睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死ぬ確率や生存率は?重症化のリスクを解説!
目次
「重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死ぬ確率ってどのくらい?」「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状って?」「放っておくとどうなるの?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)になってしまうと、8年後の生存率は6割です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると合併症などのリスクが上がりますが、適切に治療すれば生存率が上がる可能性のある疾患です。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死ぬ確率、症状、診断、放置するとどうなるかについて、解説します。この記事を読むと、睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死ぬ確率や症状、診断、放置するとどうなるかについて理解でき、睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死なないためにはどうしたら良いかが分かります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死ぬ確率は?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)自体で死ぬことはありませんが、2次的に起きる心血管イベントで1年に100人に1人が死亡します。
また、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人の3~4割は10年後には死亡してしまうともいわれています。
適切に治療すると生存率は上がりますが、放置すると危険です。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疫学|J-STAGE
昼間の眠気 -睡眠時無呼吸症候群・ナルコレプシーなどの過眠症は治療が必要 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠中に呼吸が10秒以上止まってしまう状態を睡眠時無呼吸といいます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、1時間あたり5回以上無呼吸や低呼吸が起こり、熟眠できず、日中の起きている時間に異常なほどの眠気を催す状態のことです。
気道が閉じて起こる閉塞型、脳や心臓などの病気が原因で起こる中枢型、両者が混合いる混合型がありますが、閉塞型が最も多く、肥満と関連しています。しかし、閉塞型は肥満でなくとも起こる場合があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に罹患すると死亡率が上がってしまうのは、睡眠中の度重なる酸欠状態が生活習慣病のリスクを高めるからです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度を表わす指標に用いられているのが、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数、無呼吸低呼吸指数(AHI)です。AHIが5以上で、いびきや夜間頻尿、日中の眠気などがあれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度は以下の表に示すとおりです。
AHI | 重症度 |
---|---|
5~15 | 軽症 |
15~30 | 中等症 |
30以上 | 重症 |
成人の睡眠時無呼吸症候群では、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの合併症を引き起こすリスクが約3~4倍高くなり、特に重症のAHI30以上の場合には、心血管系疾患の発症の危険性が約5倍です。
睡眠中の度重なる酸欠状態は、生活習慣病のリスクを高めます。そのために、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に罹患すると死亡率が上がってしまうのです。
詳しい情報は、下記記事にも掲載されているのでご覧ください。
参考:
I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS) – I.その他|一般社団法人日本呼吸器学会
重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の8年後生存率は6割
1988年にカナダのマニトバ大学では、睡眠時無呼吸症候群と診断された男性患者709名に対して予後調査をしました。この調査では、睡眠1時間あたりの無呼吸数が20回/時以下の142例の8年生存率は96 ±2%であるのに対し,20回/時を超える104例では63±17%まで低下したと報告しています。また、この報告ではCPAP治療をした25例の5年生存率は100%だったと報告しています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、適切に治療することで、生存率が上がる疾患です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑う場合の自他覚症状としては、下記のようなものが挙げられます。どれも死ぬことを予想させるような重い症状ではないことに、驚く方もいるかもしれません。
- いびき
- 日中の過度の眠気
- 睡眠中の窒息感とともに目覚める
- あえぎ呼吸
- 不眠
- うつ状態
- 性格の変化
- 幻覚
- 性機能障害
- 他者からの睡眠中の呼吸中断の報告
- 夜間頻尿
自覚症状として多くの人が感じているのが、日中の眠気です。また、いびきや夜間に窒息感で目覚める、瀕死状態でみられるあえぎ呼吸があるということもあります。このほか、不眠やうつ状態、性格の変化など起こす場合もあります。家族などから睡眠中の呼吸中断が報告される場合もありますが、どれも単独で睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは言えません。診断のためには、適切な客観的な検査を実施する必要があります。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|CQ16|一般社団法人日本呼吸器学会
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のタイプ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のタイプは、以下の3つです。
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
- 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
- 混合型睡眠時無呼吸症候群
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、多くの人が罹患しているタイプの睡眠時無呼吸症候群で、寝ている間にのどや上気道が何度も繰り返しふさがれることで発生します。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、成人の約8~16%の健康や生活の質に影響を及ぼしていると言われています。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)よりまれで、脳にある脳幹が持つ呼吸制御機能の異常により発症する疾患です。正常な場合、血液中の二酸化炭素濃度変化に、脳幹は敏感に反応して、呼吸するように信号を出したり、呼吸を抑えるように信号を送ったりします。しかし、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)では、脳幹が二酸化炭素濃度変化に適切に反応しません。そのため中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)では、睡眠中に呼吸が停止したり、浅く遅くなったりします。脳幹に異常が起きる原因は、脳卒中や心不全、脳の感染症(脳炎)、薬剤などさまざまです。
混合型睡眠時無呼吸症候群
混合型睡眠時無呼吸症候群とは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)が組み合わされた睡眠時無呼吸症候群です。中枢性睡眠時無呼吸症候群より多く発症すると言われています。
下記記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状についてより詳しく紹介しています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に無呼吸や低呼吸があって、体内が低酸素状態に陥っていることで診断できます。また、重症度や「中枢型」「閉塞型」「混合型」のタイプのうち、どれか診断することも重要です。重症度やタイプによって、治療の必要性などが決まるからです。
通常、検査は二段階です。簡易検査で陽性の場合に、本検査に進みます。必ずしも睡眠時無呼吸ではない場合もあり、他の疾患の可能性が発見されることもあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断方法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断方法には、以下のとおりです。
- 簡易検査
- 本検査=ポリソムノグラフィー(PSG)
- その他の診断方法
簡易検査
簡易検査は、指先に酸素飽和度測定機器を装着して、腕に小型の機器をはめて一晩休んで行います。入院の必要はなく、自宅で検査できます。装着後、自分でスイッチを入れ、翌朝、スイッチを切り、検査メーカーに郵送するだけです。結果は2週間程度わかり、費用も保険診療で3,000~5,000円くらいです。
本検査=ポリソムノグラフィー(PSG)
簡易検査で陽性だった場合に、ポリソムノグラフィー(PSG)という本検査をします。指先のほかに、心電図や脳波測定機器、鼻や口の気流測定、腹部の動きを見るセンサーなどを装着して、一晩、睡眠を取ります。
いびき音の測定も行うので、通常は個室を使用する、1泊2日の入院の検査です。結果は2~3週間くらいで分かり、費用は保険診療で55,000~60,000円くらいです。重症度やタイプなどを知るために、診断確定には本検査を受ける必要があります。
その他の診断方法
その他、睡眠専門外来や大学病院では、新しい検査方法や治療方法、患者に負担の少ない検査方法の開発や試験運用・実用化の役割もあります。病気のメカニズムの解明のため、臨床研究している場合もあるので、詳細は担当医師に聞いてみてください。
詳しい情報は、下記記事にも掲載されているのでご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなるか
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、放置すること以下のようなことが起こります。
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病になりやすい
- 眠気による事故を起こしやすくなる
- 中等症・重症では、心筋梗塞・脳梗塞などの死亡率が非常に高くなる
放置すると危険な睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですが、適切な治療をすることで生存率が上がる可能性が高くなっています。
詳しい情報は、下記記事にも掲載されているのでご覧ください。
いびきメディカルクリニックで行う睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
いびきメディカルクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法に、CPAP(シーパップ)療法やオリジナルのいびきレーザー治療法「パルスサーミア」を実施していますが、ここでは、オリジナルのいびきレーザー治療法「パルスサーミア」について紹介します。
「パルスサーミア」によるいびきレーザー治療方法
パルスサーミアは、今までの治療法とは違う、新しいいびきレーザー治療法です。
従来のレーザー治療では口蓋垂や軟口蓋をメスやレーザーで切り広げて縫合し、粘膜の膨らんでいる部分を取り除く手術を行なっていました。パルスサーミアでの治療には、デメリットがなく、いびき治療をしながら通常どおりの生活を送っていただけるところが最大の特徴です。入院も会社を退職する必要も、休む必要もありません。
いびきレーザー治療「パルスサーミア」のメリット
パルスサーミアによる、いびきレーザー治療のメリットは以下のとおりです。
- 痛みが少ない
- ダウンタイムがほぼない
- 治療時間は約15分
- 出血はしない
切開して気道を広げる場合、術後の数週間は食べ物がうまく飲み込めない、強い痛みがある、異物感を感じるなどの長期間のダウンタイムがありました。しかし、パルスサーミアは切らないので痛くありません。
「パルスサーミア」の料金
パルスサーミアで治療した場合の料金は、以下のとおりです。
- カウンセリングおよび初診:無料
- パルスサーミア初回お試し:¥32,780(税込)
- パルスサーミア1回:¥109,780(税込)
パルスサーミアは保険の使えない、自由診療です。また、6回施術する「Standard6回コース」の1回あたりの料金は約¥95,330(税込)です。
いびきレーザー治療「パルスサーミア」を受ける際の注意点
パルスサーミアによるいびき治療では、20歳未満の方は保護者の同伴か同意書が必要です。また16、17歳の方は親権者の同伴が必要です。15歳以下の方はパルスサーミアを受けられません。保護者同意書のフォーマットは下記よりダウンロードできます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)でお悩みの方は、いびきメディカルクリニックへご相談ください
この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死ぬ確率、症状、診断、放置するとどうなるかについて、解説してきました。
重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)になると、8年後の生存率は6割だという報告があります。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると合併症などのリスクが上がりますが、適切な治療をすれば生存率が上がる可能性のある疾患です。
最後に、いびきメディカルクリニックからのお知らせです。いびきメディカルクリニックは、オリジナル治療のパルスサーミアを使って、いびきや無呼吸症状の治療を行っている専門医院です。オリジナル治療ということで興味はあるけれど、不安を感じてしまうという方は、まずご連絡ください。無料カウンセリングで、あなたの疑問点や不安点を一つずつ解決いたします。
よくある質問
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の平均寿命は短いです。1時間当たりの10秒以上の呼吸停止の「無呼吸」が20回以上になる中等症~重症だと、7~8年後には20~30%の人が死亡すると言われています。死亡原因のほとんどは、心筋梗塞や脳梗塞です。詳しく調べると、心筋梗塞を発症した人の30%、糖尿病に罹患している人の30%に睡眠時無呼吸がみつかり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)がこれらの生活習慣病を悪化させたり、原因の一つになったりしていると考えられています。