自然災害の被災直後は不眠症になりやすい?避難所でのいびき対策や注意点もご紹介
目次
不運にも自然災害に合われてしまった場合、被災直後は、余震への不安や環境変化によるストレスから不眠症になりやすいです。
通常であれば、被災直後の不眠症は時間と共に治る傾向にあります。しかし、中々治らない場合は他の精神疾患にかかっている可能性もあるので、症状を理解して異変にいち早く気付くことが大切です。
この記事は、被災直後の不眠が治らない理由やいびき・不眠対策、注意点について解説します。被災後の不眠症状に悩まされている方は参考にしてみてください。
被災直後は不眠症になりやすい
自然災害の発生直後、多くの人々が不眠症に悩む傾向にあります。
被災直後の不眠は、地震に対する恐怖や家族を失ったストレス、余震への不安や環境変化によるストレスなどにより引き起こされることが多く、危機的状況下での正常な防衛反応の一つとされています。
不眠の頻度や症状は人によって異なり、毎晩苦しむ人もいれば週に数回程度の不眠に悩まされている人など様々です。回復までの期間も個人差がありますが、多くの場合は時間が経つにつれて自然と眠れる日が増えていくようです。
徐々に回復していれば問題ありませんが、震災後の不眠が8週間以上続いたり眠れないプレッシャーが大きかったりする場合は、医療機関への相談が大切となります。
参考:
震災に関連した不眠・睡眠問題への対処について|国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
周囲の雑音が気になって不眠になっているケースも
避難所や仮住まいでは、話し声や物音、救助活動の音といった様々な音が常に聞こえるため、雑音が気になり眠れなくなっているケースもあります。
また、慣れない環境でプライバシーも確保しにくいため、余計に眠りづらい状況が続きます。眠れない日が続くと、ストレスから些細な音でも気になってしまい、不眠の悪化を招くのです。
不眠症は、症状を気にしすぎると余計悪化するので、不眠を重く捉えるのではなく震災時の正常な反応であると理解し、眠たくなったタイミングで体を休めてみると良いです。
被災直後から不眠症が治らない原因
通常、被災直後の不眠は徐々に回復していきますが、治らない場合は心的ショックが大きかったり環境が合わなかったりする可能性が考えられます。
眠れない日が続くと、心身の不調を引き起こしやすくなるので、根本原因を把握した上で適切な対策を講じることが大切です。
精神的なストレスが大きい
「家族や友人の安否が分からない」
「大きな地震がまた来るかもしれない」
「地震により身体的なけがを負った」
など、被災時には様々な精神的ストレスがかかります。
ストレスの多い状況下では、身体が緊張状態になりリラックスしにくくなるため、眠れなくなるのです。
また、避難所では消灯時間が設けられていますが、「寝なきゃいけない時間に眠れていない」とかえってプレッシャーになっているケースも考えられます。
慣れない環境で寝付けない
避難所や知人の家に滞在している場合、慣れない環境に置かれることで気を張ってしまい眠れなくなります。
例えば、普段の生活とは異なる音や臭いがあったり、人の出入りが頻繁に激しかったりすると、周囲の状況が気になり脳が休まりません。また、他人との距離が近くなるためプライバシーを保ちにくく、落ち着いて過ごせないケースもあるようです。
いびきを指摘されて気になって眠れない
避難所では多くの人と同じ空間で寝るため、「いびきがうるさい」と不意に指摘された場合、誰かの迷惑になる心配から就寝への恐れが生まれるようです。不安が増えると、寝ようとしてもリラックス状態を保てず、いびきをかく可能性が高まります。
慣れない環境やストレスからいびきをかくのは仕方ないですが、気にしすぎるあまり不眠症に陥っている場合は、何らかの対策をしてみると良いです。
避難所でのいびき対策
ここでは、実践しやすい避難所でのいびき対策をご紹介します。
いびきの改善により、心配事が減ったり睡眠の質が向上したりするので、できるものから試してみると良いです。
避難所でのいびき対策①なるべく横向きで寝る
横向き寝は、気道が広がりやすくいびきの軽減につながるといわれています。一方、寝る体制として一般的な仰向けでは、舌が喉の奥に落ちることで気道を圧迫するため、いびきを引き起こすようです。
横向きで寝る際は、頭の位置を少し高めにすると呼吸がしやすくなります。避難所生活で枕がない場合でも、タオルや洋服で代用できるので少し頭を上げて寝てみましょう。
避難所でのいびき対策②鼻チューブを使用する
鼻チューブとは、睡眠時の気道確保を目的に作られたチューブ状の医療機器のことです。柔らかいシリコン素材でできており、鼻に挿入するだけで気道を広げる効果があります。
鼻チューブであれば電源などは必要ないため、停電時や非常時でも使用可能です。また、機械音も発生せず周囲に迷惑がかからないことは、鼻チューブを使用する大きなメリットとなります。
避難所でのいびき対策③鼻腔拡張テープや口閉じテープを用意しておく
日頃から大きないびきをかいている方は、もしもの時に備えて、非常時持ち出し袋を用意して、その中に、鼻腔拡張テープや口閉じテープを用意しておきましょう。鼻腔拡張テープや口閉じテープは鼻呼吸を促す簡易グッズで、いびきの軽減が期待できる「いびき対策グッズ」です。かさばらず、ドラッグストアなどで気軽に購入できるので、もしもの時のいびき対策に非常に便利です。
鼻腔拡張テープや口閉じテープについて詳しくは下記記事をご覧ください。
被災直後の不眠症の解決策
では実際に、被災直後の不眠症を解消するための具体的な方法をご紹介します。
不眠を放置しておくと、心身に大きな負担がかかりストレスが溜まりやすくなるので、早期改善ができるよう以下の解決策を実践してみましょう。
被災直後の不眠症の解決策①寝る時間にこだわらない
被災直後に不眠症になった場合、「夜になったから寝なければいけない」という思考は捨て、「眠れるときに寝よう」と切り替えることが大切です。
睡眠を強制すると余計眠れなくなるため、消灯時間がきたとしても「眠くないからいいや」と考え無理に寝ようとするのは控えましょう。昼でも夜でも眠気がきたタイミングで横になることで、リラックス状態を作るきっかけとなり、自然に眠りやすくなります。
被災直後の不眠症の解決策②寝方を変えてみる
眠りにつきやすい体制は人によって違うため、寝方を変えると眠りやすくなることもあります。
例えば、避難所の狭いスペースで寝ている場合、座布団などを抱えながら横向き寝をすると、腰にかかる負担軽減につながります。また、頭の位置を上げたり洋服を敷いたりすると、呼吸や体勢が楽になり深い眠りにつけるかもしれません。
寝ること自体が辛い場合は、無理に寝ようとせず一旦起き上がり、少し外に出て気持ちを落ち着かせることも大切です。
被災直後の不眠症の解決策③体操などをして体を動かす
避難所などの限られたスペースでもできる、簡単なエクササイズやラジオ体操をすることもおすすめです。
体を動かすことで、心身の緊張が和らぎ血行が良くなるため、眠気につながるリラックス効果が得られやすくなります。肩回しや首のストレッチなど少し動かすだけでも効果はあるので、リフレッシュも兼ねて積極的に行ってみましょう。
下記記事では、睡眠の質を上げるストレッチについて紹介しています。併せてご覧ください。
被災直後に不眠がみられる際の注意点
被災直後に不眠症状がみられた際は、いくつかの注意点を意識することが大切です。
間違った対応をしてしまうと、治りづらくなったり慢性化したりするので、以下で説明する注意点を確認しておきましょう。
寝付きが良くなるからといってお酒は飲まない
寝付きを良くしようとお酒を飲む人も存在しますが、眠りが浅くなるため飲酒は逆効果になります。
アルコールの作用によって若干寝付きが良くなっても、効果は一時的なものであり、結果的に症状の悪化につながります。また、ストレスを和らげようとアルコールに頼る行為は依存症リスクを高めるため、代わりに温かい飲み物を飲んで心身を落ち着かせると良いでしょう。
下記記事では睡眠の質を上げる飲み物について紹介しています。併せてご覧ください。
せん妄がみられた場合は注意
せん妄とは、意識の低下と共にイライラ・興奮がみられる状態のことです。
せん妄にはいくつかタイプがあり、興奮して大声を出すタイプ、うつ状態が強いタイプ、認知症に似た症状が出るタイプなど様々です。
不眠症とは異なり自覚しにくく、間違った治療により悪化するケースもあるため、身近な人に異変がみられた際は早めに知らせることが大切です。
不眠が8週間以上治らない場合は病院へ相談
症状が8週間以上改善しない場合は、慢性不眠症になっているため病院へ相談すると良いです。
不眠症状だけでなく「不眠から強い不安が出ている」「集中力が低下している」「倦怠感や意欲低下がみられる」といった症状がある場合は、うつ病や他の睡眠障害にかかっている可能性も考えられます。
不調がみられる際は、「いつか治るだろう」と治療を後回しにするのではなく、心身への影響を最小限に抑えるためにも早めに対処しましょう。
参考:
震災に関連した不眠・睡眠問題への対処について|国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
被災直後から不眠症が治らない方は専門のクリニックにご相談ください
被災直後から不眠症が続いている場合は、専門のクリニックに相談することが大切です。
不眠が治らない場合、心身に大きなストレスがかかっている可能性が高く、放置していると健康状態がさらに悪化するかもしれません。
症状に合わせたクリニックで、適切な治療やカウンセリングを受けることで改善を目指せるので、気になる不調がある場合は一度相談しましょう。
精神的な原因による不眠症は新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
新宿うるおいこころのクリニックでは、精神的な問題からくる不眠症の治療が可能です。被災後のトラウマやストレスからくる不安は、心身の健康状態に大きな影響を与えるため、気になる症状がある場合は受診がおすすめです。
不眠症の治療のほかにも、公認心理士・臨床心理士在籍のカウンセリングや治療により、被災体験によるPTSDや不安障害等の治療も可能なため、「被災後から常に体が緊張している」「悪夢ばかり見てしまい辛い」といった悩みを抱えている方はぜひ一度ご相談ください。
いびきにお困りならいびきメディカルクリニックへご相談ください
不眠になっている原因がいびきの場合、いびきメディカルクリニックへご相談ください。いびきメディカルクリニックでは、切らない、痛くない、いびきレーザー治療により、最短15分でいびきの改善を目指せます。
特に、避難所生活をしている場合は、ストレスが大きくいびきにつながりやすいため、早めに対処して睡眠環境を整えておくと良いです。いびきの改善により、「周囲にいびきが聞こえていないか不安で眠れない」「いびきがひどく寝た気がしない」といった悩みの軽減を目指せるので、皆様のご来院をお待ちしております。
よくある質問
避難所で眠れない場合、夜に眠ることにこだわるのをやめたり、横向きで寝たり、洋服や座布団で頭の位置を高くしたりすると良いです。
ストレッチやラジオ体操などの運動も、血流を改善してリラックス状態を促すために大切となるので、積極的に取り入れてみましょう。