【いびきと枕】睡眠時無呼吸症候群と枕の相関関係について

睡眠時無呼吸症候群の原因
2022.11.14

いびきは慢性的な睡眠不足だけでなく、睡眠時無呼吸症候群という恐ろしい病気の引き金となる危険性があります。ですので、いびきは放置厳禁。なるべく早い専門医への受診、そして早期治療が肝心です。

ですが、ちょっと待ってください。確かに、専門の医療機関での治療も大切ですが、その前に自分の睡眠環境を見直してみませんか?特に、合わない枕はいびき発症の原因となり、ひいては睡眠時無呼吸症候群につながることがあります。 では、どうして枕が合わないといびきにつながってしまうのでしょうか?この記事では、合わない枕といびきの関係性について詳しく解説します。また、枕選びのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

睡眠時無呼吸症候群について

いびきに苦しむ女性

まず、睡眠時無呼吸症候群の基礎知識について解説していきます。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、寝ている間にしばしば呼吸が浅くなったり、止まったりする病気です。睡眠中に呼吸をしていない状態(低酸素状態)に何度も陥るため、体は足りない酸素を補おうと中途覚醒を繰り返します。これにより、慢性的な睡眠不足に陥り、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。主な症状は以下の通りです。

  • 常に睡眠中は大きないびきをかく
  • 寝ている間に何度も目が覚める
  • 起床時に強い倦怠感を感じる
  • 日中に強烈な眠気に襲われる

参考:
I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

睡眠時無呼吸症候群の原因は?

睡眠時無呼吸症候群の発症には、さまざまな原因があります。代表的なものは以下の通りです。

  • 肥満
  • 小さいあご・太くて短い首
  • 加齢による筋力の低下
  • 女性は閉経によるホルモンバランスの変化
  • 飲酒(特に寝酒)
  • 喫煙

この中で、最も多い原因は肥満です。肥満になると、首周りや喉、舌にも脂肪がつき、それが寝ている間に気道を圧迫するため、いびきにつながります。特に男性は、中年になると肥満体型になりやすい傾向があるので、注意が必要です。

また、日本人特有のあごの形状も原因のひとつです。欧米人に比べ、日本人はあごが小さく、首が太くて短いという特徴があります。そのため、横になった時に気道を圧迫し、いびきをかきやすくなってしまうのです。

そして、加齢による舌の筋力の低下や、女性は閉経によるホルモンバランスの変化、飲酒・喫煙などの生活習慣も、いびきにつながります。

下記の記事でも、いびきの原因についてより詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

参考:
いびきの原因と防止するための対処方法- 対策グッズを紹介
どんな人が「いびき」をかきやすい?

一般的な睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の最もポピュラーな治療法は、CPAP治療です。鼻に装着したマスクに装置から空気を送り込み、持続的な陽圧状態を保つことで気道が塞がるのを防ぎます。他には、歯に専用の器具をはめて舌の落ち込みを防ぐマウスピースや、鼻腔内にチューブを挿入して気道内の空気の通り道を確保するナステントなども一般的です。

これらは、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療としてよく行われる方法ですが、以下のようなデメリットがあります。

  • 器具や装置に慣れる必要がある
  • 装着した器具が邪魔で、熟睡感が得られない

上記のように、装置の煩わしさにストレスを感じ、人によっては途中で治療を断念する場合も多いのが現状です。

また、外科手術によって気道を広げて、いびきを改善する方法もあります。しかし、副作用が強く、元の生活に戻れるようになるまでにかなり時間がかかります 。また、一部の手術は保険適応ではないため、費用面のリスクも大きいといえます。

ご覧のように、睡眠時無呼吸症候群の治療にはたくさんの時間と費用、そして我慢を必要とするため、治療を後回しにしてしまう人も多いのです。

参考:
治療について|検査と治療|睡眠時無呼吸症候群なおそう.com
ナステントとは?

睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなるの?

上記のように、なかなか治療に踏み切れず、睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうこともあるでしょう。しかし、治療せずに放っておくと、さまざまな合併症を引き起こし、大変危険です。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まってしまうため、脳は足りない酸素を補おうと交感神経の働きを活発にさせます。これによって引き起こされるのが、高血圧です。この高血圧は、体内の至る所に悪影響を及ぼし、時には命を落としかねない危険な疾患を招きます。

  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 心筋梗塞
  • 不整脈
  • 脳卒中

上記に加えて、日中の激しい眠気による運転中の事故や仕事中のミス、そしてうつ病などにもつながる恐れがあります。まさに、「生命にかかわる」といっても過言ではないほど、睡眠時無呼吸症候群は怖い病気なのです。

以下の記事でも、睡眠時無呼吸症候群のより詳しい症状や、合併症の危険性について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

参考:
いびきについて – 日本睡眠歯科学会
I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

睡眠時無呼吸症候群を治すなら枕の見直しを!

ぐっすり寝ている女性

睡眠時無呼吸症候群は、突然死につながりかねない危険な合併症の引き金になります。そうなる前に、なるべく早い専門医への受診が大切です。

ですが、睡眠時無呼吸症候群の治療法はストレスも多く、それが心配でなかなか一歩を踏み出せない人もいるでしょう。そんな人におすすめしたいのが、睡眠環境、特に枕の見直しです。枕を自分に合ったものに変えることで、いびきの改善につながることがあります。

なぜ枕の見直しが有効なの?

なぜ、枕を自分に合ったものに変えることが、いびきの改善につながるのでしょうか?睡眠時無呼吸症候群の発症は、さまざまな要因によって気道が塞がれ、呼吸がうまくできなくなることが原因です。実は枕も、この気道の閉塞の一因となることがあります。

例えば、枕が高すぎたり、柔らかすぎたりすると、寝ている間に下あごが沈み込み、首が曲がった状態になります。すると、気道が塞がれ、いびきをかきやすくなります。低すぎる場合も、頭が下がって口呼吸が助長されてしまうため、これも良くありません。

このように、枕が自分に合っていないだけで、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性が高まります。しかし逆に言えば、枕を変えるだけでいびきを改善することができ、医療機関で受ける睡眠時無呼吸症候群の治療を回避、もしくはごく短期間で済ませることができます。

参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は枕で改善
睡眠時無呼吸症候群は枕で軽減できる?関係性やおすすめの選び方を解説
睡眠時無呼吸症候群と枕の関係性は?寝具の選び方から自宅での検査方法まで解説

枕を見直すときのポイント

  1. 枕の高さ
  2. 寝返りをうっても形が崩れないか

枕の高さ

まず、枕の高さはとても重要です。先ほども説明したように、枕は高すぎても低すぎても良くありません。その人の体や頭の大きさに合わせて、最適なものを選ぶ必要があります。

高さを見極める上で最も大切なことは、立った時の姿勢をそのまま横になった時もキープできるかどうかです。つまり、仰向けになった時に、頭と敷き布団の隙間を枕が埋めてくれて、首・肩・後頭部がしっかり支えられる枕が、その人に合った最適な枕といえます。

また、これは仰向けに限らず、横向き寝をした時も同様です。特に、睡眠時無呼吸症候群の人は、気道の閉塞を防ぐためになるべく横向きで寝る必要があります。横向きになった時も苦しくなく、しっかりと頭から首までを支えてくれる枕を選びましょう。

寝返りをうっても形が崩れないか

そして、繰り返し寝返りをうったとしても、中身が動いて枕が変形しないことも大切なポイントです。最近では、枕の中に小さな内容物がジャラジャラと入っている、すなわち容易に形が変形する枕を使用している人も多いようですが、これはいびき対策としては不適切です。

先ほども説明したように、睡眠時無呼吸症候群の改善には横向きで寝ることが最も重要です。いかに横向き寝をしても苦しくない枕を使うかが、効果を得る生命線となります。しかし、中身が動いて簡単に変形してしまう枕を使用すると、寝返りを繰り返しうつうちに枕の形が変わって、横向きで寝るのがしんどくなってきます。すると、いびきをかきやすくなる仰向け寝の時間が長くなり、無呼吸状態が助長され、睡眠時無呼吸症候群の改善にはつながらなくなってしまいます。

そのため、寝返りを繰り返しうっても、中身が動かずに形が崩れない枕かどうかも、枕を選ぶ時には確認するようにしましょう。

参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は枕で改善
睡眠時無呼吸症候群は枕で軽減できる?関係性やおすすめの選び方を解説
睡眠時無呼吸症候群と枕の関係性は?寝具の選び方から自宅での検査方法まで解説

睡眠時無呼吸症候群の根本治療をしたいなら

ドクター

さて、ここまで睡眠時無呼吸症候群のメカニズムと、その危険性、そして枕との関係について解説してきました。睡眠時無呼吸症候群を治療する第一歩として、枕の見直しはとても有効的といえます。ぜひ、試してみてください。

しかし、ここでひとつ、みなさんにお伝えしておくことがあります。それは、「枕を変えても、睡眠時無呼吸症候群の根本治療にはならない」ということです。

詳しく説明しましょう。確かに、枕を自分に合ったものにすることは、いびきや睡眠時無呼吸症候群の改善にもつながり、中にはそれだけで睡眠時無呼吸症候群が解消される場合もあります。ただし、これは睡眠時無呼吸症候群を「改善」しているにすぎません。たとえ枕を自分に合ったものに買い替えたとしても、使い続ければ形は崩れてどんどん合わなくなってきます。

また、枕は体型や年齢によっても変化するため、その都度高さの調節が必要です。そのため、常に自分の最適な枕を用意し続けることには限界があります。その証拠に、一時は枕の効果でいびきが改善されたとしても、時間が経てばその効果は薄まり、またいびきをかいてしまう人も多いのが現実です。

やはり、いびきを根本から改善するには専門医院での治療が不可欠といえます。しかし、睡眠時無呼吸症候群の治療はストレスが大きく、時間もかかるため、治療に踏み切れない人も多いはずです。そんな人にぜひおすすめしたい治療法があります。それは、当院で行っているパルスサーミア治療です。

パルスサーミアとは

パルスサーミアとは、口蓋垂や軟口蓋にレーザーを照射し、粘膜の膨らみを取り除くことで、気道を広げていびきを改善するレーザー治療です。当院で行っているオリジナルの治療法で、これまで多くの方に効果を実感していただいています。

だいたい3〜6回程度の照射からいびきが減少し、眠りが深くなってスッキリと目覚めることができるようになります。また、この効果は初回の照射からでも感じることができますが、2回目、3回目とレーザー照射を重ねることで、よりはっきりと変化を実感していただくことが可能です。

統計上では、初回の治療でも50%以上の方が効果を実感され、2回目の治療後の統計では80%以上の方が改善を実感しています。個人差はありますが、約1年〜3年ほど効果が持続し、さらに数か月に1回メンテナンスを行うことで、その効果を維持・向上させていくことができます。

参考:
いびきの治療法|いびきメディカルクリニック

従来の治療法とはここが違う!

このパルスサーミアは、ご紹介した睡眠時無呼吸症候群治療の中でも外科手術に該当します。説明したように、従来の外科手術は強い副作用やダウンタイムがあり、患者にとってかなりストレスの大きいものでした。しかし、このパルスサーミアは、従来のレーザー治療とは全く異なる治療法です。

まず、これまではレーザーを使い、口蓋垂や軟口蓋を切り広げ、粘膜の膨らみを除去していました。当然、粘膜を傷つけるので出血も伴い、術後はひどい痛みとダウンタイムがあり、患者にとってはかなりストレスを感じるものでした。

しかし、パルスサーミアは特殊なレーザーを使用することで、粘膜を傷つけず、引き締めるため出血や痛みはありません。また、レーザー照射部分が腫れたり、ヒリヒリしたりすることも少ないです。ダウンタイムも数日で済むようになり、術後すぐに日常生活に戻ることができます。

そして、これまでの外科手術は施術に多くの時間を要し、またダウンタイムも長かったため、何日間も仕事を休む必要がありました。しかし、このパルスサーミアの施術にかかる時間はわずか15分程度。日帰り手術が可能で、会社を休まなくても受けることができます。

このように、パルスサーミアはこれまでのデメリットをすべてクリアしているにもかかわらず、従来の治療法よりもはるかに優れた治療効果を発揮します。もうこれ以上、いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩まされたくないという人は、ぜひ一度当院にご相談ください。

参考:
いびきの治療法|いびきメディカルクリニック

まとめ

ナース

睡眠時無呼吸症候群は、時に命を脅かすこともある危険な病気です。そのため、専門医による早期治療が何より大切ですが、なかなか治療に踏み切れない人もいるでしょう。そんな人には、枕の見直しが大変おすすめです。

枕を見直すことで、いびきの原因である気道の閉塞を防ぎ、加えて横向きで寝やすくなるため、いびきの予防・改善につながります。いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療をお考えの人は、ぜひ一度普段使っている枕が自分に合っているか確認してみてください。

そして当院で行っているパルスサーミアは、従来の治療のようなデメリットがほとんどなく、治療をしながら日常生活をストレスなく送ることができるのが最大の特徴です。入院して大掛かりな手術を受ける必要もなければ、器具や装置に慣れる必要もありません。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩むすべての方に、自信を持っておすすめできる治療法です。

当院は、いびき・睡眠時無呼吸症候群の専門医院で、いびきや睡眠時無呼吸症候群でお悩みの患者様のために、日々カウンセリングと治療を行っています。新宿院、銀座院、立川院、そして名古屋院の4つのクリニックがあり、どれも駅から徒歩圏内で通いやすいのが特徴です。

また、当院ではお客様が納得した上で治療に臨んでいただくため、初回のカウンセリングと診察を無料で実施しております。治療を始める前に、専門スタッフと治療の流れや費用について打ち合わせをしていただくことが可能です。LINE予約、もしくはWEBからご予約いただけますので、ぜひご活用ください。

【よくある質問】

Q.睡眠時無呼吸症候群と枕にはどのような関係があるのですか?

A. 自分に合っていない枕を使い続けると、気道が閉塞しやすくなったり、口呼吸が助長されたりしていびきをかきやすくなります。それが、睡眠時無呼吸症候群の発症につながることもあるので、普段使っている枕が自分にちゃんと合ったものなのか、確認することが大切です。

Q.どのように枕を選べばいいのですか?

A.主に注意すべき点としては、枕の高さと形が崩れないことです。枕は、高すぎても低すぎても良くありません。自分が横になった時に、敷き布団と頭の隙間をしっかりと埋めてくれるものを選びましょう。また、睡眠中は繰り返し寝返りをうつので、それによって中身が動いて形が変わらないかも確認することが重要です。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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