【焦らずに冷静に!】睡眠時無呼吸症候群と発作の関係性について
目次
睡眠時無呼吸症候群は大人だけではなく、新生児や未熟児も発作を起こしやすい睡眠トラブルです。では発作が起こったときには、どのように対処すべきでしょうか。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群を発症した人によって異なる「発作の対処法」について詳しく解説しています。
また、発作が起きる原因や症状例も解説しているので、今後の参考にしてみてください。
睡眠時無呼吸症候群の無呼吸発作が起きたときの対処法
睡眠時無呼吸症候群が原因で、呼吸が止まってしまう「無呼吸発作」を起こしやすい人もいるでしょう。
無呼吸発作を起こしてしまうと、長い時間呼吸が止まってしまうため、意識を失いやすいだけではなく、血圧に大きな変化をもたらします。
また、この症状は大人だけではなく、新生児や未熟児が発症するケースもあるのをご存じでしょうか。
まずは、新生児・未熟児と大人によって異なる無呼吸発作の対処法をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群の原因を知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
症状を判断・予防する方法を学べます。
新生児・未熟児が無呼吸発作を起こした場合
新生児の無呼吸発作は、身体への負担が大きいため、即座に対応する必要があります。
ただし、小さい身体に対して無理に対処することは避けるべきですので、次に示す対処法を行ってみましょう。
・病院へ連絡する
・無呼吸発作が起こりにくい横向きの姿勢に変えてあげる
・足の裏を手で温めてあげる
・室温を適温に調整する
・新生児・未熟児用のCPAPを利用する(医師の判断のもと専用機器がある場合)
とにかく子どもの身体は繊細です。
特に、37週未満の新生児・未熟児の身体は慎重に扱う必要があります。
日中よく眠っている子どもの様子を伺うのはかなり大変ですが、中には生死に関わるトラブルを引き起こす場合もあると覚えておきましょう。
目安として、20秒以上呼吸が止まっているなら、無呼吸発作が起きていると判断できます。 もし対策が分からなくなったときには、クリニックに連絡して相談するのがおすすめです。
大人が無呼吸発作を起こした場合
大人の無呼吸発作は、睡眠時無呼吸症候群の悪化が原因で発生します。
また、睡眠時無呼吸症候群は、日常生活が原因となり発生するため、本人およびパートナーで対策を考えていきましょう。
【本人がやるべきこと】
・肥満気味ならダイエットを心がける
・就寝前にお酒を飲まない
・ストレスを抱えないようにリラックスする
【パートナーにやってほしいこと】
・横向きの姿勢に変えてあげる
・起こしてあげる
・意識がもうろうとしているならクリニックに連絡する
大人の無呼吸発作は、いびきをかいていて突然呼吸が止まってしまうため、比較的判断しやすいのが特徴です。 ただし、本人では気が付けない場合も多いので、様子を見つつクリニックで治療を受けることをおすすめします。
無呼吸発作の種類
大人も子どもも関係なく起きる睡眠トラブルですが、その発作にはいくつか種類があるのをご存じでしょうか?
無呼吸発作の種類について、新生児・未熟児と大人に分けてご紹介します。
睡眠中のトラブルということもあり、見た目だけで判断する必要があるため、ぜひ覚えておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群のことを知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
原因や治療方法について学べます。
新生児・未熟児が無呼吸発作を起こした場合
まず、新生児・未熟児が無呼吸発作を起こすと、次のような様子を見せます。
・寝息が聞こえなくなる
・ピタッと動かなくなる
・ピクピクと痙攣している
・顔が青ざめている
・唇が紫色になっている
子どもの小さな身体なので、ときには見落としてしまう可能性がある項目です。
もし自分の子どもが睡眠中に呼吸を止めがちなら、自分の視界に入る場所に寝かせることをおすすめします。 また、クリニックに相談して新生児・未熟児が無呼吸発作を起こしていると診断された際には、医師の判断にあわせて対策を検討してください。
大人が無呼吸発作を起こした場合
続いて、大人が無呼吸発作を起こすと、次のような様子を見せます。
・急にいびきが止まる
・苦しそうな表情に変わる
・ピクピクと小さく痙攣する
・顔が青ざめる
・唇が紫色になる
大人の場合は身体が大きいため、比較的症状が出ていると分かりやすいのが特徴です。
また、新生児・未熟児と違うのが、いびきをかいているというポイントでしょう。
舌が気道に落ち込んでしまい発生する「睡眠時無呼吸症候群」を原因として発作を起こすことが多いので、ガーガーといびきをかきます。 しかし、ときには完全に気道が塞がり、無呼吸発作に変化してしまうのです。
無呼吸発作が起きる原因を覚えよう
そもそも無呼吸発作は、何を原因として起こる睡眠トラブルなのでしょうか。
じつは、無呼吸発作を起こす人は、発作を起こさない人と異なる特徴が複数あるのです。
ここでは、無呼吸発作が起きる原因を新生児・未熟児と大人に分けて詳しく解説していきます。
自身および自分の子どもが条件に当てはまらないか、確認してみてくださいね。
新生児・未熟児の場合
新生児・未熟児の場合は、生まれた状態や睡眠中の姿勢などが原因となり、無呼吸発作を発症します。
特に意識しておくべきポイントを3つ整理しました。 今後の予防や対策の参考にしてみてください。
脳が未成熟
生まれたばかりの子どもは、まだ脳が未成熟の状態です。
呼吸器系は脳に制御されているため、脳細胞が未成熟の状態だと無呼吸発作を起こす可能性があります。
ただし、脳は年を重ねるにつれて少しずつ成長し、37週を越えると無呼吸発作を起こす可能性も減っていくのが特徴です。 生まれたばかりの子どもは、誰もが無呼吸発作を起こす可能性をもっているので、発作を起こしていなくても睡眠中の様子を定期的に確認することをおすすめします。
気道が閉塞
赤ちゃんの中には、自分で寝返りを打てない子もいます。
寝返りを打てないと、床ずれや頭の変形など複数の心配があるため、ご両親で定期的に姿勢を変えてあげることが大切です。
また、上記のトラブル以外にも、寝返りを打てずにいると気道が閉塞する可能性があると覚えておきましょう。
中には、無理な姿勢で眠っている赤ちゃんも多く、首がねじれて気道が狭まっている可能性があります。
新生児・未熟児の場合、無理な姿勢をとるだけで気道が塞がってしまう子どもも多いので、睡眠中の姿勢を確認しましょう。 特に、首が曲がっていたり姿勢が反っていたりする場合には、まっすぐな姿勢で眠らせるように意識してください。
早産
もし、自分の子どもが予定日よりも早く生まれた「早産」の子どもなら、新生児・未熟児のときに無呼吸発作を起こす可能性があると覚えておきましょう。
早生した子どもは、身体が十分に成長できていない可能性があります。
もちろん年を重ねていけば、他の子どもと同じように成長していきますが、生まれたばかりの頃は身体が弱いので無呼吸発作に注意してください。 早産の子どもは正期産の子どもと比べて、無呼吸発作を起こしやすいため、事前に医師に呼吸器系の診察を行ってもらうことをおすすめします。
大人の場合
大人の場合は、日常生活や体形が原因で無呼吸発作を起こしやすいのが特徴です。
また、無呼吸発作を起こす前段階として、睡眠時無呼吸症候群を発症している人が大勢いることも覚えておきましょう。 いびきをかいている人などは無呼吸発作予備軍ですので、その原因を詳しくご紹介します。
太りすぎ
中には、平均体重や平均BMIをオーバーして、次のような体形になっている人もいるでしょう。
・首周りのお肉が付いている
・太って滑舌が悪くなった
特に太りすぎの人は、寝返りを打つ回数が極端に少なかったり、運動不足で筋力が落ちたりしている関係で、舌が気道側に落ち込みやすい身体になっています。
その結果、いびきをかきやすく気道が塞がりやすい環境となっているため、睡眠時無呼吸症候群および無呼吸発作を発症してしまうのです。 太りすぎは内臓系に影響がある他、呼吸器系にも大きな影響を及ぼすので、平均体重・平均BMIを目指して運動を心がけましょう。
睡眠前の飲酒
お酒を飲むのが好きで、毎日のように飲酒している人も多いでしょう。
中には、寝る前までお酒を飲んでいる人や、お酒を飲まないと眠れないという人もいるかもしれません。
ですが、お酒には筋肉を緩ませる効果があるため、睡眠前の飲酒は今すぐ辞めることをおすすめします。
その理由は、筋肉の緩みによって気道が塞がりやすくなるからです。
睡眠中に気道が塞がり、睡眠時無呼吸症候群を発症します。
また、そこから無呼吸発作へと発展しますが、酔って意識がないため、そのまま重大トラブルにつながる可能性もあるでしょう。 酔いによって正しい判断ができなくなることも含め、飲酒をするなら就寝前3~5時間前までにしておくことをおすすめします。
睡眠時の姿勢
人間は、睡眠中にベッドと接している部位の血流が悪くなるため、自然と寝返りを打つのが特徴です。
しかし、ベッドが自分にあっていない場合や、寝返りを打ちにくい環境にいると、身動きが取れず舌が気道を塞ぎやすくなってしまいます。
特に仰向けの姿勢のまま眠っている人は、寝返りを打てない環境だと、睡眠時無呼吸症候群や無呼吸発作を発症する可能性があります。 自身の体型に比べてベッドが小さかったり、低反発が強く寝返りが打てないベッドを選んだりしている人は、一度睡眠の姿勢について検討してみてください。
無呼吸発作の症状を覚えよう
無呼吸発作のことを正しく把握したいなら、無呼吸発作時の症状を覚えておくこといいでしょう。
ここでは、2つの症状について紹介します。
「もしかして無呼吸発作を起こしているんじゃ…?」と感じたときには、確認してみてください。
20秒以上呼吸をしない
無呼吸発作を起こすと、20秒以上呼吸が止まることが多々あります。
中には1分近く呼吸が止まる人もいて、脳に行き届く血中酸素量が減り、貧血を起こしてしまう人もいることを覚えておきましょう。
もし、パートナーや子どもが無呼吸発作を起こしているのか不安なら、呼吸の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
胸の動きが止まったり、寝息が聞こえなくなったりしたら、そこから秒数を数えましょう。 もし20秒以上呼吸が止まっているなら、無呼吸発作を起こしているため、すぐにクリニックに相談することをおすすめします。
心拍数が遅くなる
呼吸が止まってしまう無呼吸発作ですが、中には見た目だけじゃ分からない場合もあります。
そこで、正しく症状を判断したいなら、心拍数の確認を行ってみてはいかがでしょうか。
心拍数の測定機器はインターネットで簡単に手に入るのはもちろん、クリニックからレンタルすることも可能です。
また、胸に耳を当てれば鼓動音が聞こえるので、普段より遅くなっていないか確認するのもいいでしょう。 無呼吸発作時は、正しく酸素を取り込めないことにより心拍数が遅くなるため、判断基準のひとつとして確認してみてください。
無呼吸発作だと気づいたらすぐに病院へ
結論として、無呼吸発作の疑いがあるなら、すぐ病院に相談しましょう。
無呼吸発作は、個人で対処できる問題ではありません。
特に、新生児・未熟児の場合には医師と医療の力が必要です。
最後に、無呼吸発作に対して病院が行ってくれる検査と治療方法についてご紹介します。
無呼吸発作の早期解決の参考にしてみてください。
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病院で対応してくれる検査
無呼吸発作に対して、病院では次のような検査を行ってくれます。
・終夜睡眠ポリグラフ検査
・血液検査
・超音波検査
・胸部レントゲン検査
このうち、終夜睡眠ポリグラフ検査がスタンダードな検査です。
終夜睡眠ポリグラフ検査は、1泊の入院を必要とし、検査機やカメラを用いて睡眠の状態をチェックします。 検査結果をベースとして、無呼吸発作の可能性を詳しく調べてもらえるのが特徴です。
無呼吸発作時の治療方法
無呼吸発作に対して行う治療は、次のとおりです。
・刺激治療
・呼吸刺激物の薬品投与
・CPAP療法
・基礎疾患治療
新生児・未熟児の場合は、簡単な治療である「刺激治療」や「呼吸刺激物の薬品投与」が行われます。
それでも無呼吸発作が改善しない場合は、CPAP療法と呼ばれる酸素吸入マスクによる治療が行われるのが一般的です。
また、大人の場合はCPAP療法もしくは基礎疾患治療が行われます。 CPAP療法は機器をレンタルして自宅で治療できるため、通院する手間なく無呼吸発作を改善できるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の発作は大人だけの睡眠トラブルじゃない
睡眠時無呼吸症候群および無呼吸発作は、大人だけが発症する睡眠トラブルだと思われています。
ですがじつは、新生児・未熟児も発症しやすい呼吸器系の病気なのです。
大人の場合は自身でクリニックに相談することができますが、新生児・未熟児の場合はご両親の確認が欠かせません。 普段、子どもの寝姿をあまり意識していない人がいるなら、この機会に無呼吸発作を発症していないか確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ
新生児・未熟児および大人が発症する無呼吸発作は、それぞれ特徴や原因が異なります。
また、対処法なども異なってくるので、本記事の情報を参考にしてみてください。
特に、無呼吸発作は本人では気が付けないトラブルなので、パートナー・ご両親で確認していただく必要があります。
もし少しでも無呼吸発作が懸念されるなら、まずは一度病院を訪問して医師に相談してみてはいかがでしょうか。
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【参考URL】
・無呼吸発作(むこきゅうほっさ)・一過性多呼吸(いっかせいたこきゅう)
・(2022.11.24)、新生児の無呼吸発作とは【医師監修】
・無呼吸発作
【よくある質問】
Q.睡眠時無呼吸症候群の発作が起こったらどのように対処すべき?
A. 睡眠時無呼吸症候群の発作の対処法は「睡眠時無呼吸症候群の無呼吸発作が起きた時の対処法」でご紹介しています。
簡単に説明すると、新生児・未熟児および大人で対処法が異なるのが特徴です。
【新生児・未熟児の場合】
・病院へ連絡する
・無呼吸発作が起こりにくい横向きの姿勢に変えてあげる
・足の裏を手で温めてあげる
【大人の場合】
本人がやるべきこと
・肥満気味ならダイエットを心がける
・就寝前にお酒を飲まない
パートナーにやってほしいこと
・横向きの姿勢に変えてあげる
・起こしてあげる
Q.無呼吸発作が起こる原因は何?
A. 無呼吸発作が起きる原因は「無呼吸発作が起きる原因を覚えよう」でご紹介しています。
新生児・未熟児および大人で原因が異なるので、以下に整理しました。
【新生児・未熟児の場合】
・脳が未成熟
・気道の閉塞
・早産
【大人の場合】
・太りすぎ
・睡眠前の飲酒
・睡眠時の姿勢