いびき対策・防止でマウスピースの効果について!おすすめな人・しない方がいい人
目次
いびき問題を対策・防止するためのグッズとして、マウスピースの購入を検討している人も多いでしょう。しかし、寝る時に装着するメリット・デメリットがわからずにお困りの方もいるはずです。
この記事では、マウスピースでいびき対策・防止ができる理由や仕組みについてわかりやすく解説します。寝る時に装着するメリット・デメリットも紹介しているので、購入前にチェックしてみてください。
いびき問題の悩みを解決したいと考えていませんか?
「家族からいびきがうるさいと言われる」「いびきをかくようになってから頭痛や寝不足を感じる」とお悩みではないでしょうか。重度ないびきを発症している場合には、生活習慣の改善をしても思うような効果を期待できにくいです。
特に眠っているときに口呼吸が習慣化していたり、舌が喉側に落ち込む舌根沈下がクセづいていたりする人は、セルフケアをするのが簡単ではありません。もしいびき問題を早く改善したいとお悩みなら、マウスピースによる治療をスタートしてみてはいかがでしょうか。
マウスピースはいびき治療として利用されています
マウスピースと言えば、歯ぎしりを防止するためのアイテムだと思われがちですが、実際にはいびき治療のアイテムとしても利用されています。
装着者の歯の形状に合わせてマウスピースをつくれば、口呼吸をしにくくなるほか、舌根沈下の症状が起きにくくなり、睡眠中にいびきをかきにくくなるのが魅力です。睡眠専門のクリニックなどで提案してもらえる治療法ですので、本記事ではマウスピースを用いたいびき治療について詳しく解説します。
いびき問題はいびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)がおすすめ
いびき問題の解消を考えている人は、いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)を利用するのがおすすめです。
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)とは、装着すると下あごが前方に4~7mm前に出るように設計されたマウスピースのことであり、下あごが前に出るため舌が喉側に落ち込みにくくなります。
まずは、いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)がおすすめの人・しないほうがよい人を整理しました。
参考:
スプリント療法の概要と効果 ライフステージにおける咬合力と口腔機能障害の関わり|橘 直哉(日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学)
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)がおすすめの人
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)がおすすめの人は次の通りです。
- 歯がしっかりと生えそろっている人
- 顎が外れた経験(顎関節症)のない人
- 鼻呼吸が習慣化している人
マウスピースを歯に装着するため、固定する「歯」がある人ならだれでも利用できます。また、あごの関節が健康である人、鼻呼吸が習慣化している人などは、いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)を問題なく利用できるでしょう。
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)をしないほうがよい人
次の条件にあてはまる方は、いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)をしないほうがよいでしょう。
- 歯が生えそろっていない人(総入れ歯の人)
- 顎関節症がクセづいている人
- 鼻炎を患っている人
歯がなければマウスピースを装着できないほか、普段から顎関節症といった症状に悩んでいる人は、あごの位置が前方に出るせいで、顎関節症の症状が悪化するかもしれません。また、アレルギー性鼻炎などの影響で鼻詰まりがある人は、口呼吸・鼻呼吸がともにしづらくなることに注意してください。
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)の費用相場
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)といった病気があると診断された場合に限り保険が適用されます。クリニックによってさまざまですが、自己負担金1~2万円程度で専用のマウスピースの作成が可能です。
一方で病気などの診断がなく、保険を適用されていない状態でマウスピースを自費で作成する場合には、次の費用がかかると言われています。
- 下顎のみに装着するタイプ(上下顎一体型)…4万円から10万円ほど
- 上顎と下顎の両方に装着するタイプ(上下顎分離型)…20万円ほど
詳しくは、以下の記事で費用負担の話を解説しています。あわせてチェックしてみてください。
マウスピースがいびき対策・防止に役立つ理由
歯に装着するマウスピースがいびき対策・防止につながるイメージがわかないという方向けに、改善の効果がある理由を3つ紹介します。
いびき対策・防止マウスピースであごの位置を固定して気道を確保しやすくする
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)は、下あごの位置を前方に出す形で固定するため、装着していない状態と比べて気道の幅を広げやすくなります。睡眠中にふさがりやすい空気の通り道をしっかりと確保し、動かない状態に固定するので、朝まで継続していびきをかきにくくなるのが特徴です。
いびき対策・防止マウスピースで舌が喉側に落ち込むのを防止できる
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント)を装着して下あごが前方に押し出される状態になれば、舌自体も前側へ移動します。すると、睡眠中に舌が喉側に落ち込む「舌根沈下」が起きても、舌が喉側に落ちにくくなり、十分な気道を確保できます。
仰向けの状態のまま眠っている人などは舌根沈下が起きやすいため、いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント)で喉側に落ち込みにくくすることでいびきを防止・改善できるでしょう。
参考:
閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対するスリープスプリントの効果|瀧本 賢一郎(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
いびき対策・防止マウスピースで歯ぎしりといったストレスから解放される
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)は、歯ぎしりの防止にも効果を発揮します。
歯ぎしりをして歯並びが悪くなった影響で口呼吸が習慣化し、そのままいびきを発症する人がいるとご存じでしょうか。ストレスなどで発症しやすい歯ぎしりは自力で止めるのが難しい症状です。
対してマウスピースで歯ぎしり自体を防止すれば、歯がさらに歪んでしまうことを防止できるほか、いびきの原因を改善しやすくなります。
参考:
睡眠時無呼吸症における歯科の役割|高倉 育子(東京慈恵会医科大学歯科)
寝る時にいびき対策・防止マウスピースを装着する2つのメリット
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)は習慣化しやすく屋外でも利用しやすいアイテムです。参考として、いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント)でいびき治療を始めるメリットを2つ紹介します。
いびき対策・防止マウスピースのメリット①寝る前の装着を習慣化しやすい
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント)は、寝る前に装着するだけでいびき対策・予防ができるため、習慣化しやすいのがメリットです。
一度マウスピースを作成してもらえば、何度もクリニックに通う必要がなくなるため、移動や診察の手間がかかりません。水洗いなどで簡単にマウスピースの維持管理ができることも含めて、ストレスを溜めずにいびき対策・予防を続けられるでしょう。
いびき対策・防止マウスピースのメリット②小型なので外出時にも持ち運びやすい
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント)は、歯に装着する小型のアイテムなので、専用のケースに入れて持ち運びできるのがメリットです。
自宅だけでなく、旅行先や出張先にも持ち運びでき、簡単にいびき対策・予防を続けられます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療ではCPAP(シーパップ)という大きめの機器を利用することもありますが、サイズが大きいため持ち運びが不便です。対してマウスピースはバッグの隅に収まるので、気軽に持ち運びできます。
寝る時にいびき対策・防止マウスピースを装着する2つのデメリットと解決策
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)には、2つのデメリットが存在します。解決策も含めて解説しているので、注意すべきポイントをチェックしてみてください。
いびき対策・防止マウスピースのデメリット①ほかのいびき治療と比べて効果が薄い
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)は装着することでいびき対策・防止の効果を期待できますが、次の項目にあてはまる人の場合、高い効果を期待できないかもしれません。
- 肥満気味で気道がふさがりやすい人
- 下あごが小さい人
- 睡眠中にクセで外してしまう人
もしマウスピースを使ったいびき治療が不安なら、一度ほかの治療法と比較してみるのがおすすめです。詳しくは後述しているので合わせてチェックしてみてください。
いびき対策・防止マウスピースのデメリット②睡眠時無呼吸症候群(SAS)等の病気を発症していないと保険が適用されない
いびき専門のクリニックなどを利用していびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント)をつくってもらうとき、睡眠時無呼吸症候群(SAS)といった病気があると診断されていなければ全額自己負担で対応しなければなりません。
もし費用負担が厳しい場合には、市販されているマウスピースで対策をスタートしてみるのもひとつの手です。1,000~2,000円程度で販売されているマウスピースもありますが、専門のクリニックに相談することを推奨します。
いびき問題を解決できるのはマウスピースなどのいびき対策・防止グッズだけじゃありません
いびき問題を解決・改善する方法は、マウスピースだけではなく以下に示すような対策も効果的です。
- CPAP(シーパップ)療法
- 外科的治療
- いびきレーザー治療
上記のなかでも、いびきの根本治療をお求めなら、いびきレーザー治療を検討してみるのが良いでしょう。レーザーで気道をふさぐ原因を根本治療し、気道がふさがりにくくなります。
ただし、従来のいびきレーザー治療は口蓋垂と軟口蓋の一部を切除するため、痛みやダウンタイムに注意しなければなりません。近年では技術の発展により痛み・ダウンタイムがほぼない「パルスサーミア」という軟口蓋まわりを引きしめる切らないレーザー治療も登場しています。詳しくは以下の記事で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
<いびきメディカルクリニックオリジナルいびきレーザー治療「パルスサーミア」について>
マウスピースでいびきを対策・防止できないなら、いびきの専門医がいるいびきメディカルクリニックへ
いびき対策・防止マウスピース(スリープスプリント療法)は、下あごを前方に押し出した状態で固定するいびき対策・予防法であり着用することで睡眠中のいびきを改善しやすくなります。
また、マウスピースを用いた治療以外にもさまざまないびき治療法が提供されています。マウスピース治療の効果を期待できなかった人はもちろん、自分に合う治療法が何なのか探している人は、ぜひいびきメディカルクリニックにご相談ください。症状に合う最適な治療法を提案します。
よくある質問
睡眠専門のクリニックで作成してもらうか、ドラッグストアなどで販売されている市販のマウスピースを購入できます。マウスピースの費用を抑えたい方は、まず安価で販売されている市販のマウスピースでいびき対策・予防を始めてみるのもひとつの手ですが、クリニックで相談することを推奨します。