睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック14項目!リスクと治療法も紹介
目次
睡眠時無呼吸症候群には、就寝中に何回も呼吸が止まる、もしくは浅くなるという特徴があります。
そこで、睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックを行うためのチェックリストや、治療方法について紹介します。予防や早期治療に役立ててください。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時に無呼吸となるのが睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。この病気にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群のリスクと原因について解説します。
患者数と病気のリスク
睡眠時無呼吸症候群の患者数は、受診に至っていない方を含めると200~300万人にのぼると見られています。
女性よりも男性が多い傾向にあり、40~50代は特に注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、単にいびきがうるさいだけの病気ではありません。
無呼吸の状態が続くと睡眠の質が低下し、日中に激しい眠気に襲われたり疲労感が表れたりすることもあります。
集中力の低下により、事故やケガにつながる危険性もあるでしょう。
さらに、心筋梗塞などの心疾患や脳梗塞などの脳血管疾患、高血圧や糖尿病などさまざまな病気につながる可能性もあります。
何が原因で起こるのか
睡眠時無呼吸症候群には閉塞性(OSA)と中枢性(CSA)があり、どちらなのかによって原因が異なります。
閉塞性の場合は、気道がふさがれることが原因です。肥満によって喉の内外に脂肪がつきすぎたり、筋力の低下によって舌が喉の奥に落ち込んだりすることで、気道がふさがれてしまい、無呼吸となります。
扁桃が大きかったり下顎が小さかったりするのも原因の1つです。アジア人は細くて奥行きが短い顔立ちが特徴であるため、無呼吸になりやすいといわれています。
睡眠時無呼吸症候群の方のほとんどが閉塞性です。
中枢性の場合は、脳の指令が呼吸のコントロールに関して正常に働いていないことが原因です。脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの疾患やストレスとの関連があるといわれています。
睡眠時無呼吸症候群かどうかセルフチェックしよう
普段からいびきが気になる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
一緒に寝ている家族などに協力してもらいながら、セルフチェックをしてみましょう。
チェックしたい14個のポイント
1.いびきをいつもかいている
2.睡眠中に呼吸が止まっていると家族に指摘されたことがある
3.しっかり眠っているはずなのに疲労感がとれない
4.夜中に苦しくて目が覚めることがある
5.夜中にトイレに行きたくて何度も起きる
6.朝起きたときに頭痛がする
7.日中に強い眠気がある
8.若い頃と比べて顔つきが変わるほど体重が増加している
9.肥満体型である
10.糖尿病である
11.心臓の病気がある
12.高血圧である
13.痛風や脂肪肝である
14.胸やけがしたり口が渇いたりする
当てはまるチェック項目がある場合
14個のチェック項目のうち、1つでも当てはまれば睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。なるべく早めに医療機関へ相談に行きましょう。
また、今は当てはまる症状がなくても将来的にいびきに悩まされる可能性もあります。普段から自分と家族の睡眠状態をチェックし、症状が表れたら早めに対処できるように心がけていきましょう。
睡眠時無呼吸症候群の症状は昼にも表れる
睡眠時無呼吸症候群は「10秒以上呼吸が止まる状態が1時間の睡眠中に5回以上、または7時間睡眠の間に30回以上起こる状態」と定義されています。
しかし、睡眠時無呼吸症候群の症状が表れるのは睡眠時だけではありません。日中の生活や病気など、さまざまな場面で影響を及ぼす可能性があるのです。
夜に見られる症状
睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸とあわせて激しいいびきをかく特徴があります。
大きないびきをかいていたと思ったら突然止まり、しばらく経ってからまた激しいいびきをかき始めるのは、よく見られる症状です。
激しいいびきの代わりに「ヒュー」という音がすることもあります。
昼に見られる症状
睡眠時に無呼吸になれば、睡眠の質は低下します。その結果、日中の体の状態に影響が出ることも少なくありません。
起床時の頭痛や疲労感から始まり、日中に襲ってくる激しい眠気や集中力の低下など、症状はさまざまです。倦怠感や不注意により、交通事故やケガにつながる危険性もあるでしょう。
なかには、眠気などの自覚症状がないまま生活している重症患者の方もいます。
生活に支障がなければ良いと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな病気を併発する可能性もあるのです。
生活習慣とも関係が深い
睡眠時無呼吸症候群の方は、高血圧症を併発しやすいといわれています。特に、高血圧の薬が効きづらい治療抵抗性の高血圧症の方の場合、約8割が睡眠時無呼吸症候群を合併しているのです。
また、血中の酸素濃度が低下することで、心筋梗塞などの心疾患や脳出血・脳梗塞などの脳血管疾患、糖尿病といった病気のリスクも高まります。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法
睡眠時無呼吸症候群の治療は、原因や症状の重さによって異なります。
医療機関で実施している4つの治療方法を見ていきましょう。
CPAP(シーパップ)療法
CPAP(シーパップ)療法は「持続陽圧呼吸療法」とも呼ばれています。
圧力をかけた空気を鼻から送り込むことで気道を広げ、呼吸が止まらないようにする治療方法です。
症状が中程度から重い患者に対して行われる、治療効果の高い方法になります。
ナステント
柔らかいチューブを鼻から挿入して喉まで通すことで、気道を確保する治療方法です。
空気の通り道ができるため、呼吸が止まることを防いでくれます。
CPAP(シーパップ)療法のような機器が必要なく、比較的軽い症状の方に対して行われる方法です。
マウスピース
マウスピースを着用することで顎を前へ移動させ、舌が喉の奥に落ち込むことを防いで気道を確保する治療方法です。
持ち運びが楽で装着しやすいのがメリットであり、症状が軽い方に対して効果が期待できます。
顎や歯の形に合ったマウスピースが必要なため、歯科に作成を依頼します。
投薬治療
睡眠時無呼吸症候群そのものを薬で改善することはできません。
ただし、原因となっている症状に対して投薬治療を行うことは可能です。
例えば、鼻詰まりなどの症状がある場合は鼻炎の治療を行うことで睡眠時無呼吸症候群の症状が改善する可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群の予防方法
睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣を改善することで予防できる可能性があります。特に肥満は気道が狭くなる大きな原因であり、適正体重を維持していくことが重要です。
生活習慣の改善は、脳疾患や心疾患の予防にも効果が期待できます。睡眠時無呼吸症候群を引き起こす、脳梗塞や心不全などの病気を予防することにもつながるのです。
睡眠時無呼吸症候群の予防方法1.運動不足を解消する
運動は、肥満の解消だけでなく、生活習慣病や脳梗塞、心不全などのさまざまな病気を予防する効果が期待できます。
おすすめは、少し早足のウォーキングや水中ウォーキングなどの運動を30分以上、週3回以上行うことです。
運動習慣がない方は、短時間の散歩やストレッチなどから始めてみると良いでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の予防方法2.寝酒は控える
アルコールには筋肉を緩める働きがあります。
喉や顎の筋力も緩んでしまうため、いびきをかいたり呼吸が止まったりといった症状を強めるのです。
就寝前の飲酒は控えめにしましょう。
睡眠時無呼吸症候群の予防方法3.寝るときの体勢
気道を確保するための寝姿勢は横向きがおすすめです。
仰向けで寝ると舌が喉に落ち込みやすくなり、気道が狭くなってしまいます。
また、枕の高さも重要です。枕が高すぎると気道が圧迫されて呼吸しづらくなってしまいます。
適している高さはそれぞれ異なるため、自分に合った枕の高さを確認して調整しましょう。
睡眠時無呼吸症候群の予防方法4.禁煙
喫煙は喉に炎症を起こして気道を狭くするだけでなく、睡眠時無呼吸症候群の原因ともいわれる脳梗塞や心不全のリスクも高めてしまいます。
いびきなどの症状がある方は、禁煙を目指しましょう。
睡眠時無呼吸症候群かどうかクリニックでチェックしてもらおう
セルフチェックで当てはまる項目が多かった方は、クリニックに相談しましょう。
適切な治療で早期に対処すれば、さまざまなリスクを避けることもできます。
原因を探るためにも、自己判断はせずに相談することをおすすめします。
いびきを専門で取り扱ういびきメディカルクリニックに是非ご相談ください。