睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい年齢は?男性・女性・子どもごとに徹底解説!

睡眠時無呼吸症候群の原因
2024.08.12
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい年齢は?男性・女性・子どもごとに徹底解説!

「最近年齢のせいか、寝ている間にいびきをかくようになった」
「自分はまだ20代だから睡眠時無呼吸症候群なんて発症しないでしょ」
「子どものいびきが気になるけど、これって病気?」

このように、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する年齢について気にしている方は多いでしょう。一般的に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は中年男性に多いと言われていますが、条件がそろえば女性であっても、20代であっても、子どもであっても発症することがあるとされています。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい年齢について男性・女性・子どもごとに詳しく解説し、そのうえで治療せず放置する危険性、そして最新のいびき治療について紹介します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい年齢

睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい年齢

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、さまざまな要因で睡眠中に呼吸が一定時間止まる無呼吸状態に陥ることで睡眠が分断され、慢性的な睡眠不足に陥る疾患です。主な症状は、日中の激しい眠気や睡眠中の大きないびきなどですが、発症しやすい年齢には男女で次のような差があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のより詳しい解説は下記の記事をご覧ください。

男性の場合は50代以降

日本呼吸器学会が監修している「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」によると、男性の場合は50代の男性の10〜20%程度の有病率を示したと記載されています。

これは、男性は50代の中年期になると運動不足や代謝の低下などの理由から肥満になる人が増えるためと考えられています。

肥満は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因の中では最も危険な因子とされており、特に男性では上半身を中心に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満(りんご型肥満)」になりやすい傾向にあります。この内臓脂肪型肥満は、腹回りだけでなく首や舌にも脂肪がつくため、睡眠中にこれらの脂肪が気道を圧迫し、無呼吸の発生につながります。

女性の場合は70代以降

対して、女性の場合は50代での発症率はそれほど高くなく、70代になるころに男性とほぼ変わらない有病率を示すとされています。

これには、女性の閉経の影響が大いにあるとされています。

女性が閉経後に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすい理由

先ほど、男性は内臓脂肪型肥満になりやすいことが無呼吸を発症する要因の一つと解説しましたが、女性は男性とは違い、同じ肥満でも下半身を中心に脂肪がつく皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)になりやすい性質があります。

これには、女性ホルモンの血中コレステロールを下げ、内臓の脂肪沈着を防ぐ働きが影響しています。また、女性ホルモンには上気道開大筋(上気道の開存を維持しようとする筋肉)の働きを活発にさせる効果があることも、女性が無呼吸を発症しにくくなっている要因の一つといえます。

しかし、女性は40歳を過ぎると、女性ホルモン分泌が低下し始め、そして60歳前後には閉経します。すると、それまでは受けられた女性ホルモンの恩恵が受けられなくなり、70代ごろにはほぼ男性と発症条件は変わらなくなってしまうのです。

そのため、若い頃はいびきとは無縁だったのに、年齢を重ねた頃から急にいびきに悩み始める女性は多いため、注意する必要があるといえるでしょう。

上記の内容は、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|一般社団法人日本呼吸器学会
小顔の女性は要注意 睡眠時無呼吸症候群|日本経済新聞

20代でも睡眠時無呼吸症候群(SAS)は要注意⁉︎

20代でも睡眠時無呼吸症候群は要注意⁉︎

さて、ここまでの内容を読むと、男性は50代以降、女性は70代以降と、ある程度年齢を重ねてから睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症することがわかります。

しかし、だからといって「自分は20代だから大丈夫」と過信するのはよくありません。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、次のような条件に当てはまる人であれば、たとえ20代でも発症する可能性があります。

痩せ型・小顔の人

肥満は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最大の危険因子ですが、日本人は首が太くて短い人が多いため、軽度の肥満でも首周りに脂肪が多くつき、気道を狭めてしまいます。その結果、見た目にはあまり太っていなくても無呼吸を発症することがあります。

また、女性に多い小顔も、あごが小さいことで舌や喉、および周辺の筋肉も小さくなるため、喉の奥に舌が落ち込みやすくなって、いびきをかくリスクが高まります。

妊娠中の女性

女性にとって、妊娠もいびき・無呼吸を発症させる要因の一つです。

妊娠によって体重が増加すると、肥満によっていびきが引き起こされるように脂肪が上気道を狭くしていびきをかきやすくなります。

妊娠中の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、母体だけでなく胎児にも影響を及ぼす危険があるため、早急に対応することが大切です。詳しくは下記の記事をご確認ください。

参考:
小顔の女性は要注意 睡眠時無呼吸症候群|日本経済新聞

子どもでも睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症することがある

子どもでも睡眠時無呼吸症候群を発症することがある

大人だけでなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は子どもでも発症する可能性があります。主な原因は次の3つです。

扁桃肥大・アデノイド肥大によるもの

1つ目が、扁桃肥大やアデノイド肥大によるものです。

扁桃やアデノイドとは、扁桃組織(咽頭の粘膜の中で発達したリンパ組織の総称)に含まれ、呼吸によって鼻や口から入ってくるウイルスや細菌を捕え、気管や肺に侵入するのを防ぐ免疫機能を持っています。

風邪をひいた時に口の中を見ると、舌の付け根の辺りが赤く腫れることがあるでしょう。これが、扁桃組織です。

そしてこの扁桃組織は、成長に伴って大きく発達しますが、まれに成長の過程で過剰に肥大化することがあり、それが気道を狭めていびきを起こすことがあります。

こうした扁桃肥大やアデノイド肥大は、6歳頃をピークに自然に治っていくことがほとんどですが、ごくまれに肥大が治らず症状の改善が見られない場合があるので、その場合は医療機関で取り除いてもらうといった処置が必要です。

参考:
扁桃肥大・扁桃腺肥大 | 株式会社龍角散

子どもの肥満によるもの

2つ目が、子どもの肥満です。

近年、子どもの肥満は増加傾向にあり、大人と同様脂肪沈着による気道圧迫によっていびき・無呼吸を起こすケースが報告されています。

主な原因は、食事・おやつ・ジュースなどの過剰摂取や食生活の乱れ、さらに運動不足などが影響しているとされています。

そして、子どもの肥満は睡眠時無呼吸症候群(SAS)だけでなく、さまざまな健康リスクにつながるとされているため、該当する場合は早急な対処が必要です。

参考:
肥満と健康|eヘルスネット(厚生労働省)

アレルギー性鼻炎によるもの

3つ目が、アレルギー性鼻炎です。

アレルギー性鼻炎は、くしゃみや透明な鼻水、鼻づまりなどを主症状としており、ダニやホコリなどが原因で年中鼻炎症状が認められる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが飛散する時期にのみ症状が出る季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の2つに分類されます。

本来、睡眠中は鼻呼吸をするのが基本ですが、鼻炎症状が強く出ていると鼻呼吸がうまくできずに口呼吸となり、舌が喉の奥に落ち込んでいびきをかきやすくなります。

最近は、発症年齢の低下が進み、子どものアレルギー性鼻炎も多く確認されています。

しかも、風邪と症状がよく似ているため、適切な治療をしなければいつまでも症状が改善されないままです。ゆえに、長期間症状が続いている場合は速やかに医療機関を受診し、医師による診断を受けるようにしましょう。

参考:
アレルギー性鼻炎のはなし~メカニズム・種類・症状~|エスエス製薬

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置する危険性

睡眠時無呼吸症候群を放置する危険性

ここまで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する年齢について詳しく解説してきましたが、ここからは睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置する危険性について詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大人も子どもも、放置するととても危険な状態に陥るリスクがあります。

大人の場合

まず、大人の場合は合併症を発症する危険性と、交通・産業事故につながる危険性があります。

合併症の危険性

睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって睡眠中に何度も無呼吸を起こすと、脳はその度に低酸素状態に陥ります。すると、脳は酸素を確保するために呼吸を再開させますが、このとき交感神経が優位になることで血圧が上昇します。

これが何度も繰り返されることで発症するのが、高血圧です。

そして、高血圧はさまざまな疾患のきっかけとなり、やがて狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などに発展する危険性があります。したがって、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の発症に気づいたらすぐに医療機関を受診して治療を受ける必要があります。

参考:
睡眠時無呼吸症候群 / SAS|eヘルスネット(厚生労働省)

交通・産業事故の危険性

また、合併症に加え、慢性的な睡眠不足による交通・産業事故リスクも重大だとされています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、発症していることが本人にはわかりにくく、「最近ちょっと寝不足だな…」程度しか自覚できないことも多いです。しかし、無呼吸による日中の眠気は、確実に判断力や集中力を招き、最悪の場合は交通事故や重大な産業事故などの原因となることがあります。

実際、過去にも車・バス・トラック・電車などの運転手が、無呼吸を発症しているにもかかわらず業務を続けたことで事故を起こし、死傷者が出た事例が多数報告されています。

このように、睡眠時無呼吸症候群(SAS)がもたらす被害は個人の健康被害だけにとどまらず、ひいては社会全体にまで影響を及ぼします。

参考:
昼間の眠気 -睡眠時無呼吸症候群・ナルコレプシーなどの過眠症は治療が必要|eヘルスネット(厚生労働省)

子どもの場合

子どもにとって、睡眠は健全な心身の成長に欠かせません。体を大きく成長させたり、病気にかかりにくい強い体を作ったりできるのは、睡眠中に成長ホルモンが分泌され、日々体の成長を促しているからです。

しかし、無呼吸によって慢性的な睡眠不足に陥ると、発育阻害や免疫力低下、記憶力低下、メンタル不調など、身体的にも精神的にも大きな悪影響を与えるリスクがあります。

いびきに気づいたらすぐに病院へ

いびきに気づいたらすぐに病院へ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、ある程度の発症しやすい年齢・性別に特徴はありますが、条件がそろえば誰でも発症しうる危険な病気です。発症に気づいたら速やかに医療機関に相談し、治療を受ける必要があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は、CPAPと呼ばれる装置を用いた治療が一般的ですが、ここでは近年注目を集める最新治療について解説していきます。

CPAPについては、下記の記事をご参照ください。

最新治療「パルスサーミア」なら睡眠時無呼吸症候群(SAS)の根本治療が可能

パルスサーミアとは、特殊なレーザーを喉粘膜に当てることで引き締め、睡眠中の気道の閉塞を解消し、いびき・無呼吸の根本治療を目指す最新のいびき治療です。

喉の粘膜にレーザーを当てると聞くと、怖いと思う方もいるかもしれませんが、安心してください。パルスサーミアで使用するレーザーは特殊なレーザーで、傷をつけることなく粘膜だけを引き締めることが可能です。

これまで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療といえばCPAP(シーパップ)療法が一般的でしたが、根本治療は難しかったため、長期的に使い続ける必要がありました。しかし、パルスサーミアであれば装置や薬に頼らない根本治療を目指すことができます。ただし、治療を受けられるのは18歳以上からで、それ以下の年齢の方は治療を受けることができません。

治療を受けてみたいと思った方は、いびきメディカルクリニックにご相談ください。無料カウンセリングにお申し込みいただければ、専門のスタッフがお客様の不安や施術について丁寧にご説明いたします。

<当院オリジナルのいびきレーザー治療「パルスサーミア」の詳細はこちら>

FAQ

よくある質問

睡眠時無呼吸症候群(SAS)になりやすい年齢はありますか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は子どもも発症する可能性がありますか?

確率は少ないですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は子どもでも発症の可能性があります。扁桃肥大やアデノイド肥大、肥満、アレルギー性鼻炎によって引き起こされることが多いです。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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