第二回 いびきメディカルクリニック名古屋院 三木先生コラム

Dr.三木の安眠コラム
2024.09.27
三木理先生の紹介画像

睡眠負債と睡眠不足

お久しぶりです。いびきメディカルクリニック 名古屋院の医師 三木 理 です。

9月とは思えない暑さが続く中、体調を維持するには 睡眠の質を確保することが最も重要です。今回のコラムでは睡眠不足がどれほど大きなリスクになるかについてお話しします。

世の中のほとんどの方は睡眠不足を経験したことがあると思います。けれども、”睡眠負債” という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

睡眠不足は適切な午睡( or 昼寝)で解消されることもありますが、睡眠不足が慢性的に続くと “借金” のように積み重なってしまいます。

この状況を “睡眠負債” と呼びます。スポーツの世界でも「借金〇」という表現が使われているので それと同じように捉えてもらってよいと思います。

睡眠不足が続くと日中に眠気を感じたり、日常生活や仕事や学習のパフォーマンスが低下してしまいます。そして、”睡眠負債” にまで陥るとさらに心身の深刻な不調を来たし、簡単には元の状態に戻れなくなってしまいます。具体的には慢性的に睡眠不足の人は糖尿病や心疾患を発症しやすいことが明らかになっています。

また、体内のホルモン分泌や自律神経のバランスに大きな影響を及ぼすことが知られています。例として、交感神経の緊張、糖質コルチコイド(血糖を上昇)の過剰分泌やうつ状態による活動性の低下などがあります。

代謝の悪化は肥満につながり、自律神経の乱れは抑うつ状態に。さらに糖尿病などの生活習慣病になるなど、軽視しがちな睡眠不足が原因としては大きすぎる人生のリスクを負う事になりかねません。

そして、OECD(経済協力開発機構)の 2021年のデータによると日本人の睡眠時間は OECD 加盟 33ヶ国で最も短い国となっております。この辺りは次回のコラムでお話したいと考えております。

睡眠負債の状態

健やかな人生を送るためには 常日頃から睡眠の質を高めることが必要と考えます。

いびきについても一時的なものであれば概ね問題ありませんが、続いていれば睡眠不足を引き起こし、”睡眠負債” に陥る危険があります。

そして、睡眠時無呼吸症候群を認めれば、様々な病気になるリスクがより大きくなります。”睡眠負債” を解消するには 生活のリズムを調えたりすることが必要です。

けれども 解消するまでには、数ヶ月以上の期間を要しますし、いびきが続いていれば “睡眠負債” を解消することはより困難となります。

睡眠の質や睡眠障害でお困りであれば、いびきメディカルクリニックに是非ご相談下さい。一緒に健康寿命を伸ばしましょう。

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