【そのいびき大丈夫?】睡眠時無呼吸症候群で死ぬ危険性はあるのか?

睡眠時無呼吸症候群の原因
2022.10.10

家族や周りの人から指摘されて、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かも?と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

中には、睡眠時無呼吸症候群で死ぬ可能性は?など深く思いつめる人もいるかもしれません。

まず、結論からお伝えすると、睡眠時無呼吸症候群が直接の原因として死ぬリスクは低いです。しかし、体には負担がかかり続けます。

当記事では、睡眠時無呼吸症候群について、さまざまな情報を集約し紹介しています。

睡眠時無呼吸症候群の症状が気になる方は、ぜひ記事内容をご確認ください。

睡眠時無呼吸症候群で死ぬ可能性はあるのか?

睡眠時無呼吸症候群が直接の原因となって窒息死するリスクは低いとされています。

すぐに死亡リスクに結びつけて考える必要はありません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群が原因となって起きるさまざまな合併症の中には、体に深刻なダメージを与えるものもあります。

上手く呼吸できないことと、良い睡眠が取れないことによる負担は体に蓄積され、主に高血圧や心筋症のリスクを高めるといわれています。

睡眠時無呼吸症候群の症状が確認出来次第、できるだけ早めに治療しておきましょう。

睡眠時無呼吸症候群とは?

様々な合併症の原因となる睡眠時無呼吸症候群とは、どのような病気なのでしょうか。

具体的な症状を以下に紹介します。

具体的な症状

睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされる主な症状は以下のとおりです。

  • いびきや不眠
  • 夜中に目が覚める
  • 朝起きた時の頭痛
  • 日中の眠気による交通事故の原因も

夜に良好な睡眠が取れない体への負担は大きく、昼間のだるさや集中力の低下となって現れます。 特に車を運転する機会が多い人は、症状を感じたら早めの治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす主な合併症

睡眠時無呼吸症候群が原因と疑われる主な合併症を以下に紹介します。

参考:睡眠時無呼吸症候群の合併症

突然死

突然死の原因は特定できないケースが多くありますが、睡眠時無呼吸症候群による呼吸障害や不眠を原因とする研究が発表されています。

フィンランドでの研究によると、 460例の突然死について検証したところ

  • 「常時~ほぼ常時」いびきをかく人が85人
  • 「よく」いびきをかく人が88人

以上の検証結果がでました。突然死全体の37.6%がいびきをかく人という内容です。睡眠時無呼吸症候群との関連性が疑われると結論付けられています。

日本では2000年に厚生労働省呼吸不全調査研究班が発表した集計があります。

294名の睡眠時無呼吸症候群の患者に約5年間追跡調査を行ったところ

  • 17名(5.8%)が死亡
  • その内8名は心筋梗塞や脳梗塞による突然死が原因 

以上の検証結果がでました。突然死した人は、起床後数時間後に死亡するケースが多くみられています。

直接の原因と結びつけるのは難しいですが、睡眠時無呼吸症候群の症状が心筋梗塞や脳梗塞一因となっている可能性は捨てきれません。

高血圧

睡眠時無呼吸症候群患者と、高血圧の関連性は有名です。

睡眠時無呼吸症候群患者のうち、約68%もの人に高血圧の症状が見られたとの報告があります。

症状が重症であるほど、高血圧になるリスクは高まります。高血圧とも相まって、睡眠時無呼吸症候群による睡眠時の低酸素血症は、動脈硬化のリスクの一つです。

虚血性心疾患

虚血性心疾患は動脈硬化が原因で、心臓の血管が細くなって起きる病気です。心筋梗塞や狭心症の原因にもなります。

睡眠時無呼吸症候群と虚血性心疾患の関連性は深いことが知られています。

睡眠時無呼吸症候群患者が、虚血性心疾患を発症するリスクは、健常者と比べて、1.2〜6.9倍。

呼吸不全による心肺機能へのダメージは思いの外大きいようです。

不整脈

睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸時に脈が遅くなり、その後過呼吸時に脈が早くなることを繰り返します。

呼吸の乱れを原因とする不整脈も、睡眠時無呼吸症候群による代表的な合併症の一つです。そのままにしておくと心肺機能へ深刻なダメージを与えます。

睡眠時無呼吸症候群の原因


睡眠時無呼吸症候群は、仰向けに寝ているときに舌の根が落ち込んで気道を塞ぐことが原因で起こります。

日本では推定300万人程度の患者がいると推定されており、おおよそ男女比2〜3対1です。

睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい人の属性や生活習慣を以下にピックアップしました。

  • 太り気味
  • 首が大きい
  • 中高年
  • 男性
  • 閉経後の女性
  • アルコールの摂取量が多い
  • 睡眠薬をよく使う
  • タバコを吸う
  • 鼻が詰まりがち
  • 舌が大きい
  • 家族に無呼吸の人がいる

以上の項目から多くの人に当てはまりがちな4つの項目について、紹介します。

肥満傾向

肥満傾向の人は、首周りの皮下脂肪が厚くなることで喉の上の部分が狭くなり、気道の閉塞が起きやすくなります。

それに加えて、アジア人の骨格の小ささが影響し、日本人の場合は軽度の肥満でも上気道が塞がりやすくなると言われています。

標準的な体型の人と比べて、肥満傾向の人は約4倍無呼吸になりやすいと言われていますので、注意が必要です。

閉経後の女性

閉経後は、女性ホルモンの働きによって上気道開大筋と言われる喉の周りの筋肉の活動が高まります。

このため、閉経前よりも約3倍程度、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなると言われています。

男性と異なり、日中の眠気やいびきを伴わないケースが多く、発症が分かりにくい点が特徴です。

アルコールの摂取量が多い

アルコールの摂取には、筋肉が弛緩する作用があります。

アルコールの摂取によって、舌やあごの筋肉の緊張がゆるみ、気道を圧迫することで、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因となります。

また、舌や周りの組織が喉に落ち込みやすくなることや、鼻の空気の通りが悪くなることも原因の一因です。

毎日飲酒する習慣がある人は、飲酒しない人と比べて睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高まります。

鼻が詰まりがち

慢性鼻炎などによって、普段から鼻が詰まりがちな人も注意が必要です。

鼻が詰まると鼻からの空気で喉を広げる作用が失われます。したがって、睡眠時無呼吸症候群を招きやすくなるのです。

睡眠時無呼吸症候群かも?疑わしい症状

以下の項目にいくつか当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。セルフチェックしてみましょう。

  • 家族や同居人から、いびきがうるさい、呼吸が止まっているのでは?と言われる
  • 熟睡感がなく、日中に眠気やだるさがある
  • 朝起きると体がだるく、頭も重い
  • 夜中に何回も目覚めてトイレに行く
  • ドライマウス

睡眠時無呼吸睡眠症候群そのものは治療ですぐに改善します。重要な点は、できる限り早めに発症を確認することです。

睡眠時無呼吸睡眠症候群の治療

さまざまな合併症に関連する睡眠時無呼吸症候群は、気がついた時点で早急に対処しておきたいところです。

対処療法的な治療方法としては下記の3点が挙げられます。

  1. CPAP療法
  2. マウスピース
  3. 生活習慣の改善とダイエット

CPAP療法

CPAP療法とは、鼻にマスクを装着して空気を送り込む治療法です。通称シーパップと呼ばれています。

鼻から送り込む空気の気流や圧力によって、気道の閉塞を取り除き、無呼吸を予防します。

中等症から重症の患者に向けて行われ、治療したその日から高い効果を得られる治療法です。

睡眠時無呼吸症候群を起因とする合併症のリスクも大幅に低下します。

CPAP両方については下記の記事でも詳しくまとめているのでぜひご覧ください!
【シーパップとは?】費用や副作用、効果をご紹介!

マウスピース

マウスピースを使う治療法は、軽症レベルの人や、何らかの理由でCPAP療法げ出来ない人に向けて行われます。

マウスピースを装着することで、下顎を前に引っ張り、舌が落ち込まないように施術します。

睡眠時無呼吸症候群専用の特殊なマウスピースをつくる場合、歯医者への依頼が必要です。

多くのケースで、かかりつけの医師から歯医者を紹介してもらえるでしょう。

マウスピースについては下記の記事でも詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください!
睡眠時無呼吸症候群の治療法として知られるマウスピースとは?かかる費用や注意点を解説

生活習慣の改善とダイエット

睡眠時無呼吸症候群の改善、再発の防止のために、生活習慣の改善やダイエットに取り組みましょう。

現在肥満体型の人は、腹いっぱいになるまで食べない習慣をつけましょう。腹八分目で抑える点がポイントです。

寝酒は、筋肉の弛緩によって無呼吸を併発します。寝酒が習慣になっている人は思い切ってやめましょう。また、睡眠薬の中には、アルコールと同様に筋肉の弛緩効果があるものもあります。服用している人は、主治医へ確認してみましょう。

タバコは、いびきや睡眠時無呼吸症候群の発症を2〜4倍に飛躍させます。成人病の原因にもなりますので、禁煙してしまうのが望ましいです。

不安な場合は専門医

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることを繰り返す病気です。死に直結する病気ではありませんが、さまざまな合併症を引き起こすとされています。

発症が見られたら直ちに治療しましょう。

上記では、対処療法的な治療方法 をご紹介しましたが、根本から改善したい場合は専門医への相談をお勧めします。

いびきメディカルクリニックでは問診とカウンセリングを無料で行っております。不安を抱える患者様にも真摯に対応させて頂きます。

ご希望の患者様には、最新のレーザー治療である「パルスサーミア」をご案内可能です。

是非お気軽にご相談ください。

参考サイト:睡眠時無呼吸症候群について|内科|岩井グループ
重症な睡眠時無呼吸症候群患者の死亡率は健常者の2.6倍

【よくある質問】

Q.睡眠時無呼吸症候群による死亡リスクは?

A.睡眠時無呼吸症候群が直接死亡に結びつくリスクはないとされていますが、合併症による死亡リスクは高まります。

Q.睡眠時無呼吸症候群を治すにはどうしたら良い?

A.CPAP治療、マウスピース、生活改善などの治療法があります。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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