【ホルモンに影響?】肥満体型と睡眠時無呼吸症候群の関連性について
目次
「最近いびきをかくようになった…」
「しっかり寝ているはずなのに、疲れが取れない…」
このように、いびきの悩みを持っている人は多いのではないでしょうか?もしかしたらそのいびきの原因は、肥満かもしれません。一見、両者には何の関係もないように思われますが、実は肥満といびきには密接な関係があります。そして、この両者はいずれ睡眠時無呼吸症候群という恐ろしい病気の発症につながってしまうため、大変危険です。 そこで今回は、睡眠時無呼吸症候群と肥満の関係性について詳しく解説していきます。また、肥満によるいびきを解消する方法や、治療法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
肥満の基本情報
まず、肥満という症状について詳しく解説していきます。
肥満って何?
肥満とは、正常よりも体重が重くなっている状態のことです。しかし、ただ体重が重いことを肥満というのではなく、体脂肪が過剰に蓄積したことによる体重増加を肥満と呼びます。
では、どれくらい体重が増えていると肥満と呼ぶのでしょうか?肥満の判断基準は、一般的にBMI(体格指数)を用います。このBMIは、体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)によって求められ、BMIが25以上だと肥満と判定されます。その他の詳しい判定基準は、以下の通りです。
・18.5未満:低体重
・18.5以上 25未満:普通体重
・25以上 30未満:肥満1度
・30以上 35未満:肥満2度
・35以上 40未満:肥満3度
・40以上:肥満4度
肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係性
次に、肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係性についてです。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中にしばしば呼吸が浅くなったり、止まったりする病気です。発症すると、寝ている間に呼吸をしていない状態(無呼吸状態)に何度も陥るため、体は足りない酸素を補おうと中途覚醒を繰り返します。しかし、本人には夜中に起きているという自覚はありません。これにより、本人は無自覚のまま睡眠が障害され、慢性的な不眠状態に陥ります。睡眠不足に伴って現れる症状は、以下の通りです。
・常に睡眠中は大きないびきをかく
・夜中に何度も目が覚める
・尿意で何度も起きる
・起床時に強い倦怠感を感じる
・日中、強烈な眠気に襲われる
こちらの記事で、睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックができます。上記の症状に心当たりのある人は、ぜひやってみてください。
参考:
I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)
どうして肥満になると睡眠時無呼吸症候群になるの?
では、どうして肥満になると睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうのでしょうか?それは、肥満が睡眠時無呼吸症候群の原因である、気道の閉塞を引き起こしてしまうからです。
肥満になると、腹部だけでなく首の周りや舌、喉にも脂肪がつきます。すると、寝ている間に気道を圧迫し、気道の閉塞につながります。これが、肥満が睡眠時無呼吸症候群を発症させるメカニズムです。
また、日本人特有のあごの骨格も、肥満と睡眠時無呼吸症候群を強く結びつける原因です。日本人のあごの骨格は欧米人よりも小さく、加えて首も太くて短いため、少々の肥満でも首周りに脂肪がつきやすい特徴があります。これにより、日本人は肥満になるとほぼ間違いなくいびきをかき、睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうのです。
参考:
その「いびき」肥満が原因かも?改善する方法は?【お医者さんがわかりやすく解説】
睡眠時無呼吸症候群が肥満を加速させることも
また、睡眠時無呼吸症候群が肥満を加速させてしまうこともあります。これは、睡眠不足によって食欲に関わるホルモンが影響を受けてしまうためです。
私たちの食欲には、次の2つのホルモンの働きが強く関わっています。
・レプチン:食欲抑制
・グレリン:食欲増進
この2つがうまくバランスを取ることにより、私たちは適切なタイミングで食欲を感じ、適度な食事量で満腹を感じることができます。
しかし、慢性的な睡眠不足は、この2つのホルモンバランスを崩し、食欲のコントロールを難しくさせてしまいます。
・レプチン減少→満腹を感じにくくなる
・グレリン増加→食欲が増す
夜遅くまで起きていると、無性に何か食べたくなってつい食べ過ぎてしまった経験はありませんか?このように、短時間睡眠を重ねると、食欲をうまくコントロールすることができなくなり、どんどん太りやすくなってしまうのです。
参考:
睡眠不足で太りやすくなる?その理由と改善方法とは
睡眠不足はダイエットの敵! 太らないための眠り方
睡眠時無呼吸症候群を放っておくとどうなるの?
そして、睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放っておくと、さらに恐ろしい病気の発症を招くことがあります。
突然死の原因になるかも…
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も無呼吸状態を繰り返してしまう病気です。寝ている最中に酸素が足りなくなるため、脳は「緊急事態だ!」と判断し、体の血流を増やそうと心拍数を上げます。これにより引き起こされるのが、高血圧です。この高血圧は動脈硬化を発症させ、場合によって突然死につながりかねない疾患の発症リスクを高めます。
・糖尿病
・心筋梗塞
・脳卒中
・うつ病
・居眠り運転・労働災害
また、肥満自体もこれらの疾患の発症率を高め、進行を早める一因になります。つまり、肥満になると睡眠時無呼吸症候群になり、睡眠時無呼吸症候群になるとさらに肥満が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。
以下の記事でも、睡眠時無呼吸症候群のより詳しい症状や、合併症の危険性について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
参考:
いびきについて – 日本睡眠歯科学会
I-05 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)
肥満による睡眠時無呼吸症候群を解消するには
では、肥満による睡眠時無呼吸症候群を解消するには、どうすれば良いのでしょうか?最初に取り組まなければいけないのは、減量をすることです。
減量する
ダイエットの基本は食事と運動です。日々栄養バランスの取れた食事と、適度な運動を心がけましょう。しかし、具体的にどのような食事や運動をすればいいのか、よくわからない人もいると思います。そこで、主に気をつけるべきポイントをわかりやすくご説明します。
まず、食事は次のポイントに気を付けて食生活の改善を行いましょう。
・炭水化物、肉・魚、野菜をバランスよく食べる
・1日3食しっかり食べる(朝食抜きや早食いはしない)
・よく噛んで食べる
・夕食は、就寝予定時刻の3時間前には済ませる
・小腹が空いたら軽いものを少しだけ食べる
そして、運動はウォーキングや水泳、ジョギング等の有酸素運動を毎日行うようにしてください。運動にそんなに時間が取れないという人は、自宅でヨガやストレッチをするのもおすすめです。
参考:
いびきと肥満の関係がわかります|阪野クリニック
その「いびき」肥満が原因かも?改善する方法は?【お医者さんがわかりやすく解説】
CPAP(シーパップ)治療
減量がある程度進むと、次は治療の段階に入ります。現在、睡眠時無呼吸症候群の治療法の中で、最も効果が高いとされているのが、CPAP(シーパップ)治療です。CPAP治療は、鼻に装着したマスクから持続的に空気を送り込むことによって、無呼吸の原因である気道の閉塞を治療します。
このCPAP(シーパップ)治療を行うことで、睡眠中の無呼吸やいびきが徐々に改善し、ぐっすりと眠れるようになります。また、夜中に何度も目覚めることが減るので、肥満解消を促進させる効果も期待できます。
しかし、CPAP(シーパップ)治療には次のようなデメリットがあります。
・マスクを装着しながら寝ることになかなか慣れることができない
・寝ている間は常に空気が送り込まれ続けるので、苦しくて熟睡できない
・マスクが大きくて目立つため恥ずかしさを感じる
・CPAP(シーパップ)の治療装置は大きく、電源設備がないと動かないため、自宅でしか使えない
・装置のメンテナンスやクリーニングが面倒
このようなデメリットが影響し、CPAP(シーパップ)治療を途中で断念してしまう人も多くいます。
そして、最も重要なデメリットは、CPAP(シーパップ)治療はあくまでも対症療法で、根本治療にはならないことです。CPAP装置を使用している間は、確かにいびき・無呼吸の発症は抑えられます。しかし、装置を使わなくなると途端に無呼吸症状が再発し、また一から治療がやり直しになってしまいます。よって、CPAP装置なしには熟睡できなくなり、終わりの見えないCPAP生活に限界を感じる患者も実は少なくないのです。
参考:
治療について|検査と治療|睡眠時無呼吸症候群なおそう.com
CPAP療法|睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群の根本治療を目指せる治療法
では、睡眠時無呼吸症候群を完全に治療する方法はないのでしょうか?そんな、睡眠時無呼吸症候群を根本から治療したい人におすすめしたい治療法があります。当院で行っているパルスサーミア治療です。
いびきレーザー治療「パルスサーミア」
パルスサーミアとは、口蓋垂や軟口蓋にレーザーを照射し、粘膜の膨らみを取り除くことで、気道を広げていびきを改善する最新のレーザー治療です。当院で行っているオリジナルのいびきレーザー治療法で、これまで多くの方にいびきの改善効果を実感していただいています。
だいたい3〜6回目の照射からいびきが減少し、眠りが深くなってスッキリと目覚めることができるようになります。また、この効果は初回の照射からでも感じることができ、2回目、3回目と照射を重ねることで、よりはっきりと変化を実感していただくことが可能です。
そして、統計上では初回のいびき治療で50%以上の方が効果を実感し、2回目の治療後の統計では80%以上の方が改善を実感されています。個人差はありますが、約1年〜3年ほど効果が持続し、さらに数か月に1回メンテナンスを行うことで、その効果を維持・向上させていくことができます。
従来のいびき治療法とはここが違う!
パルスサーミアは、睡眠時無呼吸症候群の治療の中でも外科手術に該当します。かつての睡眠時無呼吸症候群の外科手術といえば、ひどい出血や痛み、術後の長いダウンタイムなど患者にとって負担が大きく、ストレスの大きいものでした。
しかし、このパルスサーミアは特殊なレーザーを使用しており、粘膜を傷つけずに引き締めることができます。そのため、出血はなく、痛みもほとんどありません。また、術後は食べ物が飲み込みづらいなどのダウンタイムがありましたが、それも数日で済むようになったため、スムーズに日常生活に戻ることができるようになりました。
そして、これまでの外科手術は施術に多くの時間を要し、またダウンタイムも長かったため、手術期間は何日間も仕事を休む必要がありました。しかし、このパルスサーミアの施術にかかる時間はわずか15分程度なので、日帰り手術が可能です。
当院での治療をお考えの方へ
このように、パルスサーミアはこれまでのデメリットをすべてクリアしているにもかかわらず、従来のいびき治療法よりもはるかに優れた治療効果を発揮します。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩むすべての方に、自信を持っておすすめできる治療法です。
そして、当院で治療を受けてみたいと思った方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。「どんな治療をするんだろう…」、「レーザーを当てるのちょっと怖い…」など、不安に思われる方もご安心ください。当院は、お客様にご納得いただいた上で治療に臨んでもらうため、初回のカウンセリングと診察を無料で行っています。ですので、治療前にスケジュールや費用、そしてお客様が不安に思われることについて、専門スタッフがしっかりとお答えいたします。
また、初回カウンセリングは、WEBとLINEの2種類の予約フォームからご予約いただけます。混雑緩和のためにも、ぜひそちらをご活用ください。
まとめ
今回は、肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係性について解説しました。もともといびきをかきやすい体質である日本人にとって、肥満と睡眠時無呼吸症候群にはとても強い関係があります。しかも、両者は肥満になると睡眠時無呼吸症候群を発症し、睡眠時無呼吸症候群になると肥満がさらに悪化するという、負のスパイラルの関係です。
そして、治療せずに放置することは、さまざまな合併症を引き起こし、時には命にかかわります。なるべく早く専門医を受診し、治療を受けるようにしましょう。
【よくある質問】
Q.どうして肥満になると睡眠時無呼吸症候群になるの?
A.肥満になると、腹部だけでなく首や舌、喉にも脂肪がつき、睡眠中に気道を圧迫します。これにより、気道を狭め、いびきや睡眠時無呼吸症候群につながってしまうのです。
Q.肥満による睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなるの?
A.睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧の発症につながります。そしてこの高血圧は動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの突然死の原因になる合併症の発症リスクを高めるため、睡眠時無呼吸症候群の放置は大変危険です。