睡眠アプリはいびき対策になる?仕組みや危険性はあるかを解説します!
目次
睡眠の悩みを解決するために、睡眠アプリを導入してみようと考えている人も多いでしょう。しかし、本当に効果があるのか分からず、本当に続けるべきか迷っている人もいるはずです。
この記事では、睡眠アプリを導入したい人向けにアプリで何がわかるのか、そして仕組みや使い方について解説します。導入するメリット・デメリットやいびき対策への役立ち方も説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
睡眠アプリとは?
睡眠アプリとは、自身の睡眠の状況や質を確認できる便利なツールのことです。スマートフォンやウェアラブル端末にインストールすることで情報を計測・分析でき、夜中に起動しておくだけで睡眠に関わる情報が自動で集計されていきます。
なお独立行政法人の経済産業研究所が公開している「睡眠改善アプリを用いた健康経営施策が生産性に与えた影響:RCTに基づく検証」によると、アプリを活用しない状態よりも、アプリを使用した後のほうが睡眠の質の改善効果があらわれやすくなるということが判明しました。睡眠の長さや効率性、満足度といった項目がすべて向上していることから、睡眠アプリの導入は、睡眠トラブルの解決をサポートする重要なツールになると期待されています。
参考:
睡眠改善アプリを用いた健康経営施策が生産性に与えた影響:RCTに基づく検証|独立行政法人 経済産業研究所
睡眠アプリでわかること
睡眠アプリでは、本項で紹介する睡眠に関わるさまざまな情報が自動で集計されていきます。数値としてわかる情報について詳しく見ていきましょう。
【睡眠アプリでわかること1】睡眠時間
睡眠アプリを使えば、1日の睡眠時間が何時間だったのかを自動で集計されていきます。
例えば、
「今日は6時間睡眠だった」
「先週と比べて平均の睡眠時間が延びた」
というように、その日の睡眠時間をチェックできるほかに、過去のデータとの比較が可能です。
また、集計された睡眠時間の情報は棒グラフなどにまとめられていきます。1ヶ月ごとのトータル睡眠時間や1日の平均睡眠時間なども分析できるので、睡眠不足の原因などをひと目で判断できるようになるでしょう。
【睡眠アプリでわかること2】入眠・起床時間
睡眠アプリを起動して眠れば、入眠時間や起床時間がいつだったのかを自動で集計できます。
入眠時間や起床時間を集計すれば、ベッドに入ってから眠るまでの時間を計測できるほか、夜中に目が覚めた回数などもアプリで判断できるようになるでしょう。特に入眠時間は自覚できないため、睡眠アプリを使って正しい入眠・起床のタイミングを計測してみてください。
【睡眠アプリでわかること3】睡眠リズム(レム睡眠・ノンレム睡眠)
睡眠アプリの種類によっては、睡眠中に90~120分周期で起こるレム睡眠・ノンレム睡眠を計測できるものもあります。
- レム睡眠:脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が進む睡眠のこと
- ノンレム睡眠:大脳が休息しており、脳や肉体の疲労回復のために重要な睡眠のこと
なかでも睡眠の質を高めるためには、ノンレム睡眠の時間を長く維持することが重要だと言われています。睡眠のリズムは人によって異なるため、自身が正しい睡眠をとれているのかチェックする際にレム睡眠・ノンレム睡眠の計測が必要です。
【睡眠アプリでわかること4】いびきの回数や大きさ
睡眠アプリの種類によっては、睡眠中に起こるいびきの回数や大きさを計測できるアプリも見つかります。
1日の睡眠でどれくらいの時間いびきをかいているのか計測できることはもちろん、大きさをdB(デシベル)で計測できるアプリも提供中です。いびきは睡眠の質を下げる原因になりやすいことから
「自分がいびきをかいているのか知りたい」
「どれくらいの頻度でいびきをかいているのかチェックしたい」
という方は、いびき計測機能付きの睡眠アプリを導入してみてください。
【睡眠アプリでわかること5】心拍数
ウェアラブル端末に導入したアプリなどを身体に着用する場合には、心拍数を計測できます。
脈拍のリズムを継続的に測定できるのはもちろん、心拍数が上昇した時間帯などをすべてグラフ化してくれるのが特徴です。スマートフォンアプリでは計測できないことが多いのですが、ウェアラブル端末をお持ちならぜひ、心拍数といった情報を計測してみてください。
睡眠アプリの仕組み
なぜ睡眠アプリで睡眠の状況を計測できるのか気になっている方向けに、アプリの仕組みについて解説します。
【睡眠アプリの仕組み1】加速度センサーで睡眠状況を検知
睡眠アプリでは、スマートフォンやウェアラブル端末に搭載されている加速度センサー(動きを検知するセンサー)を利用して、睡眠中の動きや睡眠状況を計測できます。身体の動きから入眠したのか、起床したのかを判断できるほか、寝返りなどを検知できるアプリも豊富です。
【睡眠アプリの仕組み2】ウェアラブル端末で心拍数を測定
ウェアラブル端末はもともとヘルスケア目的で開発されていることをご存じでしょうか。血液中に含まれるヘモグロビンに反応する特殊な緑色の光を発することで、心拍数を測定できます。
睡眠アプリもウェアラブル端末の機能を活用し、自動で数値を集計できるようにつくられていることから、特に難しい設定をせずに心拍数を測定できるのが魅力です。
【睡眠アプリの仕組み3】録音機能でいびきを収録
睡眠アプリは、スマートフォンやウェアラブル端末の録音機能を使って、自動で睡眠中の音を拾ってくれます。
例えば、いびきの音を集計することで、それを数値情報としてグラフ化してくれるのが特徴です。アプリを起動すると自動で録音が開始されることから、手軽にいびきの状況を把握できます。
睡眠アプリの使い方
はじめて睡眠アプリを導入するという方向けに、一般的な睡眠アプリの使い方や手順を解説します。導入してすぐに使いこなしたい方は、スマートフォン・ウェアラブル端末それぞれの手順をチェックしてみてください。
【睡眠アプリの使い方1】スマートフォンで計測する
スマートフォンに睡眠アプリを導入した場合には、以下の手順で計測を開始できます。
- 1.アプリをインストールする
- 2.アプリを起動して個人情報を登録する
- 3.睡眠計測のボタンをタップして眠る
- 4.翌日になってから計測されたデータをチェックする
導入した翌日からは、3・4を繰り返していくだけです。計測期間が長くなればなるほどグラフの精度が上がっていくので、毎日計測してみてください。
【睡眠アプリの使い方2】ウェアラブル端末で計測する
ウェアラブル端末に睡眠アプリを導入する際には、以下の手順で計測を開始できます。
- 1.アプリをインストールする
- 2.スマートフォンと連動させて個人情報を登録する
- 3.ウェアラブル端末の睡眠計測ボタンをタップして眠る
- 4.翌日になってから計測されたデータをチェックする
画面が小さいウェアラブル端末でアプリを利用する場合には、スマートフォンと連動させるケースが多い傾向です。簡単な計測はウェアラブル端末、詳しい情報の入力や分析データのチェックはスマートフォンで実施します。
睡眠アプリはいびき対策としても有効です
睡眠アプリはただ睡眠の状況を計測するだけではなく、いびき対策としても効果を発揮します。
例えば、いびきの回数や時間などを継続的に測定していけば、自然といびきをかく傾向が見えてくるでしょう。さらに、いびきが激しい日は何をしていたのかまでメモを取っておけば、何が原因でいびきをかくのかわかっていきます。
また、いびき対策のために生活習慣の改善を進めながらいびきの状態を計測すれば、対策の効果があらわれているのかの判断が可能です。自分では判断しづらい情報でも、アプリなどで計測すれば、簡単にいびきの変化がわかります。現在いびき問題に悩んでいるという方は、この機会にいびき対策のために睡眠アプリを活用してみてはいかがでしょうか。
睡眠アプリをいびき対策に活用する方法
睡眠アプリをいびき対策に活用してみたいと考えている人向けに、具体的な活用例を2つ紹介します。
【いびき対策1】いびきを録音して時間や回数の変化を分析する
いびきの計測機能がある睡眠アプリを導入すれば、いびきをかいている時間帯や継続時間、回数などをチェックできます。
そして継続的に測定を続ければ、次第にいびきの傾向がグラフ化されていき、次第にどのような日にいびきをかくのかが見えてくるようになります。
「疲れている日にいびきをかいている」
「夜更かしをしている日にいびきをかいている」
といった情報がわかるので、アプリを導入したら、傾向を分析してみてください。
【いびき対策2】睡眠リズムを計測して睡眠の質を探る
いびきをかいている人は睡眠のリズムが崩れやすいと言われているため、アプリを通じて睡眠の質全体を探ってみるのもおすすめです。
例えば、レム睡眠・ノンレム睡眠のリズムを計測したり、寝返りの回数などを見たりすることで、寝苦しさを感じていないか、満足のいく睡眠をとれているのかを判断できます。睡眠の状況を総合的にみることで、いびきの傾向を分析しやすくなるでしょう。
睡眠の質が悪いと気づいたときは、睡眠の質を上げる方法を試してみましょう。下記記事で解説していますので併せてご覧ください。
睡眠アプリでいびき対策を始めるメリット
睡眠アプリを使っていびき対策を始めるメリットを2つ紹介します。
【いびき対策のメリット1】一人暮らしでもいびき対策ができる
睡眠アプリを活用すれば、一人暮らしの人でもいびきをかいているのかを判断できるようになります。
いびきは睡眠時に発生するトラブルですので、通常だと一人暮らしの人は気が付きづらいのが特徴です。一方で睡眠アプリの録音機能があれば、その日のうちにいびきをかいているか否かを判断できます。
【いびき対策のメリット2】いびきの傾向をセルフチェックできる
睡眠アプリを活用すれば、グラフ化された情報を見ながらいびきの傾向を分析しやすくなります。
例えば、1ヶ月におけるいびきの傾向をみていくことで
「週末はいびきが減っている」
「屋外での仕事が多い日にいびきをかきやすい」
といった傾向が見えてくるのが魅力です。自分では判断できない情報でもアプリがあればすぐにデータとして分析できるので、セルフチェックを始めたい方は、ぜひ睡眠アプリを導入してみてください。
いびきがひどい場合には、原因と対策を調べることが大切です。下記記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
睡眠アプリでいびき対策を始めるデメリット
睡眠の状態を計測できる便利な睡眠アプリですが、いくつかデメリットがあることに注意してください。
【いびき対策のデメリット1】アプリによって品質が変化する
睡眠アプリは、提供しているメーカーによって、計測の品質や搭載されている機能が違うことに注意しなければなりません。なかには、求める計測項目がないアプリなど性能の低いアプリも見つかります。
満足のいく計測結果を得たいなら、事前に口コミや評判、搭載された機能を比較したうえでアプリを導入しましょう。
【いびき対策のデメリット2】デバイスの性能で計測値が変化する
睡眠アプリの計測の質は、アプリをインストールするデバイスによって変化することがあります。
例えば、古い機種のスマートフォンやウェアラブル端末の場合には、計測の精度が悪いことも少なくありません。もし質の高い計測データを得たいという方は、新型のデバイスを準備しておくのがおすすめです。
【いびき対策のデメリット3】アプリ内課金が必要なケースも多い
高性能で魅力的な機能を搭載した睡眠アプリのなかには、課金制でしか機能を使えない場合があります。
また、課金をしてみたけれど「思うような情報を得られなかった」「正しく計測されなかった」ということがあるほか、課金をした分の費用は、基本返金がないことに気を付けなければなりません。
ただ課金制の睡眠アプリは、有料だからこそ実用的で魅力的な機能を備えているという良い面があります。自分に必要な機能で、納得できる料金かどうか確認してみましょう。
睡眠アプリ導入の注意点
睡眠アプリの機能が気になっている人向けに、導入時の注意点を3つ紹介します。正しくアプリの効果を得るためにも、事前に注意点を把握しておきましょう。
【睡眠アプリの注意点1】同じ部屋で寝る人がいたらいびきを正確に計測できない
睡眠アプリは、いびきの音を録音してデータ化するため、次のように同室で眠っている人がいると、その人の音も一緒に計測されます。
- 夫婦、カップルで寝室を共有している
- 子供と一緒に眠っている
特に家族と一緒に眠っている人は、いびきの計測が正しく実施されない場合があります。睡眠の質改善という目的なら問題なく利用できますが、いびきについてはクリニックで検査を受けるなど、別の対策が必要かもしれません。
【睡眠アプリの注意点2】ダイエット・エクササイズ目的で使う計測アプリは操作性が悪い
睡眠の状況を計測できるアプリのなかには、ダイエット・エクササイズを目的としたものが見つかります。しかし、睡眠改善が主目的ではないため、操作性が悪く、必要な機能が揃っていないケースがあります。このようなアプリのなかには、必要な情報を計測できないケースがあります。
また、アプリの操作性が悪いと、就寝前にスマホの画面を長時間見ることになるため、睡眠の質を下げる原因になるかもしれません。
【睡眠アプリの注意点3】アフィリエイト記事の情報を鵜呑みにしない
「睡眠アプリ おすすめ」などで検索したときに表示される記事には、おすすめのアプリが多数紹介されていますが、その中には広告収益を目的とするアフィリエイト記事が紛れていることに注意しなければなりません。おすすめの1番上に表示されている睡眠アプリだとしても、効果を実感してもらうために紹介してあるというより、利益を得るために1番上にしているケースがあります。もちろんすべてではありませんが、実際に使ってみると低品質だというケースもあるので、口コミなどを参考にするのがおすすめです。
睡眠アプリでいびきがひどいとわかったら、対策できるクリニックを探してみよう
睡眠アプリを使っていびきをかいている、いびきの音が大きいとわかったら、その問題を改善するためにいびき専門のクリニックを利用してみてください。
クリニックでは、経験豊富なプロの医師から解決策を提案してもらえるので、早期解決のためにクリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
睡眠アプリの種類によっては、いびきの回数や時間、大きさなどを計測できる製品なども提供されています。いびきの傾向を分析できるため「自分が本当にいびきをかいているのか知りたい」「どういったタイミングでいびきをかいているのか知りたい」という方は、いびき対策にアプリを活用してみてください。ただし、いびきの計測は録音機能を用いることから、同室で眠っている人のいびきを拾ってしまうかもしれません。正確な計測をしたいなら、ひとりで就寝することをおすすめします。