしまうため、寝不足状態が続き、自律神経の乱れがひどくなってしまうのです。ストレスは免疫力の低下などマイナスな影響が多い問題ですので、ストレスを溜めすぎない生活を意識してください。

原因②:体調不良

身体が疲れている、風邪っぽいといったように、体調不良が続くと吐き気を感じやすくなります。

もちろんウイルスの影響による吐き気もありますが、体調不良が続くと自律神経が乱れてしまい、睡眠が浅くなってしまうのです。長時間寝ても眠りが浅ければ、寝不足と同様の症状があらわれてしまいます。もし身体の疲れやだるさを感じているのなら、根本的な原因解決が必要だと覚えておきましょう。

原因③:いびき・睡眠時無呼吸症候群

睡眠中にいびきや睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、通常の人よりも吐き気を感じやすいです。

症状が継続すると、呼吸機能に乱れが生じ、食道の筋肉「下部食道括約筋」が徐々に衰えていきます。下部食道括約筋は、胃の中に溜まった胃液が上がってこないように留める役割があるため、筋肉の衰えによって吐き気やむかつきを感じやすくなるのです。

いびきや睡眠時無呼吸症候群は、日常生活への影響が大きい病気のひとつだといわれています。もし負担や痛みの少ない治療法をお探しなら、パルスサーミアというレーザー治療がおすすめです。詳しくは以下のページをご参考ください。

参考:
いびきの治療方法 | いびきメディカルクリニック

原因④:生活習慣の乱れ

吐き気の原因は、生活習慣の乱れが関係している場合があります。例えば次のような生活を送っていると、自律神経が乱れて吐き気を感じやすくなってしまうのです。

・不規則な睡眠
・バランスの良い食事をとっていない
・日常的に運動していない

生活リズムのバラつきを改善することが、健康的な生活に欠かせません。生活習慣は、意識しなければすぐに乱れてしまうため、ぜひ自身の生活を見直してみてください。

原因⑤:医薬品の服用

普段から医薬品を服用する頻度が高い人は、医薬品の副作用によって吐き気を感じやすくなります。

例えば、強い薬を服用したとき、体調がすぐれない際に服用したときなどは、副作用の影響を受けやすいので注意が必要です。また、吐き気以外にも次のような副作用があります。

・食欲不振
・下痢
・動悸
・ふらつき
・かゆみ

中でも、寝不足で自律神経が乱れている場合には、副作用が重くなりやすい傾向にあります。体調を悪化させるケースも多いので、寝不足時の服用はなるべく控えるようにしましょう。

寝不足で吐き気を感じたときの対処法

コッピに水が注がれる様子

寝不足の影響で吐き気を感じたとき、すぐにできる対処法を2つまとめました。どのように対処すれば吐き気が落ち着くのか、参考にしてみてください。

参考:
あなたの「吐き気」の原因とは?困った時のツボとカンタン対処法|Kampoful Life

対処法①:すぐに休憩をとる

吐き気を感じたら、すぐに休憩をとりましょう。身体を休めることによって、胃のむかつきや吐き気を軽減できます。

ただし、ベッドやソファーに横になるのはNGです。胃液が逆流して食道を傷つけるケースも多いので、吐き気を感じているときは椅子に座るといった状態で休憩してください。

対処法②:水分補給を行う

吐き気がある際には、なるべく口が乾燥しないように水分補給してください。

口から胃にかけての水分が失われると、胃液が逆流して嘔吐しやすくなります。こまめに水分をとって胃液を薄めながら、胃のむかつきや吐き気が収まるのを待ちましょう。

寝不足に伴う吐き気を予防する5つの方法

快眠する女性

すでに寝不足の状態が習慣化していて吐き気を感じる人や、吐き気を感じたことはないけれど寝不足が続いている人も多いでしょう。

最後に、寝不足に伴う吐き気の予防方法を5項目に分けて紹介します。どの方法も自律神経の乱れを改善するために重要な対策です。吐き気解消だけでなく、寝不足解消にも効果的ですので、ぜひ参考にしてみてください。

参考:
寝不足による吐き気|原因と対処法を解説、健康情報コラム

予防方法①:睡眠時間・タイミングを改善する

「やりたいことがあるから」「自由に生活したい」という理由で、睡眠時間や睡眠のタイミングがバラバラになっている人は、その状況を改善することが大切です。

睡眠時間・タイミングにバラつきが生じると、自律神経が乱れて吐き気を引き起こします。また、一度自律神経が乱れてしまうと、睡眠の質が低下し、さらに症状が悪化するケースもあるため、規則正しい睡眠生活をとり入れてください。

予防方法②:食生活を正す

もし食事の栄養バランスが偏っている、食事時間がバラついているというのなら、栄養バランスおよび食事時間の改善を行いましょう。

偏食や不規則な食事を続けると、自律神経が乱れて睡眠に影響を及ぼします。いつの間にか睡眠の質が低下して吐き気を感じやすくなる場合もあるので、「食生活に普段摂取しない栄養をとり入れる」「食事の時間を決める」といった対策を実施してください。

予防方法③:ストレス発散の方法を見つける

日常生活でストレスを溜め込んでいると、自律神経が乱れやすくなります。ストレスの継続は心身ともに大きな負担となってしまうため、ストレス発散の方法を見つけてみてください。
例えば、次の方法がストレス発散に効果的です。

・趣味を見つける
・アロマを試す
・適度な運動を行う

もし「趣味がない」とお困りなら、とりあえず興味のあるもの・目についたものからスタートしてみてください。自分では思いもしないことが、ストレス発散に役立つかもしれません。

予防方法④:ストレスの原因から逃れる

日常的に関わらなければならない「仕事」や「人間関係」でストレスを感じている人も多いでしょう。こういったストレスは簡単に発散できるものではないので、一度その環境から身を引いてみてはいかがでしょうか。

例えば、仕事を休む・部署を変えてもらう・人と合うのを控えるなど、ストレスの原因から離れることができれば、自然とストレス問題が解決します。いったん休憩するということが、ストレス・自律神経の乱れを解消してくれるので、どうしても耐えられないと感じた際には、その環境から逃れる行動を起こしてみましょう。

予防方法⑤:医療機関に相談する

自分の力では寝不足を解消できないとお悩みなら、医療機関に相談するのがおすすめです。

寝不足に影響しているさまざまな悩みを相談できることはもちろん、治療方法を提案してもらえます。また、いびきや睡眠時無呼吸症候群など、睡眠障害によって吐き気を感じている場合には、レーザー治療といった解決方法を選べます。

「分からないことがあるならプロに相談する」と覚えておき、寝不足や吐き気が続いた際には、ぜひ医療機関を利用してみてください。

まとめ

ほほ笑む医師

寝不足が継続すると、自律神経が乱れて吐き気といった症状が出てしまいます。また、寝不足に合わせてストレスやいびき・睡眠時無呼吸症候群が重なると、吐き気を感じやすくなるため注意が必要です。

そして現在、寝不足のほかにいびきや睡眠時無呼吸症候群にお悩みだという方も多いのではないでしょうか。それなら、医療機関を利用して複数の問題をケアしましょう。
中でもいびきや睡眠時無呼吸症候群で困っている場合には、身体への負担が少ないレーザー治療(パルスサーミア)といった治療法が利用できます。良質な睡眠時間を確保し、健康的な生活を続けるためにも、まずは無料のカウンセリングを受けてみるのがおすすめです。

【よくある質問】

Q.なぜ寝不足だと吐き気を感じるの?

A. 寝不足によって吐き気を感じるメカニズムは「寝不足に伴って吐き気を感じる理由・メカニズム」で詳しく解説しています。

寝不足の状態が続くと自律神経が乱れてしまい、胃液の分泌量にバラつきが生まれます。その結果胃の中が荒れてしまい吐き気を感じる場合があるのです。

また、自律神経の乱れによって消化不良を起こすケースもあります。寝不足の状態が続くほど吐き気、そして重大な病気の発症リスクが高まるので、早期解決を目指してください。

Q.寝不足に伴う吐き気を予防する方法はあるの?

A. 寝不足に伴う吐き気の予防方法は「寝不足に伴う吐き気を予防する5つの方法」で詳しく解説しています。

吐き気を予防したいなら、次の方法を実践してみてください。

・睡眠時間・タイミングを改善する
・食生活を正す
・ストレス発散の方法を見つける
・ストレスの原因から逃れる
・医療機関に相談する

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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