いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くとどうなる?原因や改善方法や治療法も解説!
目次
現在、いびきをかいたり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症したりと睡眠トラブルを発症している人のなかには、今のまま放置しても問題ないか気になっている方も多いでしょう。
この記事では、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くとどうなるのか、起こる問題について解説します。改善方法や治療法も解説しているので、対策を始める参考にしてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していませんか?
現在、次のような自覚症状をお持ちではないでしょうか。
- 普段からいびきをかいている
- 寝起きに頭痛がある
- 寝起きにのどの痛みがある
- 苦しくなって目が覚める
- 日中に強い眠気を感じる
- 運転中にウトウトする
上記の症状は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しているのが原因かもしれません。
また、すでにいびきをかいている人や、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していると自覚している人もいるでしょう。症状を自覚しながら放置していると、後々大きな問題へと発展する恐れがあります。
次項から、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くリスクを詳しくまとめました。症状が自分にあてはまると感じた方はぜひ参考にしてみてください。
参考:
呼吸器Q&A Q15 夜、いびきをかく、と言われました|日本呼吸器学会
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症して時間が経過すると、さまざまな症状が起きやすくなります。生活に影響する問題もあるので、放置するリスクをチェックしてみてください。
成長ホルモンの分泌阻害で睡眠障害が発生しやすくなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、身体をつくる「成長ホルモン」が分泌されにくくなります。成長ホルモンには自律神経を整える重要な役割があり、分泌量が減ってしまうと、次のようなトラブルが起きやすくなるかもしれません。
- 知能低下
- 夜尿
- 注意欠陥
- 多動
- 攻撃性
家庭コミュニケーションはもちろん、社会生活にも影響するポイントですので、早めの解決が求められます。
参考:
滋賀医科大学睡眠学講座 睡眠からみた小児睡眠呼吸障害|宮崎 総一郎、北村 拓朗
血中酸素飽和度が下がり睡眠の質が悪くなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、舌根沈下(舌が喉側に落ち込む現象)のせいで睡眠中の呼吸がしづらくなります。結果として、酸素を十分に取り込めなくなり、血中酸素飽和度が下がってしまいやすくなることに注意が必要です。
血中酸素飽和度が下がると、脳に十分な酸素が行き渡りにくくなります。なかでも睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、呼吸しづらくなるせいで心血管系合併症の発生頻度が健常人の3倍も発生しやすくなると報告されていることから、症状を放置せず改善を目指すことが大切です。
参考:
解説特集:睡眠の生態計測技術 睡眠中の酸素飽和度モニタリング|長谷川 誠、佐藤 光生
自律神経やホルモン調整機能が崩れて肥満になりやすくなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症した人は、症状がない人と比べて肥満体型になりやすいです。例えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、自律神経やホルモン調整機能が崩れ、空腹感を増やすグレリンという成分が増加し、逆に食欲を抑えるレプチンと呼ばれる成分が減ってしまいます。
結果として、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続く限り食欲が増し、自然と太りやすくなるのが特徴です。「最近お腹が出てきた…」「ちょっと体重が増えてきた」と感じる方は、早めに症状を改善しましょう。
参考:
メタボや肥満の人が「睡眠不足」を感じたら放置してはいけない理由|日本肥満症予防協会
口呼吸による乾燥で口内炎・歯周病ができやすくなる
いびきをかく人はもちろん、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は口呼吸が誘発され、乾燥の影響で口内炎や歯周病が増えやすくなることに注意が必要です。
例えば口呼吸のせいで口のなかが乾燥すると、唾液が減って細菌が繁殖しやすくなり、口内炎や歯周病ができやすい環境へと変わってしまいます。また、同じ状況が継続すると、口内の細菌が増えて次のような病気を発症するかもしれません。
- 風邪
- 扁桃炎
免疫力が低下し体調不良が続きやすくなるため、症状にあてはまる人は早めにいびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)を解消しましょう。
参考:
歯周病の原因|日本歯周病学会
口呼吸による乾燥で口臭が悪化しやすくなる
前述した口呼吸が続くと、口内が乾燥するせいで口臭が悪化しやすくなると言われています。
主な仕組みとして、唾液の分泌量が減り食べ物のかすなどが口の中で発酵して、アンモニアといった臭気物質へと変わるのが特徴です。アンモニアといった臭気物質は揮発性があるので、会話や呼吸をするたびにニオイが広がってしまいます。
ニオイに関して自覚症状があるという方は、まわりから指摘されないうちに早めに原因となるいびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の解消を目指しましょう。
参考:
におい・かおり環境学会誌 口臭への対応と口臭症治療|角田 正健、喜多 成价、久保 伸夫、角田 博之、福田 光男、本田 俊一
合併症を発症しやすくなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、ただ呼吸が止まるというだけではなく、長期間放置すると症状が悪化して、次のような合併症を引き起こす場合があります。
- 生活習慣病(高血圧・糖尿病など)
- 心不全
- 不整脈
- 狭心症
- 動脈硬化
なかでも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、一時的に呼吸が止まる影響で血液系に影響をあたえ、上記の症状を発症しやすくなるのが特徴です。将来的に健康被害を受ける恐れがあるので、いびきを書いている人はもちろん睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、早めに改善することをおすすめします。
合併症については下記記事でも詳しく解説していますので併せてご覧ください。
参考:
日医大医会誌 睡眠時無呼吸症候群の診断と治療 寝ている間に病気が作られる |村田 朗
記憶力が低下して認知症になりやすくなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続く人は、症状がない人と比べて記憶力が低下しやすいと言われています。
注意力や記憶力の維持が難しくなることから、物忘れが激しかったり、同じことを何度も聞きなおしたりと、コミュニケーショントラブルに発展するかもしれません。また、一時的な記憶力の低下だけではなく、認知症の合併症リスクが高まることにも注意が必要です。
若いうちから認知症を発症する恐れもあるため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期改善が欠かせません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の脳への影響については下記記事で詳しく解説しています。
参考:
口咽科シンポジウム 睡眠呼吸障害と認知機能障害|北村 拓朗、宮崎 総一郎、鈴木 秀明
ED(勃起障害)になりやすくなる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、ED(勃起障害)を発症するリスクがあると言われています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、睡眠中にテストステロンという成分が分泌されにくくなり、ホルモンをうまくコントロールできなくなるせいでEDのリスクが高まることも少なくありません。
性生活に問題が発生するケースもあるため、EDを回避するために睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療を開始しましょう。
参考:
Obstructive Sleep Apnea and Testosterone Deficiency|Sung-Dong Kim、Kyu-Sup Cho
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続く原因とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が続いてしまう理由としては、次の原因が考えられます。
- いびき
- 肥満
- 骨格の問題
- 睡眠中の姿勢
- 中枢系の異常
食べすぎや不摂生で喉まわりに脂肪がつくことで睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善しにくくなるほか、あごの小ささといった骨格の問題などで症状が治まらないケースも少なくありません。また、普段からいびきが習慣化している人は、口呼吸のせいで睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすくなるのが特徴です。
なかには、日常対策だけでは改善できないケースもあるので、詳しい改善方法を知りたいなら一度睡眠を専門とする病院への相談をおすすめします。
より詳しく睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因を知りたいなら、以下の記事をチェックしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を改善する生活習慣
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症した原因が「肥満といった生活習慣」による影響だという人は、次の方法で生活リズムを改善しましょう。
- 栄養バランスのとれた食事を適切な量だけ摂る
- 夜更かしなどをせずに十分な睡眠時間を確保する
- 適度な運動を習慣化する
肥満体型が改善すれば、自然といびきをかきにくくなるのはもちろん、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状を改善しやすくなります。また睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、上を向いたまま眠って舌根沈下が起きてしまうことで症状が出るため、横向きの姿勢で眠ることも重要です。
自身の生活を見直すことで症状が改善するケースも多いので、この機会に生活習慣を見直してみてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善しないなら防止グッズを活用しよう
生活習慣を改善しても睡眠時無呼吸症候群(SAS)が収まらないなら、防止グッズを購入して対策をするのもひとつの手です。参考として、役立つ防止グッズを以下にまとめました。
- 口閉じテープ
- 鼻腔拡張テープ
- 鼻(ノーズ)クリップ
- いびき対策用マスク
- マウスピース
- ナステント
- 枕・抱き枕
それぞれ睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症させる原因である口呼吸や鼻づまりなどを改善できる便利なグッズです。詳しいグッズの概要を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は病院で治療できる
「なぜ睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しているのかわからない」「改善を目指しているけど効果がない」とお悩みなら、まずは睡眠専門の病院に相談をして、治療をスタートするのがおすすめです。例えば、病院では次のような治療を開始できます。
- 改善アドバイス
- マウスピース療法
- CPAP(シーパップ)療法
病院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状に合わせて豊富な治療法が用意されています。無料カウンセリングを利用できるので、まずは相談から始めてみてはいかがでしょうか。
いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の抜本的な解決はいびきレーザー治療が効果的
いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対処療法ではなく、再発しないように根本治療を始めたいなら、いびきレーザー治療を利用するのがおすすめです。
従来のいびきレーザー治療は、口蓋垂から軟口蓋の一部の粘膜部をレーザーで切除する外科的治療を伴う治療であり、舌根沈下が起きても気道がふさがりにくくなります。ただし、施術中の痛みがあるほか、長期間のダウンタイムが発生することに注意しなければなりません。
もし痛みを避けつつ根本治療がしたいなら、切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」を利用しましょう。レーザーの力で粘膜部を引き締めるだけなので、外科的治療が伴わないのがパルスサーミアの魅力です。施術中の痛みもほとんどなく、ダウンタイムなくすぐに復帰できるので、興味がある方は以下よりパルスサーミアの魅力をチェックしてみてください。
いびきメディカルクリニックのオリジナルレーザー治療「パルスサーミア」とは
いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)が続くなら、専門クリニックに相談しよう
いびきをかく状態や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が続くと、肥満といったトラブルだけでなく、合併症のリスクが高まります。自身の将来に関わる重大問題が起こる恐れもあるため、長期間トラブルに悩まされている方は、この機会に睡眠の専門医に相談をしてみてください。
原因を調べる検査を受けられることはもちろん、症状に合わせて最適な治療法を提案してもらえます。
<いびきメディカルクリニックのいびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療についてはこちら>
よくある質問
いびきの途中に一時的に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、合併症のリスクがあるので危険です。また、通常よりも大きないびきをかく人は、脳卒中を発症しかけているのかもしれません。普段からよくいびきをかくという人は早めの対策が重要ですので、無料カウンセリングを予約することをおすすめします。