いびき改善トレーニング3選!いびきと病気の関連性について
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【2023年7月13日更新】
いびきをかくときには、寝ている間に舌や軟口蓋が喉の奥に落ち込み、気道が塞がれていることが多いです。
そのため、酸素が不足し、質の良い睡眠はとれません。
いびきをかくことが慢性化しており、生活に支障はないと感じていても、実際には病気につながることもあるため注意が必要です。
そこで、いびきはどのような病気につながるのか解説し、すぐに実践できるいびき改善トレーニングを紹介します。
いびきは命にかかわる?危険な病気について
普段いびきをかいていても、誰でもあることと思いこみ、いびきを重要視していない方も多いでしょう。
しかし、いびきを悪化させると命の危険もあるため、注意が必要です。
命にかかわるものとして代表的なのは、睡眠時無呼吸症候群です。 睡眠時無呼吸症候群患者の多くが習慣的ないびきをかいています。
睡眠時無呼吸症候群になると質の良い睡眠をとれなくなり、昼間に強い眠気を感じたり集中力がなくなったりします。
さらに、心筋梗塞といった循環器系の病気や、糖尿病といった代謝系の病気を引き起こす恐れもあるのです。
他にもうつ病やAGA(男性性脱毛症)、抜け毛、薄毛、不妊、勃起不全などへとつながる可能性もあります。
いびきは普段の生活にも悪影響を及ぼす
いびきは、自ら改善しようと取り組む人がいる一方、「たかがいびきだ」と捉える人も少なくありません。
いびきを治さないままでいると、普段の生活にどのような悪影響があるのでしょうか?
家族やパートナーに迷惑がかかる
最初に考えられることは、同じ空間で過ごす家族やパートナーに迷惑がかかるという点です。
いびきは睡眠中に起こるので、基本的に自覚することはできません。意識がないうちに、いつの間にか他の人に迷惑をかけてしまうのです。
また、他人のいびきを指摘しづらいという方は多いです。それにもかかわらず、勇気を出して「いびきを治してほしい」と伝えたのに、本人が深刻に捉えないケースも。
いびきが大きいことで、同じ寝室にいる家族やパートナーが眠れなくなると、人間関係にも問題が起こる可能性があるでしょう。
日中のパフォーマンスが低下する
いびきをかくことによって睡眠の質が悪くなり、日中のパフォーマンスが低下する可能性があります。
睡眠の質が低下すると、熟睡できずにスッキリせず、体に疲れが蓄積します。
睡眠不足の状態が続くと脳が活性化せず鈍くなり、判断力や注意力、記憶力の低下につながるのです。
結果、仕事で小さなミスが増えたり、車を運転する際に事故を起こしたりと、日常生活に大きな悪影響を及ぼすケースも珍しくありません。
命にかかわるケースも
いびきは、命にかかわる重大な病気につながっているケースもあります。詳しくは後述しますが、恐ろしい合併症を引き起こす睡眠時無呼吸症候群や、脳の血管が閉塞する脳梗塞の可能性があります。
取り返しのつかない事態に発展してしまう前に、いびきに対して真剣に向き合う必要があります。
いびきは病気のサイン?病気との関係性
いびきをかく原因として、病気が隠れている可能性があります。そこで、いびきと関連性が深い病気について、症状や危険性を確認しておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とはその名の通り、寝ているときに呼吸が一時止まったり非常に浅くなったりする症状です。
「無呼吸」と聞くと、呼吸ができないことによって命が危険になる、と思う方もいるかもしれません。しかし、睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸そのもので窒息死するわけではないのです。
睡眠時無呼吸症候群の恐ろしさは、無呼吸によって高血圧や不整脈といった症状を引き起こし、さらに命にかかわる心血管疾患・脳血管疾患のリスクを高めてしまうことです。
また、日中の強い眠気によって、交通事故や労働災害を引き起こす可能性もあります。
脳梗塞
脳梗塞といった脳の病気が潜んでいることによって、舌周辺の筋肉が緩み、いびきを生じている場合があります。
いびきをかいており、家族に起こされてもすぐに起きられない(家族から見ると意識がない)場合には脳の異常を疑いましょう。 また、万が一意識がない際には、迷わず救急車をお呼びください。
甲状腺機能低下
甲状腺機能の低下があると甲状腺ホルモンが減り、上気道の筋肉が緩む、舌が肥大するなどの症状が起こります。
この症状があると気道が塞がり、いびきをかきやすくなるのです。
特に、女性は年齢を重ねると甲状腺ホルモンの分泌量が減少するため、注意しましょう。
注意したいいびきの特徴
病気が原因でいびきをかいているケースもありますが、いびきをかくからといって必ず注意をしなければならないわけではありません。
普段はいびきをかかないのに特定の時期や状況でいびきをかく場合は、一過性のいびきだと考えられます。花粉の時期だけだったり、寝る前にお酒を飲んだりしたときだけ、といったケースが当てはまります。
一過性のいびきは、健康への大きな影響はないので、安心してください。
しかし、いびきの種類によっては、重大な疾患や命にかかわる疾患の可能性があります。
注意したいいびきには次のような特徴があります。
・これまでいびきをかいたことがないにもかかわらず、突然いびきを生じた場合には、体調が悪い可能性があるでしょう
・いびきをかくペースが早いと、呼吸器系の疾患が潜んでいる可能性があります
・いびきが大きい方や、息を吸う際だけではなく吐く際にも大きな音が出るいびき(往復いびき)をかいている場合には注意しましょう
・往復いびきの場合脳に酸素が供給されず、血圧に悪影響を及ぼす可能性があります
・刺激しても目を覚まさない(意識がない)場合は脳梗塞の疑いがあるので、救急車をお呼びください
なお、本人はいびきを自覚していないケースも多いため、家族やパートナーに確認してもらうことも大切です。
自宅でできる!いびき改善トレーニング
いびき改善のためのトレーニングは、自宅で簡単に取り組めるものが多いです。隙間時間に、こまめにトレーニングをしましょう。
舌のトレーニング
舌のトレーニングは、簡単な5つのステップで行えます。1週間ほど続けると効果を実感できる方が多いです。
1.最初のステップは、舌を前後に動かす運動です。
口を開けた状態で舌を前に出し、5秒維持します。
次に、舌の先を上の歯の裏につけたまま後ろに動かし、5秒維持しましょう。
この舌の前後運動を3セット行います。
2.舌を上下に動かす運動です。
口を開け、舌を上顎に押し付けて10秒を維持します。
次に下顎に押し付けて10秒維持します。
舌の上下運動も3セットです。
3.舌を大きく動かす、回転運動です。
口を閉じた状態で奥歯から順に、歯の表面を確かめるようにして舌を動かすことで大きく動かし、左右の往復を1セットとして行います。舌の回転運動を3セット行います。
4.舌とあごの運動です。
口を大きく開けたら「あー、いー、うー、えー、おー」とゆっくりと声に出して口と顔の筋肉を動かしましょう。
ただし、あごや舌が痛いと感じる場合には、無理をする必要はありません。こちらも3セットです。
5.最後のステップとして、頬の運動です。
口を閉じたら頬を膨らませ5秒維持、終わったら次は口をすぼめた状態で5秒維持します。この頬の運動も3セット行います。
1~5のステップを、お風呂に入るときや、家事や仕事の隙間時間に実践しましょう。
また、舌のトレーニングに関しては以下の記事でもご紹介しているので、ぜひ併せてお読みください。
鼻で呼吸するためのトレーニング
睡眠中は呼吸を意識して調整するのが困難です。自然と鼻呼吸トレーニングができる方法として、市販されているテープを使用する方法が有効です。
口呼吸をやめるために、上下の唇を開かないようにするテープが市販されていますし、絆創膏を使うことでもトレーニングできます。
また、鼻腔を拡張できるテープは貼って寝るだけで自然と鼻呼吸を行えるようになるでしょう。 口に貼るテープは慣れるまで違和感を覚えることがあるため、睡眠の妨げになる場合には無理をしないことが大切です。
テープを利用する以外にも、寝ている間だけではなく、生活の中でも鼻呼吸になるように意識しましょう。
人間は、本来鼻で呼吸をするものです。普段から口を閉じ、鼻呼吸をするように意識するクセをつけると、寝ている間も自然に鼻呼吸をできるようになります。
例えば、階段の上り下りや軽い運動した際に息が上がったときなどにも、口呼吸ではなく、鼻呼吸をすることを意識しましょう。
自律神経を整えるのも大切
いびきそのものを止める方法だけではなく、いびきと関連性が深い、睡眠そのものにも着目してケアをする必要があります。睡眠の質を向上することで、いびき対策にもつながるのです。
睡眠の質を向上させるためにポイントになる成分は、「トリプトファン」です。
トリプトファンが脳に到達すると、「セロトニン」と呼ばれる、神経を安定させる物質に変化します。
セロトニンは、睡眠を促すホルモンの「メラトニン」の材料になる物質です。
体の中に入ったトリプトファンが脳に運ばれてセロトニンに変わり、メラトニンを生成するという流れは、約15時間かかります。
そのため、朝トリプトファンを取り入れると昼間セロトニンに変換され、夜メラトニンになるということです。
質の良い睡眠をとるため、朝食にはトリプトファンが多く含まれている食材を摂取しましょう。
豆腐や納豆、味噌、ヨーグルトや牛乳、卵、ピーナッツ、バナナなどが、トリプトファンを多く含む食品です。
いびき改善トレーニングの効果を確認する方法
口呼吸やいびきを改善するため、トレーニングやいびき対策アイテムでいびきが改善されたかどうか、確認できると励みになりますね。
しかし、自分で知覚し、確認するのは難しいことです。 そのため、いびきがどれくらい改善できているかチェックする方法を3つお伝えします。
睡眠アプリを活用する
手軽に試せるのが、睡眠アプリです。いびきをかくとアラームやバイブが鳴るアプリや、いびきを録音できるアプリなどがあるので活用しましょう。
基本的には、寝る前にアプリを起動し、自分のそばにスマホやタブレットを置いておくだけです。簡単なので、誰でも気軽に試すことができます。
また、睡眠アプリによって機能は異なりますが、睡眠時間の長さを計測したり、物音などを感知してレム睡眠・ノンレム睡眠のタイミングを計ってくれたりします。
いびきを改善したい方はもちろん、睡眠の質までしっかりと良くしていきたい方は、ぜひダウンロードしてみてください。
家族やパートナーに確認してもらう
確実にいびきをチェックするなら、一緒に寝る家族やパートナーに確認してもらいましょう。第三者にいびきを聞いてもらうことで、客観的な評価が分かります。
ただ中には、同じ家に住んでいるものの寝室が別の人や、いびきがうるさすぎて別に寝るようになった人もいるかもしれません。無理に協力してもらうのではなく、数十分だけでも確認してもらうか、別の方法を試すなどしましょう。
睡眠中の様子を映像で記録する
睡眠中の自分の様子を、映像で記録するという手もあります。スマホやビデオカメラを固定し、角度などうまく調整して録画しましょう。
撮影できた動画は、専門クリニックを受診する際にも活用できます。
難点としては、動画のチェックが少々手間な点です。睡眠中の数時間の記録で、どのタイミングでいびきをかいているのか探すのは時間がかかります。
ただ録画をするだけで終わってしまわないよう、確認の時間もあるタイミングで記録をとるようにしましょう。
自力でいびきを改善できない場合は病院へ
いびき改善トレーニングについてご紹介しましたが、中には毎日取り組んでもいびきをかいてしまう、という方もいるかと思います。自力でいびきを改善できない場合は、病院へ相談することを検討しましょう。
いびきの原因となる要素は多く、舌や鼻呼吸の訓練をしたからといって確実に改善できるというわけではありません。
例えば、いびきを発生しやすくする就寝前のタバコや飲酒が習慣になっていれば、まずその習慣を断ち切ることが重要です。また、肥満体型で、口や喉についた脂肪が原因の場合、減量から始める必要があるでしょう。
このように、いびきを根本的に解決するには、その人に合った対処法をとらなければいけません。
軽いいびきの場合は、先ほどご紹介したいびき改善トレーニングによって、いびきをかかなくなる可能性があります。しかし、複数の要素によっていびきが発生している場合や、いびきがかなり深刻な場合は、簡単には改善できないでしょう。
そのため、いびきの症状がひどい方は、病院を受診してください。知識や技術の豊富な専門家が原因を探ったうえで、最適な治療方法を提案してくれます。
病院の選び方
いびきの治療と聞くと、「そもそもいびきは何科を受診すべき?」という疑問が浮かぶと思います。
いびきは、鼻や喉に問題を抱えているケースが多いので、まず耳鼻咽喉科を受けるのがおすすめです。また、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、呼吸器内科で診てもらいましょう。
判断が難しければ、かかりつけ医に相談するか、耳鼻咽喉科・呼吸器内科どちらもある総合病院を受診してください。また、いびき専門のクリニックもおすすめです。
病院での治療方法
その人によって治療方針や具体的な方法は異なりますが、鼻や喉に原因がある際には、まずその箇所から治療を行います。
例えば、普段から鼻水・鼻づまりがひどかったり、連続してくしゃみが出たりする人は、ダニやホコリ、花粉によるアレルギー性鼻炎の疑いがあります。鼻の粘膜が腫れてしまい、空気の通り道が狭くなることで鼻いびきをかいてしまうのです。
このようなケースでは、アレルギー性鼻炎に対する薬を飲んだり、アレルゲン免疫療法を行ったりといった治療を進めるうちに、いびきも解消されるでしょう。
他にも、肥満の場合は生活習慣の見直しをする、CPAP装置を毎晩取り付けて気道を確保する、レーザー治療で患部を引き締める、といったいびきの治療法があります。
専門家である医師が、あなたの症状に合わせた最適な方法を考えてくれるので、ご安心ください。
いびき改善なら専門クリニックで相談しよう
いびきの改善には、自分の続けやすいトレーニングと対策アイテム、トレーニングアプリを併用と良いでしょう。
ただし、いびき対策を長期間行っても改善しない場合には、いびきを放置しないでください。
睡眠時無呼吸症候群などにかかっている可能性もあるので、気になる方は専門クリニックに相談しましょう。
【よくある質問】
Q. いびきの改善のためにどのようなトレーニング方法がありますか?
A. いびき改善のためのトレーニングとしては、舌を動かして筋肉を鍛える方法や、鼻呼吸を習慣づける方法があります。
詳しくは、自宅でできる!いびき改善トレーニングをご参照ください。
Q.病院で行ういびきの治し方は?
A. 具体的な治し方は、人によって異なります。アレルギー性鼻炎の場合は薬を飲んだり、肥満の場合は生活習慣の見直しをしたりなど、いびきの原因に合った治療を進めていきます。