【常日頃の予防】睡眠時無呼吸症候群と食事について
目次
将来発症するかもしれない、睡眠時無呼吸症候群を予防したいと考えている人もいるでしょう。
特に、肥満が原因で発症する睡眠時無呼吸症候群を予防したいのなら、肥満になりやすい食事のとり方や、予防法を理解することが大切です。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群と食事の関係や、睡眠時無呼吸症候群を発症した人の食事傾向についてご紹介します。
また、肥満になりやすい人の食事のとり方、予防のための食事のとり方も解説しているので、常日頃の予防としてご参考ください。
睡眠時無呼吸症候群と食事の関係
睡眠時無呼吸症候群は、加齢や筋肉の衰えによって発症すると思われがちです。
確かに、上記を発端として発症する場合もありますが、別の要因として「食事」が関係していることをご存じでしょうか。
まずは、睡眠時無呼吸症候群と食事の関係を、2つのポイントに分けてご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群を発症したり、いびきをかいたりするメカニズムも含めて解説するので、事前知識としてご参考ください。
肥満になると睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい
医療の業界では、さまざまな病気の研究が進められています。
現代では、いびきや睡眠時無呼吸症候群に関する研究も進んできており、日本内科学会から「肥満症と睡眠障害」という研究結果が発表されました。
研究では、BMI25以上の肥満気味の人たちの「有病率と睡眠の関係」が整理されており、肥満になる人物ほど睡眠時無呼吸症候群の発症率が高いことが判明しています。
肥満の原因となる次のポイントは、将来的な睡眠時無呼吸症候群の発症へとつながる場合もあるので、注意が必要です。
・食べ過ぎ
・間食し過ぎ
・炭水化物や糖分、脂質の摂りすぎ
また、同研究では「肥満になる人ほど他の病気の発症率も高い傾向にある」と整理されていることから、肥満自体を回避すべきだといえます。 睡眠時無呼吸症候群の治療を受ける段階まで進行する前に、今のうちから減量方法や対策を覚えておくことが大切です。
参考:
肥満症と睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群を発症するとさらに肥満になる
前述したように、肥満になると睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいです。
また、一度睡眠時無呼吸症候群を発症すると、体内で作り出される次の成分バランスが崩れてしまいます。
・満腹のサインである「レプチン」の分泌量が減ってしまう
・空腹のサインである「グレリン」の分泌量が増えてしまう
上記の成分は、どちらも食欲に関わりのある成分です。
中には、2つの成分バランスが乱れて、食欲に歯止めが効かなくなってしまう人もいます。
以上より、睡眠時無呼吸症候群と肥満の原因になる食事には大きな関わりがあり、それぞれの問題に注意しなければなりません。 睡眠時無呼吸症候群と肥満の問題が同時に起こらないようにするためにも、早めの予防を実施することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群を発症した人がもつ4つの食事傾向
睡眠時無呼吸症候群を引き起こす肥満、そこに大きく関わってくるのが食事傾向です。
続いて、肥満による睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい人の特徴を4つご紹介します。 自分の食事と比較しながら、問題ないか確認してみてください。
1日のカロリー摂取量が平均値以上
人間は、健康的に活動するためのエネルギーを食事から摂取します。
エネルギー量は食事の「カロリー」から計算でき、次の摂取カロリーが目安です。
・男性の場合:2,000~2,400kcal
・女性の場合:1,400~2,000kcal
しかし、人によっては目安値以上のカロリーを摂取している人もいるでしょう。
例えば、毎日大盛のご飯を食べていたり、カロリーが多い揚げ物や炭水化物中心の生活を送っていたりと、カロリーオーバーな食事が続いている人もいるはずです。
1日のカロリー摂取量を超過した状態で過ごしていると、消費しきれなかったカロリーは脂肪などに変わり、身体に蓄えられてしまいます。 最終的には、肥満体型へと身体が変化していくため、いつの間にか体重が増え、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症するかもしれません。
ストレス発散のための食事する
仕事や生活の中で、ストレスを溜め込んでいる人も多いはずです。
また、ストレスを溜め込みやすい人の中には、ストレス発散として「大食い」やお酒の摂取をしてしまう人もいるでしょう。
じつは、その大食い、肥満体型になりやすく睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくするため、注意が必要です。
食べ過ぎやお酒には大量のカロリーが含まれているため、自然と体重が増え、肥満体型へと変身してしまうからです。 一度太ってしまうと減量することが難しく、肥満体型から逃れられなくなる場合もあるので、注意してくださいね。
間食・つまみ食いが多い
お菓子を食べるのが好きな人や、小腹が空いたらすぐにつまみ食いをしてしまう人も、肥満体型になりやすいので注意が必要です。
中には「少量なら大丈夫なのでは?」と考える人もいるでしょう。
確かに、あまり間食やつまみ食いをしない人なら大して問題ありません。
しかし、間食やつまみ食いをする人の多くは、長期的にクセづいてしまうため、いつの間にか太ってしまう人が大勢いるのです。
たとえ少量だといっても、普段の食事とは別にカロリーを摂取しているため、太りやすい環境を作り出してしまいます。 「少しならいいか」と気を緩めず、摂取エネルギーや栄養バランスを考えた食事を心がけることが大切です。
満腹感がないとイライラする
人によっては、無理に食事制限を行い、満腹感を感じない生活を送ろうとする人もいるでしょう。
しかし、満腹感がないとイライラしてしまう人は、つまみ食いをしたり、ダイエットを断念したりするため注意が必要です。
もし食事制限を行いつつダイエットを行っているのなら、まずは無理のない範囲で制限し、徐々に摂取カロリーを抑えていくことをおすすめします。
イライラする人の中には、寝ている間に夢遊病のように冷蔵庫のものを漁ってしまう人もいるので、無理のない食事制限を心がけてください。
これに注意!肥満になりやすい食事のとり方4つ
肥満による睡眠時無呼吸症候群を予防したいなら、まずは肥満になりやすい食事のとり方を覚えておきましょう。
注意すべきポイントは合計4つあります。
すでに習慣化してしまっているポイントがないか、チェックしてみてください。
ラーメンなどインスタント食品ばかり食べている
普段から料理をしない人や、簡単な食事で済ませようとする人の中には、毎日のようにインスタント食品を食べている人もいるでしょう。
特にカップラーメンといったインスタント食品は、安価で手に入ることから、自宅に常備している人も多いのではないでしょうか。
しかし、インスタント食品には炭水化物以外の栄養素が少なく、肥満の原因になってしまうため注意が必要です。 食べる頻度が少なければ問題ありませんが、毎日のように食べていると、栄養バランスが崩れ、自然と肥満体になってしまいます。
自炊せずコンビニやスーパーの弁当ばかり食べている
前述したインスタント食品と同様に、毎日忙しくてコンビニやスーパーの弁当ばかり食べている人も多いでしょう。
これなら野菜なども入っているため健康そうに見えますが、じつは添加物が大量に入っています。さらに、カロリーの高い揚げ物などがスペースをとっているため、思っているよりも健康的な食材は入っていません。
また、お弁当は基本的に塩分多めに作られています。
健康そうなメニューであっても、自炊に比べると栄養面に劣ってしまうため、注意が必要です。
好きな物だけを選んで偏食している
普段の食事で好き嫌いが激しい人も、肥満になりやすいので注意が必要です。
例えば、次のような偏食をしている人は注意してください。
・お肉ばかり食べて野菜を食べない
・いろんなメニューがあるにも関わらず好きな物だけ食べる
・飲み物はジュースばかり
偏食は文字通り、偏った食事のことを指します。
もちろん、摂取できる栄養素にも偏りがあり、健康的な体系を維持できません。
栄養バランスのとれた食事を継続できていない人は、あっという間に肥満体型になります。 また、睡眠時無呼吸症候群を発症して、呼吸関連のトラブルやいびきをかいてしまうリスクがあるので、注意してください。
野菜・果物に含まれる食物繊維を食べていない
野菜嫌いで「食物繊維」を摂取していない人は、太りやすいので注意が必要です。
食物繊維は、腸の活動を活発にする効果があり、摂取した食べ物をスムーズに排便へと促してくれます。
一方、食物繊維を摂取していない人は腸の動きが悪くなり、便秘になりやすかったり、長期間お腹の中に食べ物が残ってしまったりすることから、無駄な栄養が脂肪へと変換されてしまうのです。
食事の中に野菜が入っていても、よけて食べずにいる人は、肥満体型になりやすいので注意してください。
睡眠時無呼吸症候群の予防に欠かせない食事のとり方7つ
肥満による睡眠時無呼吸症候群を予防したいなら、ここで紹介する7つの食事のとり方を参考にしてください。
当たり前のことはもちろん、意外と見落としがちなポイントも解説しています。 健康的な生活を送るヒントとして、ひとつずつチェックしていきましょう。
毎日の食事で適正カロリーを意識する
肥満を予防する生活を送りたいなら、前述した適正摂取カロリーの目安値を把握したうえで、その基準をオーバーしないように心がけましょう。
摂取カロリーと消費カロリーのバランスが均等になれば、無理なく維持できます。
もし、食べ物ごとの摂取カロリーを把握したいのなら、文部科学省が公開している「食品成分データベース」を参考にして、カロリーを抑えたレシピを考えてみてはいかがでしょうか。
参考:
食品成分データベース
栄養バランスの取れた食事を心がける
毎日の食事が偏っていると気づいた方は、栄養バランスを考えた食事を意識してみてください。
例えば、次に示す栄養をバランスよく摂取すれば、太りづらい身体づくりが行えます。
・ビタミン
・食物繊維
・たんぱく質
・糖質
・脂質
・炭水化物
栄養バランスを考えたレシピは、さまざまなメディアで公開されています。 また、国立病院などでも定期的に健康レシピが情報発信されているので、以下のリンクなどを参考にしてレシピを覚えてみてはいかがでしょうか。
参考:
独立行政法人 国立病院機構 岡山医療センター「健康レシピ」
独立行政法人 地域医療機能推進機構 久留米総合病院「健康レシピ集」
塩分控えめの食事を心がける
肥満になりやすい要因のひとつに、塩分摂取量の過多が関係している場合があります。
例えば、塩分の効いた濃い味の料理は、身体に大きなダメージがあるだけでなく、健康的ではありません。
また、消費者庁が公開する「減塩社会への道」より、日本人は毎日平均14gもの塩分をとっており、8gまで減塩すべきであると説明されています。
また、塩分の多い食事が続いてしまうと、血液がドロドロになり、高血圧といった症状を引き起こしてしまうのが特徴です。 高血圧も同様に、肥満に影響するポイントですので、普段の食事に利用する塩分量を抑えるように気を付けてください。
サラダや汁物から食べ始める
食事には、消化を促しやすい食べ方があることをご存じでしょうか。
その方法というのが、サラダや汁物といった「炭水化物」「たんぱく質」を優先して摂取するというものです。
炭水化物やたんぱく質は、効率よく消化される成分であり、短時間で胃の内容物を消化してしまいます。
一方、炭水化物は消化効率が悪く、ゆっくりと消化しつつエネルギーへと変えてくのが特徴です。 栄養バランスを考えた食事をすることも大切ですが、あわせて食べる順番についても検討してみてはいかがでしょうか。
よく噛んで食べる
消化効率を高めて太り肉身体づくりがしたいなら、よく噛んで食べることを意識しましょう。
よく噛んで食べることは、子供のころから言われている習慣です。
できれば、1口当たり20回は噛み続けるように気を付けましょう。
噛む回数が多ければ、その分食べ物を細かく砕くことができ、消化されやすい形状へと変化します。
固形物よりも柔らかくなった食べ物のほうが胃に優しいため、肥満予防として大きな効果を期待できますよ。
糖分の多い食べ物・飲み物を避ける
中には次のように、普段から甘い食べ物・飲み物を摂取している人も多いのではないでしょうか。
・コンビニやカフェで提供されている甘さたっぷりのドリンク
・水やお茶以外のペットボトル飲料
・菓子パン
・お菓子
水やお茶などを飲まずに甘い物ばかり摂取していると、糖分の影響で太りやすい身体へと変化してしまいます。 糖分は基準値に抑え、過度な摂取を避けるように注意してください。
飲酒の頻度を抑える・無くす
普段から飲酒をしている人は、体形維持のために飲酒頻度を抑えるか、無くすことをおすすめします。
少量のアルコールであれば健康的だといわれていますが、過度なアルコール摂取は体型を変化させてしまうので注意が必要です。
例えば、毎日のように飲酒をしている人は、週に数回だけというように回数を減らすようにするほか、いっそのこと断酒してしまうのもいいでしょう。
寝る前の飲酒は、いびきや睡眠時無呼吸症候群にも大きく影響する要因となります。
特に睡眠時無呼吸症候群を発症したら、断酒を心がけるのがおすすめです。
予防していても睡眠時無呼吸症候群になってしまったら?
睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな要因で発症する睡眠トラブルです。
その中でも、食事を原因とした「肥満」にも、睡眠時無呼吸症候群を発症させる可能性があります。
どうしても発症してしまったら、クリニックで検査等を受けてみましょう。
いびきメディカルクリニックでは、根本から治す為のレーザー治療「パルスサーミア」を施術可能です。
「もしかして睡眠時無呼吸症候群かも?」と思ったらご来院ください。
【よくある質問】
Q.肥満が影響して睡眠時無呼吸症候群になりやすい食べ方って何?
A.睡眠時無呼吸症候群になりやすい食べ方は 「これに注意!肥満になりやすい食事のとり方4つ」で詳しく紹介しています。
以下の食べ方をしている方は、睡眠時無呼吸症候群の予備軍です。
・ラーメンなどインスタント食品ばかり食べている
・自炊せずコンビニやスーパーの弁当ばかり食べている
・好きな物だけを選んで偏食している
・野菜・果物に含まれる食物繊維を食べていない
Q.今すぐ始められる睡眠時無呼吸症候群を予防する肥満対策って何?
A.予防策については「睡眠時無呼吸症候群の予防に欠かせない食事のとり方7つ」で詳しく紹介しています。主に、以下の考えを基準として食べ方を改善してみましょう。
・毎日の食事で適正カロリーを意識する<
・栄養バランスの取れた食事を心がける
・塩分控えめの食事を心がける
・サラダや汁物から食べ始める
・よく噛んで食べる
・糖分の多い食べ物・飲み物を避ける
・飲酒の頻度を抑える・無くす