【女性は特に注意!】疲れがいびきの原因に?改善・治療法を詳しく解説!
目次
いびきは、睡眠中に狭くなった気道中を空気が通り、粘膜がふるえることで発生する音です。「ガー」や「ゴー」といった大きな音が発生するので、多くの人が悩んでいます。その原因はさまざまですが、疲れが溜まっていることも原因の一つです。
今回は、疲れているときどのような変化が起きていびきをかきやすくなるのか、その理由について詳しく解説していきます。あわせて、疲れによるいびきを抑える方法や、治療法、そしていびきの放置によって引き起こされる合併症の危険性についても解説するので、疲れからくるいびきに悩んでいる方は、ぜひご一読ください。
疲れているときにいびきをかきやすい理由とは?
そもそも、どうして疲れているときはいびきをかきやすくなるのでしょうか?
通常よりも喉の筋肉が緩みやすくなることが原因
本来、喉の空間は口蓋、喉、舌の筋肉で支えられており、睡眠が深くなるにつれてそれらの筋肉が緩んで空気の通り道が狭くなります。ただし、これだけで必ずいびきにつながるわけではなく、たとえ緩んだとしても、健康な状態であればある程度の空気の通り道が確保されるので、いびきはかきません。
しかし、疲れているときは筋肉の緩みが強くなり、空気の通り道も通常よりも狭くなって結果的にいびきにつながるのです。
女性はホルモンバランスの乱れから疲れやいびきにつながりやすい
特に女性はホルモンバランスの乱れから疲れやいびきにつながることも多いです。
閉経すると女性はいびきをかきやすい
もともと、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンには上気道の活動を活発にする働きがあることから、男性よりも睡眠中にいびきをかきにくくなっています。
しかし女性は、個人差はあれど50歳前後で閉経を迎え、その後は女性ホルモンの分泌量が少なくなっていきます。
その結果、プロゲステロンによるいびき予防効果が弱まり、男性と同じように女性も閉経後はいびきをかくようになるのです。
しかも、この時期の女性は「更年期」でもあり、強い倦怠感を感じることも増え、疲れによるいびきも発生しやすくなると言えます。
参考:
呼吸器の病気 睡眠時無呼吸症候群 | 一般社団法人日本呼吸器学会
女性の一生と更年期|更年期障害・更年期の悩みのことなら更年期ラボ(大塚製薬)
妊娠も疲れからいびきにつながりやすい
妊娠も女性がいびきをかきやすくなる要因の一つです。
女性が妊娠すると、元の状態から大幅に体重が増えるため、肥満の人と同じように喉や舌にも脂肪が蓄積します。これにより、空気の通り道が狭くなっていびきの症状が現れます。
そして、妊娠中も女性ホルモンは大きく変動するため、疲れも溜まってさらにいびきをかきやすくなります。
参考:
健康づくりのための睡眠ガイド 2023 (第3回 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会 資料1)|厚生労働省
疲れによるいびきがさらなる病気を招く恐れあり
このように、疲れが溜まるといびきにつながることがありますが、その状態が長く続くと、さらなる病気につながる恐れがあります。
疲れによるいびきが睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こす
いびきが長期にわたって続くと、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病気を引き起こす危険性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何らかの原因で気道が狭くなり、無呼吸状態(たびたび呼吸が止まってしまう)に陥ってしまう病気です。
呼吸が止まると言っても、完全に呼吸が止まってしまうというわけではなく、10秒程度の呼吸停止があったのち、自ら目を覚まして呼吸を再開させますが、また寝入ると再び無呼吸状態に陥り、また目を覚まします。
これを一晩中繰り返すため、深い睡眠が全く取れず、日中に強い眠気の出現や倦怠感、集中力の低下が起こります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は危険な合併症にもつながる
この睡眠時無呼吸症候群(SAS)がさらに長期にわたって定着すると、無呼吸になるたびに酸素濃度が下がるため、これを補おうと心臓の働きが強くなり、高血圧となります。
この高血圧は、血管にも強い負荷をかけるので動脈硬化が進み、さらには心筋梗塞や脳梗塞など、発症すると命を落とす危険性のある合併症につながります。
加えて、睡眠不足によるストレスにより、血糖値やコレステロール値が高くなることで、さまざまな生活習慣病やメタボリック・シンドロームが引き起こされることも知られています。
参考:
睡眠時無呼吸症候群 / SAS | e-ヘルスネット(厚生労働省)
良い目覚めは良い眠りから – 知っているようで知らない睡眠のこと|e-健康づくりネット(厚生労働省) – 健康づくり支援担当者のための総合情報サイト
疲れによるいびきが交通事故の原因にもなる
そして、睡眠時無呼吸症候群(SAS)において合併症と同じくらい危険視されているのが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者による大規模な交通事故の発生です。
前述したように、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は慢性的な睡眠不足によって日中に強い眠気が出現する病気ですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)はその特性上「自分が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している」という自覚が乏しいのが特徴です。仮に睡眠不足を感じていたとしても、本人には「何だか最近寝不足だな」程度の自覚しかないため、いつも通り車の運転や公共交通機関の運転をしてしまいます。
その結果、運転中に耐え難い眠気に襲われ、本人だけでなく周囲をも巻き込む大きな事故に発展してしまうのです。
実際、過去にも公共交通機関の運転手が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しているにもかかわらず業務を続けたことで事故が発生し、多数の死傷者が出た例が報告されています。
このような事態を防ぐためにも、ひどいいびきや睡眠中の無呼吸がある場合には、速やかに専門の医療機関で検査・治療を受けることが大切です。
疲れ以外にはどんないびきの原因がある?
いびきには、疲れ以外にも次のような原因があり、複数の原因が組み合わさるといびきの悪化や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の進行にもつながります。
疲れ以外のいびきの原因①:肥満
肥満は、いびきの大きな原因の一つです。首周りに脂肪がつくことで気道が狭くなり、空気の通りが悪くなります。その結果、いびきが生じやすくなります。
特に、若い頃と比べて体重が急激に増加した場合は、いびきのリスクが高くなっていると言えるので注意が必要です。
疲れ以外のいびきの原因②:あごの小ささ・首の短さ
生まれつきあごが小さくて首が短い人も、横になったときに気道が狭くなりやすいため、いびきにつながることが多いです。
また、首が短いと少々の肥満でも脂肪が首周りにつきやすいため、さらにいびきの発生率は増します。
疲れ以外のいびきの原因③:鼻づまりによる口呼吸
鼻づまりがあると、自然に口呼吸をするようになるため、口腔内が緩みやすくなっていびきをかきやすくなります。
また、口を開けて寝ると口腔内が乾燥しやすくなるため、いびきの音が大きくなることにもつながります。
疲れ以外のいびきの原因④:寝姿勢
仰向けで寝ると、舌や軟口蓋が重力で喉の奥に下がり、気道が狭くなります。また、口呼吸にもつながりやすいことから、いびきの発生を誘発する要因になります。
疲れ以外のいびきの原因⑤:飲酒
お酒に含まれるアルコールは筋肉を弛緩させる働きがあるため、睡眠中に喉の筋肉が緩みやすくなっていびきをかきやすくさせます。
その他にも、アルコールには脱水作用と利尿作用があるため、中途覚醒を引き起こし、睡眠の質そのものを低下させる働きもあります。
疲れ以外のいびきの原因⑥:喫煙
喫煙は、気道の炎症を引き起こし、粘膜の腫れをもたらすことから、いびきの原因とされています。
しかも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症でもある生活習慣病の発症率を高めるとも言われているため、特に危険因子とも言われています。
疲れ以外のいびきの原因⑦:枕の高さ
枕の高さが合っていないと、首の角度が不自然になり、気道が狭くなりやすくなっていびきにつながります。
また、不適切な高さの枕は口呼吸の誘発や仰向け寝につながることから、余計いびきの発生率を高めます。
参考:
【医師監修】いびきの原因と予防するための対処方法を徹底解説(木村 眞樹子 医師)セイムスコラム・ドラッグセイムス|富士薬品のドラッグストア・薬局
Q15 夜、いびきをかく、と言われました – 呼吸器Q&A|一般社団法人日本呼吸器学会
疲れによるいびきを改善する方法
それでは、疲れによるいびきを改善するためにはどうすれば良いのでしょうか?
疲れによるいびきを改善する方法①:ストレスを発散する
まずは、疲れの原因であるストレスを解消しましょう。
こまめに休憩する、趣味に没頭する、ゆっくりお風呂に入るなど、自分に適したストレス発散法を実践するのが大切です。
疲れによるいびきを改善する方法②:鼻づまりの改善
鼻づまりがあると、睡眠中の鼻呼吸が妨げられ、自然と口呼吸になってしまいます。
花粉症やアレルギーによって鼻がつまっている方は、医療機関などを受診して、鼻づまり改善に取り組みましょう。
上記の方法を試しても効果がない場合は、慢性副鼻腔炎や鼻中隔湾曲症などによって鼻づまりが起こっている可能性があります。
これらは専門的な治療や手術が必要な疾患なので、近くの耳鼻咽喉科に相談し、治療を受けるようにしてください。
疲れによるいびきを改善する方法③:枕を自分に合ったものに変える
枕を自分に合った高さや硬さのものにすると、首に負担がかからなくなり、いびきの予防につながります。
近頃は、自分に合った枕をオーダーメイドで制作してくれるサービスやお店も増えているので、この機会に利用してみるのがおすすめです。
疲れによるいびきを改善する方法④:飲酒・喫煙をやめる
飲酒・喫煙は、いびきを発生させる危険因子とも呼ばれるほど、いびきや無呼吸治療の大敵です。
日常的にこれらの習慣がある方は、この機会に改善することを推奨します。一人で禁酒・禁煙する自信がない方は、最近では専門の禁酒、もしくは禁煙外来も増えているので、この機会に受診するのも良いでしょう。
疲れによるいびきを改善する方法⑤:いびき防止グッズの活用
近年のドラッグストアでは、鼻呼吸を助ける「鼻腔拡張テープ」や口呼吸を防止する「口閉じテープ」など、さまざまないびき防止グッズが販売されています。
疲れによるいびきを改善したい場合は、これらを利用してみるのもおすすめです。
参考:
【医師監修】いびきの原因と予防するための対処方法を徹底解説(木村 眞樹子 医師)セイムスコラム・ドラッグセイムス|富士薬品のドラッグストア・薬局
Q15 夜、いびきをかく、と言われました – 呼吸器Q&A|一般社団法人日本呼吸器学会
疲れによるいびきがひどい場合は病院で治療を
上記で、疲れによるいびきを改善する方法について解説しましたが、いびきの症状がひどい場合や改善が見られない場合は医療機関で治療することが大切です。
CPAP(シーパップ)療法
CPAP(シーパップ)療法とは、鼻に装着したマスクを通して設定された陽圧を気道に送り、 気道を広げて無呼吸が起きないようにする治療法です。現在、日本だけでなく世界的にもスタンダードな治療法とされ、有効性が高く安全性も確立されています。
CPAP(シーパップ)療法を行うことで、睡眠中のいびきや無呼吸が改善され、熟睡感が得られるようになって起床時の倦怠感や日中の眠気の解消につながります。また、治療を続けると血圧の低下なども見られることから生活習慣病の発症リスク軽減効果も期待できます。
参考:
Q32 CPAP(シーパップ)とはどのような治療法ですか? – 呼吸器Q&A|一般社団法人日本呼吸器学会
マウスピース
マウスピース治療は、マウスピース(スリープスプリントとも呼ばれる歯科装具)を歯にはめるという方法です。横になったときにあごが前にやや突き出したような形になり、舌の落ち込みによるいびきを防ぐことができます。
CPAP(シーパップ)療法とは違い、大掛かりな装置が必要ないことから、手軽にいびき・無呼吸治療ができるのが利点です。
ただし、マウスピースは検査の結果、比較的症状が軽い方に向けて行われる治療法で、中等症〜重症の方にはCPAP(シーパップ)療法が実施されることが多いです。
どの治療法が実施されるかは最終的に医師が判断するので、診察の際にしっかりと確認しましょう。
疲れによるいびきには切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」が効果的
いびき治療において、CPAP(シーパップ)療法やマウスピースは一般的な治療法とされていますが、近年注目を集めているいびきレーザー治療があります。
それが、切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」です。
パルスサーミアは、口の中の軟口蓋まわりの粘膜をレーザーで引き締めることで、狭くなった気道を広げ、いびきや無呼吸を治療する新しいいびき治療です。
粘膜にレーザーを当てると聞くと、「痛そう」や「血が出るのでは?」と不安になる方もいるでしょう。しかし、パルスサーミアで使用するレーザーはいびき治療に特化した特殊なレーザーなので、出血はほぼなく、痛みも最小限に抑えることができます。
また、パルスサーミアは従来のレーザー治療のような長期のダウンタイム(施術部分が回復するまでにかかる期間)もありません。治療後もやや喉に違和感がある程度で、すぐ日常生活に戻ることができます。
ゆえに、仕事をしている方や、家事育児に追われる方のようにまとまった時間が取れない場合でも、問題なく施術を受けることができます。
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疲れによるいびきに悩む方はいびきメディカルクリニックへ相談を
今回は、疲れによっていびきをかく原因と対策について解説しました。
疲れによるいびきに悩んでいる方は、ぜひ一度いびきメディカルクリニックにご相談ください。専門知識豊富な医師やスタッフが、患者様が一日でも早くいびきから解放されるよう、全力でサポートいたします。
よくある質問
肥満やあご・首の形状、鼻づまりなどの身体的な原因の他に、飲酒や喫煙、寝相、枕の高さなどの原因も考えられます。