【危険のサイン?】めまいといびきの関係性について
目次
日常的にめまいを感じていないでしょうか。もしかするとそれは、睡眠中のいびきが原因かもしれません。じつは、めまいといびきには、大きな関係性があるのです。
この記事では、めまいにお悩みの方向けに、めまいといびきの関係性をご紹介します。また、めまいが起きるメカニズムやリスク、改善方法を解説しているので、健康な生活を取り戻す参考としてみてください。
これに当てはまる人は注意!めまいの症状とは
最近なぜか身体がふらつく、とお悩みの場合は、めまいが原因かもしれません。ただし、軽度のめまいだと自覚症状が現れにくいため、自覚できない場合もあるでしょう。
まずは、よく起こるめまいの症状を3つご紹介します。生活の中で当てはまるポイントがないか、ぜひ参考にしてみてください。
症状①:視界が不安定に感じる
めまいの症状の1つとしては、グラグラと視界が揺れているような感覚です。平衡感覚がなく、どこか船に揺られているような感じがする人もいるでしょう。
また、軽度のめまいであっても、ふわふわとした不思議な感覚やボーっとした感覚を感じている方もいるはずです。物との距離感がつかめず、物を落としたり、ぶつかったりする人もいるので、視界が不安定な際にはめまいが起きていると疑ってください。
症状②:ずっと気持ち悪さが続く
後頭部や首筋にズンと重い感じがして、頭痛や吐き気を感じるのも、症状の一つです。めまいがあるときには、血中酸素不足などが原因で、気持ち悪さが続いてしまう場合もあります。また、気持ち悪さが続く場合には、次のような状況になるケースもあるので注意が必要です。
・胃液がこみ上げてくる
・立っているのがつらい
・顔色が悪くなる
めまいが起こると、健康なときとは違い全身がだるく感じてしまいます。その状態で動き回ると、余計体調が悪くなってしまうため、座るか横になって休憩することが大切です。
症状③:足がもつれる
歩いているとき、足を引っかけたり、地面につまずきそうになったりしたことはないでしょうか。いつもはしっかり歩けているのに、急に足がもつれるようになったと感じた人は、めまいを起こしているかもしれません。
軽度なめまいの場合は、足がもつれる程度で済みますが、めまいがひどくなると、転倒したり、事故に遭ったりする恐れもあるので注意が必要です。思うように歩けないと感じたときには、外出を控えて身体を休めてください。
めまいといびきの関係性とは?特徴やメカニズムを紹介
めまいが起こる理由は複数ありますが、人によってはいびきが原因となりめまいを起こす人もいます。あまり関係のないように感じる2つの要素ですが、じつは深いかかわりがあるのです。
続いて、めまいといびきの関係性についてご紹介します。特徴・メカニズムも解説しているので、普段いびきをかいている人、めまいに悩んでいる人はチェックしてみてください。
血中酸素不足による脳機能の低下
いびきをかく人は、いびきをかかない人に比べて呼吸量が低下しやすいのが特徴です。
血液に酸素を運ぶ呼吸が減るということは、呼吸による酸素量を低下させてしまうため、自然と血中酸素の濃度を薄めてしまいます。その結果、脳の活動が遅くなってしまい、めまいを感じてしまうのです。
また、いびきをかいている人は、かいていない人に比べて、睡眠の質が落ちてしまいます。
厚生労働省で公開されている「e-ヘルスネット」でも、睡眠とめまいの関係性が記載されており、不眠症などの睡眠障害を発症すると、めまいが起きやすくなるという説明があります。睡眠時のいびきはめまいを引き起こすケースもあるので、早期改善が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の人も注意が必要
普段いびきをかいている人はもちろん、睡眠時無呼吸症候群を発症している人もめまいに注意してください。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に舌が喉のほうに落ち込み、呼吸を止めてしまう病気のことです。
いびきと同じように血中酸素不足になりやすく、合併症のリスクがあるので、睡眠時無呼吸症候群にお悩みの方も、ぜひ注意してください。
めまいだけじゃない!いびきや睡眠時無呼吸症候群による3つのリスク
いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、めまいを起こす可能性がありますが、他にもさまざまなリスクをはらんでいます。
いびき・睡眠時無呼吸症候群による3つのリスクをご紹介します。睡眠に伴う健康障害を回避するためにも各リスクを理解しておきましょう。
リスク①:メニエール病の発症
いびき・睡眠時無呼吸症候群の人は、メニエール病を発症する恐れがあります。メニエール病とは、耳が聞こえにくくなり、ボーっと低い耳鳴りが聞こえてめまいを感じる病気です。
いびきや睡眠時無呼吸症候群によって身体がむくみやすくなり、内耳のリンパの流れが悪くなることで発症します。何度も繰り返し症状が起きると、聴力低下のリスクもあるので注意が必要です。
リスク②:良性発作性頭位眩暈症の発症
いびき・睡眠時無呼吸症候群の人は、良性発作性頭位眩暈(めまい)症を発症する恐れがあります。良性発作性頭位眩暈症とは、頭を動かすとめまいを感じる病気です。
睡眠不足や過労、ストレスなどで発症するため、いびき・睡眠時無呼吸症候群が原因になりやすいといえます。場合によっては小脳に出血や梗塞が起きているケースもあるので、通常のめまいだと甘くみてはいけない病気です。
リスク③:危険な場合には脳卒中になる場合も
いびき・睡眠時無呼吸症候群は、最悪の場合、脳卒中を発症する恐れがあります。脳卒中は脳の血管が詰まったり、破れたりする病気のことです。障害が残ってしまう可能性もある病気ですので、早期発見と治療が欠かせません。
いびきや睡眠時無呼吸症候群により呼吸機能が低下すると、高血圧などになりやすいのが特徴です。血圧の高さが原因で閉塞した血管を破ってしまうケースもあり、初期症状にめまいが起こることもあります。
いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症する3つの原因
いびき・睡眠時無呼吸症候群は、めまいや合併症など、さまざまなリスクの原因となります。では、なぜ発症してしまうのでしょうか。
発症原因は主に3種類あります。各原因の特徴をみていきましょう。
原因①:生活習慣の乱れ
健康的な生活を意識しておらず、次のように生活習慣が乱れている方は、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。
・食べ過ぎや偏食といった「食生活の乱れ」
・短時間睡眠や不規則な睡眠といった「睡眠の乱れ」
・同じ姿勢のままや家から出ないといった「身体機能の乱れ」
健康的な生活を送っていないと太ってしまい、いつの間にかいびき・睡眠時無呼吸症候群を発症しているケースがあるので注意してください。
原因②:アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎を患っている人は、普段から鼻呼吸がしづらいため、いびき・睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいという特徴があります。いびきや睡眠時無呼吸症候群は、口呼吸をするため発症する病気です。
睡眠中に鼻呼吸ができている人は問題ありませんが、口呼吸が習慣づくと、いつの間にかガーガーと寝息を立ててしまいます。また花粉症を患っている人も鼻づまりでいびきをかきやすいので、早期解決が必要です。
原因③:アデノイド肥大
鼻の一番奥にあるリンパ組織の塊である「アデノイド」が肥大している人は、いびき・睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいのが特徴です。アデノイドが肥大すると、鼻づまりや口呼吸によって、ガーガーと寝息を立てやすくなります。
肥大したアデノイドは手術によって切除しなければなりません。もしアデノイドが原因か分からない場合には、クリニックに相談することをおすすめします。
めまいの原因であるいびき・睡眠時無呼吸症候群を改善する方法
めまいの原因となるいびき・睡眠時無呼吸症候群を予防・改善したい方も多いでしょう。もし予防策・改善策をお求めなら、こちらで紹介する3つの方法を試してみてください。
改善方法①:生活習慣の改善
いびき・睡眠時無呼吸症候群を改善したいなら、食事、睡眠といった生活習慣を見直しましょう。例えば、次のような改善を目指してみてください。
・バランスの取れた食事を3食とる
・睡眠時間を決めてリズムよく就寝する
健康的な生活を送れば、肥満体型が改善されるほか、ストレス解消にも効果的です。いびき・睡眠時無呼吸症候群の原因を解消できるので、ぜひ実践してください。
改善方法②:適度な運動
普段から運動不足だという人は、なるべく週に数回の運動をしてください。このとき、ハードな運動を行う必要はありません。簡単に身体を動かすだけでも効果があるので、次のような運動を始めてみてはいかがでしょうか。
・ウォーキング
・ジョギング
・筋トレ
運動着だけあれば、気軽に始められるものばかりです。時間を見つけてチャレンジしてみてください。
改善方法③:睡眠関連クリニックへの相談
もし、自分でいびきや睡眠時無呼吸症候群を改善できないとお悩みなら、耳鼻咽喉科や睡眠科といった睡眠関連のクリニックに相談することをおすすめします。経験豊富なプロの医師に相談することによって、適切な改善策を提案してもらえるのが魅力です。
また、生活の改善についてのアドバイスを受けられます。最近ではオンライン相談などが利用できるクリニックも増えているので、ぜひ一度、相談してみてください。
クリニックでできるめまい・いびき・睡眠時無呼吸症候群の治療
いびきや睡眠時無呼吸症候群、そしてそれに伴うめまいなどを解決したいなら、クリニックで治療を受けてみましょう。睡眠関連のクリニックでは、精密な検査を利用できるほか、適切な治療を提案してもらえます。
中でも一般的に利用できる治療法が4種類あるので、その特徴をみていきましょう。
治療法①:マウスピース治療
いびき・睡眠時無呼吸症候群は、マウスピースによって改善できる場合があります。クリニックで自身の歯の形状に合わせたマウスピースの型を取り、継続して着用することによって、鼻呼吸を習慣化できるのが特徴です。
治療法②:投薬治療
いびき・睡眠時無呼吸症候群は、投薬によって改善できる場合があります。例えば、次のような薬を利用することによって、鼻のとおりを良くし、いびきをかきにくくできるのが特徴です。
・ステロイド点鼻薬(鼻炎用)
・セロトニン作用薬(気道の緊張をほぐす)
・炭酸脱水素阻害薬(むくみを改善する)
自分に合う薬を見つけることができれば、いびき・睡眠時無呼吸症候群を改善し、めまいを解決できるでしょう。
治療法③:CPAP治療
いびき・睡眠時無呼吸症候群の治療法として有名なのが、CPAP治療です。呼吸を補助してくれる専門の機器を取り付けて就寝することによって、鼻呼吸しやすくなります。
主に自宅に持ち帰って利用でき、日常的な改善を目指せるのが魅力です。睡眠時無呼吸症候群の改善に効果的な治療法ですので、検査結果が悪い場合にはよく利用されます。
治療法④:外科的手術
アデノイドの肥大、鼻腔のポリープなど、身体的な要因を改善するために、外科的手術を行う場合があります。健康的な呼吸を邪魔する要因を切除するといった手術が行われるのが特徴です。
まとめ
日常的にめまいを感じている人もいるはずです。それは、いびきや睡眠時無呼吸症候群が原因である可能性があり、健康的な生活送るためにも早期解決が望まれます。
めまいの原因となるいびきなどには、不健康な生活や身体的な問題が影響する場合もあるので、ぜひ生活習慣の改善を目指してください。また、自身で解決できないとお悩みなら、さまざまな治療法が揃っているクリニックに相談しましょう。検査を行ったうえ、適切な治療法を提案してもらえます。
・参考
めまいといびき
知久 正明 2022/07/20 いびきにも注意! 知っておきたい脳卒中の分類、初期症状について
めまい、いびき、睡眠時無呼吸症候群・顔面神経麻痺その他の主な病気
【よくある質問】
Q.めまいといびきにはどんな関係性があるの?
A. めまいといびきの関係性は「めまいといびきの関係性とは?特徴やメカニズムを紹介」で詳しく解説しています。
めまいの発生原因は、いびきや睡眠時無呼吸症候群による血中酸素濃度が不足し、脳機能が低下していることが原因です。また、睡眠障害によって寝不足やストレスが続くとめまいが起こりやすいといわれています。
Q.めまいやいびきを改善する方法はあるの?
A.めまいやいびきを改善する方法は「めまいの原因であるいびき・睡眠時無呼吸症候群を改善する方法」で詳しく解説しています。
例えば、次のような方法で改善を目指してみてください。
・生活習慣の見直し
・適度な運動 また、自分で改善できないとお悩みならクリニックに相談するのがおすすめです。