いびきの原因や治し方をいびき専門医が解説!男性・女性の症状の違いについて
目次
いびきの症状に悩まされているけれど、いったい何が原因なのかわからないとお悩みの方も多いでしょう。また、どのような治し方があるのか具体的な情報を知りたい人もいるはずです。
この記事では、いびきをかく原因や治し方について、いびきの専門医が具体的なメカニズムを含めながら詳しく解説します。男性向け・女性向けのよくある原因も解説しているので、いびき治療の参考にしてください。
男性・女性を問わず誰でもいびきをかくって本当?
テレビやドラマなどの影響で、いびきは男性がかくものだと思われがちですが、実際には男性・女性を問わず、誰もがいびきをかく可能性があります。
一般的にいびきは、男性の約6割、女性の約4割がかくと言われており、加齢とともにいびきをかく可能性が高くなる傾向が強いです。若いうちはいびきをかかなかったけれど、年齢を重ねたり、体型が変化したりしたことで、徐々にいびきの頻度が増加する人も少なくありません。
参考:
いびき – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版
男性に多くみられるいびきの原因
男性がいびきをかきやすい原因として挙げられるのが、生活習慣や体型などに関わるポイントです。具体的な原因のメカニズムについてみていきましょう。
なお、紹介する原因は男性に「多くみられる」のが特徴です。性別を問わず起きる可能性がある原因ですので、女性の方もチェックしてみてください。
【男性に多いいびきの原因1】暴飲暴食で太ってしまう
「人よりも食事量が多い」
「よく間食している」
「ストレス発散のために暴飲暴食を辞められない」
という方は、体型が変化する影響でいびきをかきやすくなると言われています。
例えば「摂取カロリー>消費カロリー」という条件にあてはまる人は、食事の栄養が蓄積されつづけ、脂肪として蓄えられていくのが特徴です。自然と喉まわりや舌の脂肪が増え、空気の通り道である気道がふさがりやすくなり、いびきをかきやすい身体へと変わっていきます。
運動不足の方や夜食が多い男性は特に注意してください。
参考:
間食のエネルギー(カロリー)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
【男性に多いいびきの原因2】寝る前に飲酒をする
「お酒が好きで夜遅くまで飲酒をしている」
「酔わないと眠れない」
という方は、酔って筋肉が弛緩する影響でいびきをかいてしまうことが少なくありません。人にはよりますが、男性は仕事の付き合いや晩酌などお酒を飲む機会が多いことから、いびきにつながる傾向が強いです。
まず、いびきをかく理由のひとつに、舌が喉側に落ち込んでしまう「舌根沈下」というものがあります。酔って筋肉が緩むと、舌根沈下が起きやすくなり気道がふさがってしまうのが主な流れです。
また筋肉が緩む影響で寝返りなども打ちづらくなるため、仰向けの姿勢で眠ることにより、舌根沈下が起きやすい体勢になることにも注意しなければなりません。
仕事終わりの一杯が至福の方もいらっしゃるかもしれませんが、いびきにお困りの場合はお酒を控えた方がいいでしょう。
参考:
睡眠障害と睡眠覚醒調節8 呼吸器と睡眠異常|市岡 正彦
【男性に多いいびきの原因3】口蓋垂が長く舌が大きい
通常の人よりも口蓋垂(のどちんこ)が長い、舌が大きいという条件にあてはまる人は、睡眠中の呼吸を阻害される影響でいびきをかきやすくなると言われています。
実際に、いびきの外科的治療には舌を短くする「舌縮小術」や口蓋垂から軟口蓋の一部の粘膜を切除する「いびきレーザー治療」といった施術の利用が可能です。女性よりも体が大きい男性の場合、身体的な特徴がいびきの原因につながることにも注意してください。
あまり自分では気がつきにくい特徴のため、いびきでお悩みの方はいびき専門のクリニックで医師に診てもらいましょう。
下記記事では、なぜ男性がいびきをかきやすいのか解説していますので、併せてご覧ください。
女性に多くみられるいびきの原因
女性に多くみられるいびきの原因には「ストレス」「女性ならではの特徴」が関係している傾向が強いです。女性にしかみられない原因もあるので、ぜひ参考にしてください。
【女性に多いいびきの原因1】更年期障害を発症する
閉経など、女性ホルモンの分泌量が減ることで起こる「更年期障害」を発症すると、ホルモンバランスが乱れる影響で、いびきをかきやすくなると言われています。
ホルモンバランスが乱れると、体型が変化するほか、後述するストレスや疲れをため込みやすくなるのが特徴です。女性ホルモンが減ると、睡眠の質を高めるセロトニンの分泌量も減少する場合があるため、睡眠トラブルなどが原因でいびきをかくことも少なくありません。
若い頃はいびきをかかなかったのに、年齢を重ねいびきが気になっている方は、一度クリニックに相談してみましょう。
【女性に多いいびきの原因2】疲れやストレスを溜めてしまう
女性は、次の理由から男性よりも疲れやストレスを溜めやすいと言われています。
- 結婚
- 妊娠や出産
- 育児
- 介護
疲れやストレスが溜まると自律神経が乱れて、体型の変化や不眠症といった睡眠トラブルを発症しやすくなるのが特徴です。結果として肥満によるいびき、筋肉の弛緩によって起こるいびきなどが起き、ストレスを解消できない限りいびきが習慣化してしまいます。
ストレス社会と言われるご時世ですが、自分なりにうまく発散できる方法を見つけることが大切です。
参考:
女性は男性よりうつになりやすい?女性特有のうつ、働く女性の心とからだの応援サイト(厚生労働省)
【女性に多いいびきの原因3】妊娠した
妊婦は非妊婦と比べていびきをかきやすい傾向が強くなると言われています。原因としては、エストロゲン・プロゲステロンといった成分の分泌量が増えて身体にむくみが生じたり、脂肪が増加したりする影響で、気道がふさがりやすくなるのが理由です。
女性ならではの特徴であるため、妊娠中に大きないびきをかく場合には、いびき専門の医師に相談することをおすすめします。
下記記事では、女性特有のいびきの原因と対策方法について解説していますので、併せてご覧ください。
いびきの原因を探るチェックリスト
自分がなぜいびきをかいているのかわからないとお悩みの方向けに、セルフチェックリストをまとめました。あてはまる項目が多いほどいびきをかきやすい傾向があります。
より詳しくセルフチェックを知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
いびきの原因を放置するリスク
現在いびきをかいている人のなかには、長年いびきの問題を放置している方もいるはずです。しかし、いびきの原因を放置することには3つのリスクが隠れています。
【いびきの原因を放置するリスク1】日常生活でトラブルが起こりやすくなる
いびきをかいている人は、いびきの音で騒音トラブルになるほか、寝不足や酸素不足による頭痛のせいで、コミュニケーショントラブルが起こる場合があります。人間関係に影響することもあるので、早めに原因を解決しましょう。
いびきの音によってよくある騒音トラブルについては下記記事で紹介しています。気になる方は併せてご覧ください。
【いびきの原因を放置するリスク2】生活や仕事に集中できにくくなる
いびきをかいている人は、睡眠不足から集中力が途切れやすくなるほか、急な眠気などを感じやすくなるのが特徴で仕事や運転などに影響が出やすいとされています。特に絶対に寝てはいけない会議が多い方、バスやトラックの運転手の方など大きな問題が起きる前にいびきの原因を解決することをおすすめします。
睡眠不足で悩んでいる方は、まずはいびきを疑ってみてはいかがでしょうか。
【いびきの原因を放置するリスク3】睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する場合もある
いびきをかいている人のなかには、一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病気を発症している人がいます。舌根沈下などで気道がふさがり、一時的に呼吸ができなくなるため脳に酸素を届けにくくなる影響で、脳卒中や心不全、糖尿病などを併発しやすくなるのが特徴です。
直接的な死亡事例などはありませんが、大きな病気に発展することから、早めの解決が望ましいでしょう。
すぐに始められるいびきの治し方
いびきのセルフケアを始めたいという方向けに、自宅でできる7つの治し方を紹介します。
【いびきの治し方1】摂取カロリーを減らす
肥満が原因のいびきを改善したいなら、ダイエットのために摂取カロリーを減らしましょう。
例えば
「間食をやめる」
「年齢に合った平均的な摂取カロリーに抑える」
というように、暴飲暴食ぎみな生活から抜け出すことが重要です。
ただし、無理な食事制限は別の問題が生じる場合があるため、バランスのとれた食事を心がけましょう。
【いびきの治し方2】食べた後にすぐ寝ない
夜遅くに食事をする習慣がある人は、食べた後にすぐ眠らないことが重要です。
消化が始まっている状態で眠ると、睡眠の質が下がるのはもちろん、自律神経が乱れていびきをかきやすくなります。
「消化が終わる1時間は眠らないようにする」
「夜遅くに食事をする際は消化が早いものだけにする」
というように、睡眠の質を上げる対策を始めましょう。
下記記事では寝る前にやった方がいいこと、やってはいけないことを紹介しています。併せてご覧ください。
【いびきの治し方3】毎日体を動かす
ダイエットや生活リズムを整えていびきの改善を目指すために、毎日体を動かしましょう。
運動不足の人は一駅だけ歩くというように、簡単なウォーキングから始めるのがおすすめです。毎日運動を続けることで、代謝がよくなるほか、規則的な生活を送りやすくなり、いびきの改善につながります。
【いびきの治し方4】夜の24時までには就寝する
いびきは自律神経が乱れて発症する傾向があるため、睡眠リズムを整えることが重要です。
簡単に始められるのは睡眠のルールを決めることであり、朝から仕事がある人は夜24時までに就寝することを心がけましょう。人によって差はありますが、成人の最適な睡眠時間は6~8時間程度だと言われているため、夜24時に眠れば、十分な睡眠時間を確保できます。
【いびきの治し方5】ストレス解消の趣味を見つける
ストレスによる自律神経の乱れで起きるいびきを解消したいなら、次のようにストレス解消の趣味を見つけましょう。
- 屋外での趣味(スポーツ、アクティビティなど)
- 屋内での趣味(読書、DIYなど)
自分がやりたい趣味を見つけられないという方は、まずいろんなことにチャレンジするのがおすすめです。
【いびきの治し方6】毎日湯船につかる
生活リズムを整えていびき改善を目指したいなら、毎日湯船につかることをおすすめします。
身体を温めて眠気を誘うほか、血行促進や自律神経の改善が可能です。毎日シャワーだけで済ませているという方は、この機会に湯船につかる習慣をつくってみてください。
【いびきの治し方7】アロマでリラックスする
香りによるリラックスもストレス解消や自律神経の改善に効果があります。
アロマエッセンスを利用するほか、部屋でお香を焚くといった方法でアロマを楽しめるのが魅力です。寝室用の芳香剤なども販売されているので、好きな香りを購入してみてください。
病院で始められるいびきの治し方
病院に相談しながらいびきを治したい方向けに、利用できる治療法とその流れを紹介します。
【病院でのいびきの治し方1】医師に生活習慣の改善をアドバイスしてもらう
生活習慣の改善方法がわからないとお悩みの方は、医師からアドバイスを受けることが可能です。自分の悩みや普段の生活状況を伝えることにより、最適な治し方をレクチャーしてもらえます。
【病院でのいびきの治し方2】マウスピースをつくって就寝時に装着する
いびき専門のクリニックなどでは、マウスピース療法として、相談者の歯形に合わせたオリジナルのマウスピースを製作してもらえます。歯形を取ってから平均2ヶ月程度で製品が完成し、就寝後に着用することでいびき対策が可能です。
下記記事では、マウスピースの効果のまとめと、マウスピースがおすすめな人・しない方がいい人について解説していますので、併せてご覧ください。
【病院でのいびきの治し方3】投薬治療でアレルギーを改善する
鼻いびきなど、花粉症やアレルギー性鼻炎といった原因でいびきをかく人は、投薬治療を受けられます。
アレルギーに効果のある薬を服用し続けることで改善を目指すため、人によって効果の時間差があることに注意しなければなりません。
【病院でのいびきの治し方4】CPAP(シーパップ)療法で自宅治療を始める
いびきだけでなく睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人は、CPAP(シーパップ)療法を利用できます。
CPAP(シーパップ)療法は呼吸をサポートする専用の機器を装着することで、睡眠中の自然な呼吸を維持できます。機器をレンタル・購入して自宅で使うことができ、使い続けることで正しい呼吸へと矯正できます。
ただし、CPAP(シーパップ)療法はあくまでも対症療法です。いびきを治すというよりも、睡眠中の自然な呼吸を維持できることが特徴です。CPAP(シーパップ)療法での治療中は、肥満を解消するなどいびきの原因を改善することが大切です。
下記記事では、CPAP(シーパップ)に期待できる効果や、実際に使用するうえでの注意点をまとめて解説していますので、併せてご覧ください。
【病院でのいびきの治し方5】いびきレーザー治療で根本治療を始める
いびきをかかないように早期解決を目指したい人は、根本治療であるいびきレーザー治療を受けるのがおすすめです。
従来のいびきレーザー治療では、レーザーを使って肥大している口蓋垂から軟口蓋の一部の粘膜を切除する治療であり、気道がふさがりにくい状態に改善する効果があります。ただし、施術に痛みが伴うほか、ダウンタイムが10日ほど発生するため、安静にする期間が長いことに注意しなければなりません。
いびきレーザー治療のデメリットは切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」で解決しよう
従来のいびきレーザー治療の痛みやダウンタイムについて「痛みのある施術は怖い」「ダウンタイムのために休みを取れない」とお悩みなら、切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」がおすすめです。
パルスサーミアは肥大した口蓋垂まわりの粘膜を切除するのではなく、レーザーで引き締める治療となります。施術中の痛みがほとんどないほか、ダウンタイムもありません。治療後すぐに復帰できるため、日常生活を乱すことなくいびきを改善できます。
<いびきメディカルクリニックの切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」の詳細はこちら>
いびきの症状にお悩みなら、いびき専門のクリニックで治し方を相談しよう
いびきは男性・女性で共通する原因もあれば、性別ならではの原因なども複数あります。治し方についても、自宅でできるセルフケア、いびき専門のクリニックでの治療など対策が豊富ですので、ぜひいびき改善を目指して動き始めてみてください。
なお、自分がいびきをかく原因がわからないとお悩みなら、まずはいびき専門のクリニックに相談するのがおすすめです。原因や症状の度合いを調べ、適切な治し方をアドバイスしてもらえます。
よくある質問
自宅でできるセルフケアとしては、生活習慣の改善やストレスの発散といった対策が可能です。対していびき専門のクリニックでは、マウスピース療法・投薬治療・CPAP(シーパップ)療法・いびきレーザー治療といった方法でいびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療ができます。