いびきは薬で治療はできる?薬物療法の適用例といびきの根本治療方法

いびきの治療・治し方
2023.09.27

「いびきを治したいけれど、薬を飲めば治るのかな?」
「いびきの薬物療法について知りたい」

このように、いびきを発症したことによって、治療法のひとつである薬物療法に興味を持った方は多いでしょう。いびきは、ある日突然かくようになるうえに、本人はなかなか気づきにくいという特徴があります。そのため、発症に気づいたときは驚き、すぐに治療したいと焦ってしまいますよね。

この記事では、いびき治療における薬物療法の役割や、治療が適用される例について解説したのち、薬物療法以外の治療法、いびきの根本治療についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

薬を飲めばいびきは治療できる?

薬を飲めばいびきは治療できる?


いびきや無呼吸の治療では、薬を服用する薬物療法も行われますが、どのような場合に実施されるのでしょうか?また、薬を飲めばいびきを治すことはできるのでしょうか?

いびき治療薬は対症療法として有効

いびき治療薬は、いびき・睡眠時無呼吸症候群の症状を緩和・軽減してくれる「対症療法」として有効です。例えば、次のような治療薬・治療方法が用いられています。

対症療法として用いられている治療薬 改善できる内容
鼻のど用のオイルスプレー ・のどの炎症を抑える
・軟口蓋や舌の動きを潤滑にする
鼻閉改善スプレー ・鼻粘膜のうっ血を改善する
ステロイド点鼻薬 ・アレルギー性鼻炎を改善する
セロトニン作用薬 ・上気道の筋肉の緩みを改善する
炭酸脱水素阻害薬 ・呼吸の乱れを整える
・利尿作用を改善する
ノルアドレナリン作用薬と抗ムスカリン作用薬の併用 ・咽頭開大筋の緊張低下を改善する

いびきや睡眠時無呼吸症候群は、人によって症状の発生原因が異なるのが特徴です。のど腫れや気道の筋肉の緩み、加齢に伴う脳内物質の低下などがあり、いびき治療薬を用いることで一時的に症状を緩和できます。

市販品を利用した場合、一時的に症状を抑えられますが症状を完治できる効果はありません。また、医療機関から処方されるいびき治療薬の中にも、副作用のある薬剤もあるため、医師と相談しつつ薬物療法を実施することが重要です。

参考:
いびきの薬物療法

薬物療法はあくまで補助的な役割

いびき・無呼吸治療の中で薬物療法は、あくまでCPAP(詳しくは後述)をはじめとした基本的な治療の補助として実施されるケースが多いようです。

例えば、鼻づまりによっていびきが発生している場合は、症状を抑えるために薬を服用し、同時並行でCPAPなどが実施されるのが通例です。

下記に、薬物療法が適用される例をまとめました。

治療例 内容
内服薬治療による鼻いびき治療 花粉やアレルギーによる鼻づまりが原因で発生する鼻いびきには、抗アレルギー薬である抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬といった内服薬が使用される
点鼻薬治療による鼻いびき治療 血管収縮薬やステロイド点鼻薬を用いて、炎症が起きている部分に直接薬剤を噴射し、症状を緩和させる
鼻うがいによる鼻いびき治療 鼻うがいをすることで鼻腔内にあるホコリやウイルスを直接洗し、鼻づまりなどの症状を改善する
吸引療法・ネブライザー治療 鼻腔内に詰まっている鼻水などを吸引し、その後ネブライザー(噴霧器)を使用し薬剤を鼻腔全体に行き渡らせることで、鼻詰まりの解消を目指す

参考
いびきの治し方は?原因を知って対処しよう!
鼻いびきが気になる!治療法や対策を紹介

薬物療法ではいびきの根本治療はできない

薬物療法ではいびきの根本治療はできない


上記を見てわかる通り、いびきや無呼吸に対して薬物療法だけで効果が出る場合は非常に少なく、かつ何らかの治療の補助として、もしくはCPAP治療の効果を高めるために行われることが多いので、薬物療法だけでいびきや無呼吸を治療するのは難しいといえるでしょう。

薬のむやみな服用はいびきを悪化させる

また、いびきを治そうとむやみに薬を服用すると、いびきの悪化につながるため大変危険です。

例えば、眠れないからといって睡眠薬を服用すると、舌の落ち込みが促進されて気道の閉塞が進み、いびきや無呼吸がさらに悪化する可能性があります。そのため、医療機関では基本的に処方されることはないのに加え、問診の段階で睡眠薬の服用をしているか確認されることもあります。

上記については、次の記事でも解説されています。

ですので、自己判断で薬を購入し、服用するのは症状の悪化につながるため、控えるようにしましょう。

参考
コラム6:安眠を目指して

いびきの基本的な治療法

いびきの基本的な治療法


では、先ほど触れたいびきや無呼吸の基本的な治療とは、どのようなものなのでしょうか?

代表的な治療法は、次の4つです。

・CPAP治療
・マウスピース
・ナステント
・外科手術

CPAP治療

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法:Continuous Positive Airway Pressure)は、いびきや睡眠時無呼吸症候群に対して最も頻繁に行われる治療法です。

方法としては、CPAP装置本体から伸びた管を通して、鼻に装着したマスクから空気が送り込まれます。すると、気道内が陽圧になり、気道が狭くなったり閉塞したりするのを防ぎ、いびき・無呼吸の改善につながります。

さまざまある無呼吸治療の中でも、「いびき治療といえば、CPAP」といっても過言ではないくらい、治療の第一選択肢としてよく実施されています。また、安全性が特に高いともいわれており、主に中等症〜重症のいびき・無呼吸に対し、実施されることが多いです。

参考
CPAP

マウスピース

いびきや無呼吸に対し、マウスピースを用いて治療をすることもあります。

マウスピース(スリープスプリント)は、歯に装着して使うもので、下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。

CPAPが中等症〜重症の患者に対して行われるのに対し、マウスピースは比較的軽症の患者に行われます。

また、CPAPはマスクを装着するなどの手間がかかったり、装置が大掛かりで持ち運びに不便だったりなどのデメリットがありますが、マウスピースは歯にはめて寝るだけなので、手軽さがあるのが魅力です。

参考
マウスピース

ナステント

ナステントは、シリコーン製の柔らかい管を鼻腔内に挿入することで気道を確保し、睡眠中の気道の閉塞を防ぐ治療法です。CPAP同様、軽症の無呼吸患者に対して行われる治療法です。

また、ナステントは鼻づまりがひどい場合に発生する鼻いびきに対して効果を発揮します。ゆえに、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)や通年性アレルギー性鼻炎によるいびきに対し、実施されることが多いです。

参考
ナステント

外科手術

いびき・無呼吸に対し、上記のような治療法だけでは改善が見られない場合は、外科手術による根治治療が実施される場合があります。

無呼吸治療で行われる外科手術の一部を下記にまとめました。

手術名 内容
上下顎同時前進術 ・上下のあごの骨を切って前にずらすことで口の中のスペースが広がり、呼吸がしやすくさせる方法
・睡眠時無呼吸症候群に対する外科治療の中で特に治療効果が高い方法といわれている
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP) ・口蓋垂(のどちんこ)とその周囲の口蓋を部分切除して減量することで、呼吸をしやすくし、いびきを改善させる方法
・無呼吸に対する外科手術としては一般的
オトガイ舌筋前進術 ・下あごを部分的に骨切りして前方に移動させることで、下顎骨裏面にあるオトガイ舌筋を前にずらして気道を拡大する方法
・下あごを部分的に骨切りして前方に移動させることで、下顎骨裏面にあるオトガイ舌筋を前にずらして気道を拡大する方法
・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)と一緒に行われることがあり、併用することでさらに高い治療効果を発揮する
扁桃肥大摘出手術 ・喉の扁桃組織が通常よりも大きいことでいびきを発生させている場合に行われる外科手術。
・小児に対して行われることが多いが、大人に対しても実施される
鼻中隔湾曲症矯正手術・粘膜下下鼻甲介骨切除術 ・鼻の中で左右の鼻腔を隔てる壁(鼻中隔:びちゅうかく)が生まれつき大きく曲がっている場合(鼻中隔湾曲症)呼吸が著しく阻害されるため、その解消のために実施される。
・併行して、粘膜下下鼻甲介骨切除術も行われる。

無呼吸の外科手術に関しては、下記でも解説しています。

参考
外科手術
睡眠時無呼吸症候群に対する外科的治療

睡眠時無呼吸症候群(sas)の根本治療ならパルスサーミア

人差し指をポイントにしている男性医師


ここまで読んで、いびきを薬で治すのは難しいことがお分かりいただけたと思います。また、自己判断で薬を服用するのも、いびきの悪化につながる可能性があるため大変危険です。

ゆえに、いびき・無呼吸を治すには、医療機関を受診してしっかりと治療を受けることが大切です。

「でも、どの医療機関に行けば良いかわからない」という人もいるでしょう。そんな人に向けて、近年注目を集めている最新いびき治療について解説していきます。

それが、パルスサーミアです。

従来のレーザー治療との比較

パルスサーミアは、特殊なレーザーを喉の口蓋垂(こうがいすい)や軟口蓋(なんこうがい)に当てることで粘膜の広がりを引き締め、睡眠中の気道の閉塞を解消する治療法です。

いびきメディカルクリニックでは、これまで多くの患者様がこのパルスサーミア治療を受け、いびき・無呼吸の根本治療を達成することができています。

ですが中には、「喉にレーザーを当てるなんて、ちょっと怖い…」と思う人もいるでしょう。

確かに、従来のレーザーを使用した治療では、施術に伴って出血や強い痛みが発生し、なおかつ術後のダウンタイムが数週間にわたって続きました。そのため、患者の負担が大きく、あまり実施されていなかったのが現状です。

参考
いびきの治療法

パルスサーミアはストレスを最小限にしていびき治療ができる

しかし、パルスサーミアで使用するレーザーは最新のものなので、出血などを起こすことなく、粘膜を引き締めることができるようになりました。

おかげで、施術による痛みもほとんどなくなり、かつては数週間かかっていた治療後のダウンタイムも数日で済みます。加えて、食事制限や日常生活の制限などもなく、負担を最小限にすることができます。

また、施術に要する時間は約15分程度なので、日帰り手術が可能です。日中は忙しくて治療に通えないサラリーマンや主婦の方でも、自分の都合の良い時間に治療を受けることができるため高く評価されています。

参考:
いびきの治療法

パルスサーミアはいびき治療の新たな選択肢になりえる

そして、パルスサーミアはいびき治療の新たな選択肢となることが期待されています。

これまで、「いびき治療といえば、CPAP」といわれるくらい、CPAPはメジャーな治療法でしたが、下記のようなデメリットによって患者は大きなストレスを感じていました。

・睡眠中、常に空気が送り込まれ続けるのが不快
・マスクの締め付けによって、顔に赤みや痒みが出る
・CPAP装置自体が大きくて持ち運びに不便
・マスクが大きくて目立つため、第三者に見られると恥ずかしい
・電源設備がないと動かない
・メンテナンスに手間がかかる
・月に1度、必ず医師の診察を受けないと健康保険が適用されない など

何より、CPAPは数年単位の長期にわたって使い続けることを前提に作られた治療法です。ゆえに、どうしてもCPAPが合わない場合は、途中で治療をやめざるを得ないのが現状でした。

対して、パルスサーミアは最初に設定した治療プランが終了すれば、経過観察の定期的な通院だけで追加の処置などは発生しません。

したがって、これまでCPAP治療を受けていたけれど効果が出なかった人や、CPAP治療の継続が難しい人にとって、パルスサーミアは新たな選択肢になるといえるのです。

参考
いびきの治療法

最新いびき治療「パルスサーミア」ならいびきメディカルクリニック

パルスサーミア治療を受けてみたいと思った方は、いびきメディカルクリニックに一度ご相談ください。

下記の予約フォームから事前カウンセリングをご予約いただくと、専門のスタッフが施術について分かりやすく説明してくれるのはもちろん、お客様のさまざまな疑問に丁寧にお答えします。

また、事前のカウンセリングは無料で行ってお りますので、ぜひご活用ください。

参考
いびきの治療法

まとめ


今回は、いびき・無呼吸治療における薬物治療について解説しました。

いびき・無呼吸治療においては、CPAP治療やマウスピース、ナステント、外科手術が基本で、薬物療法はその補助的な役割で行われることが多いです。

ゆえに、薬を飲むだけでいびきを完全に治療することは難しいといえるでしょう。また、一般の人が自己判断で薬を服用するのも、いびき・無呼吸の悪化につながるため大変危険です。

いびき・無呼吸を治したい場合は、まず医療機関に相談し、専門の医師による正しい診断・治療を受けることが先決です。

【よくある質問】
Q.薬を飲めば、いびきや無呼吸を治すことはできますか?

A.CPAPなどの基本的な治療の補助として、薬物療法が行われることはあります。ですが、薬物療法単体でいびきを治すのは難しいでしょう。

Q.いびきを治すために、自己判断で薬を服用しても良いですか?

A.むやみに薬を服用すると、かえっていびきや無呼吸を悪化させる危険があります。ゆえに、一般の人が自己判断で薬を服用するのはおすすめしません。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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