睡眠中の息苦しさや過呼吸は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かも?

睡眠時無呼吸症候群の原因
2024.12.08
睡眠中の息苦しさや過呼吸は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かも?

「寝ている時に息苦しくなって眼が覚める原因が、睡眠時無呼吸症候群って本当?」
「過呼吸が起こるのも睡眠時無呼吸症候群?」
「睡眠時無呼吸症候群の治療法って?」
とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

睡眠中に息苦しさや過呼吸が起こるのは、睡眠時無呼吸症候群が原因の可能性があります。
そして、睡眠時無呼吸症候群が息苦しさの原因だった場合、その治療方法は睡眠時無呼吸症候群のタイプと重症度で決まります。

この記事では、睡眠中の息苦しさや過呼吸が起こる原因、睡眠時無呼吸症候群の治療法について、解説します。この記事を読めば、睡眠中の息苦しさや過呼吸が起こる原因、睡眠時無呼吸症候群の治療法について理解でき、悩みが1つ減るでしょう。

睡眠中の息苦しさや過呼吸が起こる原因

 睡眠中の息苦しさや過呼吸が起こる原因

睡眠中に息苦しさや過呼吸が起こる原因は、主に病気です。しかし、息苦しさと過呼吸では、原因になる病気が違います。ここでは、以下の2つに分けて解説します。

 

  • 睡眠中の息苦しさの原因
  • 睡眠中の過呼吸の原因

睡眠中の息苦しさの原因

睡眠中の息苦しさの主な原因としてあげられるのは、以下の5つです。

 

  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
  • 気管支喘息
  • 心不全
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • ストレス

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸停止と覚醒を繰り返す病気です。呼吸が止まってしまうために、息苦しくなります。呼吸が止まるのは喉の空気の通り道が閉じてしまうことが理由ですが、その原因としてあげられるのは、首周りの脂肪がたまることや扁桃肥大、舌根沈下、舌が大きいことなどです。喉の周辺の筋肉が睡眠時に緩み、空気の通り道が閉塞してしまいます。睡眠の質が下がるので、体にいろいろな障害が起きてきます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の詳細は下記記事をご覧ください。

気管支喘息

気管支喘息とは、気道に炎症が続き、さまざまな刺激があると発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。気道が狭いので空気が通りづらく、十分に呼吸ができないので、息苦しく感じます。気管支喘息の症状は、副交感神経が活発な夜間や早朝に出やすくなります。副交感神経の他に気管支狭窄に関与している要因にあげられるのは、胃液の逆流、気温の低下などです。

心不全

心不全とは、心臓が体に必要な血液量を十分に送り出せない状態です。「寝る」という体位の変化と、副交感神経が活発になり心臓の働きを低下させることが、心不全の人の睡眠中の息苦しさの原因です。心臓のポンプ機能が低下すると、肺から流れ込む血液を十分に受け取れないので、肺の中に血液が停滞して、気道がむくみ、内腔が狭くなってしまいます。立位や座位より肺の位置が低い寝た状態では、血液はさらに停滞しむくみ、また同時に起こるのが気管支の狭窄です。このような場合も、起きて座位になれば、肺のむくみがとれるので、症状が軽くなりやすい傾向があります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患は、慢性の炎症が起こり、細い気管支やその先の肺胞(はいほう)が破壊されて、慢性のせきやたん、息切れをきたす疾患です。夜間に呼吸が苦しくなるのは、副交感神経が亢進することの他に、たんが気管支内に貯留することが理由です。慢性閉塞性肺疾患の最大のリスクは喫煙ですが、その他には、「職業性の有害物質の吸入」「大気汚染」、遺伝的な素因、小児喘息も関係しています。
 

参考:
Q12. 夜間や早朝に呼吸が苦しくなります。 – 呼吸器Q&A|一般社団法人日本呼吸器学会
COPDの原因、なりやすい人|COPD(慢性閉塞性肺疾患)|生活習慣病ガイド|健康サポート情報|オムロン ヘルスケア

ストレス

精神ストレスも息苦しさの原因になる可能性があります。ストレスがあると、自律神経が変化し、交感神経が亢進するので、脈拍数と血圧が上昇します。呼吸が頻回になるために、夜の時間に息が苦しいと感じるのです。環境の変化にうまく順応できない「適応障害」や不安障害の一種の「パニック障害」でも呼吸困難を感じる場合があります。
 

参考:
パニック症 / パニック障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

睡眠中の過呼吸の原因

睡眠中の過呼吸の原因

睡眠中の過呼吸の原因は、中枢性睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

中枢性睡眠時無呼吸症候群とは

中枢性睡眠時無呼吸症候群とは、脳に異常があって、呼吸中枢が働かないために無呼吸状態が起きる疾患です。呼吸中枢は、心臓から血液で運ばれる二酸化炭素などの量に反応して、呼吸の指令を出しますが、心臓に異常があると、脳に血液を十分に送れずに呼吸中枢が適切に反応できなくなってしまう場合があります。

下記記事にも詳しい情報が掲載されているので、ご覧ください。

中枢性睡眠時無呼吸症候群に特徴的な呼吸が、チェーンストークス呼吸です。チェーンストークス呼吸とは、小さな呼吸から始まり、だんだん大きくなり(過呼吸)、そして再び小さくなり、最後は無呼吸状態になるという一連の呼吸の状態です。呼吸調節中枢の性質で、低酸素症になると過呼吸、その結果,低呼吸や無呼吸へとつながることが原因と考えられています。

下記記事にも詳しい情報が掲載されています。ぜひ、ご覧ください。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療法は、重症度に合わせて選択されます。また、閉塞性と中枢性では原因が違うので、治療法も違います。

ここで紹介する睡眠時無呼吸症候群の治療法は、以下の3つです。

 

  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療
  • 中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療
  • その他の補助的な治療

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症の中でも特に多いのが、閉塞性睡眠時無呼吸症です。国内の推定患者数は900万人以上といわれていますが、実際に治療を受けているのは50万人以下とされています。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療法は何らかの方法で、睡眠時の気道を確保することです。気道を確保する方法には以下のような治療法が挙げられます。

 

  • CPAP(シーパップ)
  • 耳鼻咽喉科的手術
  • パルスサーミア

参考:
Estimation of the global prevalence and burden of obstructive sleep apnoea: a literature-based analysis
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|CQ16

CPAP(シーパップ)

CPAP(シーパップ)は持続陽圧呼吸療法のことで、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道へ送り込み、気道を広げて睡眠時の無呼吸を防止する治療法です。CPAPは15~20cm位の大きさのCPAP機器本体と空気を送るチューブ、鼻に当てるマスクからできていて、睡眠中はこれを装着します。圧力の大きさは、常に一定の圧力を保つ場合と、無呼吸時に自動的に圧力が増す場合の2パターンがありますが、医師が病状に合ったものを選びます。

中等症以上の閉塞型睡眠時無呼吸症候群で、現在の標準的治療法はCPAPです。CPAP治療をした場合としなかった場合で、CPAP治療をした方が明らかに長く生きられたなどという多くの報告もあります。

耳鼻咽喉科的手術

CPAPなどが使用不可能な症例で、解剖学的異常(口蓋扁桃肥大など)の手術適応の病態である場合には、耳鼻咽喉科的手術をします。現在,日本で一般的に行われている耳鼻咽喉科的手術は、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術や鼻手術(鼻中隔矯正術,下鼻甲介切除術,粘膜下下鼻甲介骨切除術など)です。空気の流れがスムーズになるので、耳鼻咽喉科医が手術適応と判断した場合は、積極的に推し進めていくべき治療と考えられています。
 

参考:
成人の睡眠時無呼吸症候群と手術適応|藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院耳鼻咽喉科
中田 誠一 (J-stage)

パルスサーミア

パルスサーミアとは、いびきメディカルクリニックオリジナルの「患部にレーザー照射して引き締め、気道を広くする」レーザー治療法です。空気の通り道に不必要なものがなくなるので、呼吸しやすくなり、閉塞性無呼吸症候群を改善することができます。

<いびきメディカルクリニックのパルスサーミアについてはこちら>

中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療

中枢性睡眠時無呼吸症候群の原因はよく分かっていません。基礎疾患がある場合は、治療して改善する場合もあります。治療の方法を決めるのは、基礎疾患や合併疾患などの状態です。

心不全が原因の場合には、まず、薬物治療と生活改善をして、改善しない場合はCPAPなどを行います。脳卒中や腎不全が原因の場合は、病気自体の治療や生活改善、持続陽圧呼吸療法などを行います。
 

参考:
これで解消!あなたの睡眠不足「中枢性睡眠時無呼吸」 – きょうの健康 – NHK

その他の補助的な治療

減量、禁酒や禁煙指導

肥満患者には標準的な治療法をしたうえで、減量、禁酒や禁煙指導も行う場合があります。減量に期待できる可能性は、QOLの向上と心血管疾患危険因子の改善です。飲酒には閉塞型睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性があり、また1日20本の喫煙と軽~中等症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群は同等と考えられるので、禁煙すべきと言われています。

体位療法

睡眠中の体位が側臥位から仰臥位になった場合に、無呼吸と低呼吸の合計回数のAHIが高くなる閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、体位依存性閉塞型睡眠時無呼吸症候群と呼ばれています。体位依存性閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者の特性は、重症度が低く、若年、かつBMI低い場合が多いことです。体位療法は標準的なデバイスがないこともあり、補助的な治療法にとどまっています。
 

参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|CQ16

睡眠中に息苦しさや過呼吸が起きた場合、いびきメディカルクリニックへご相談ください

睡眠中に息苦しさや過呼吸が起きた場合、いびきメディカルクリニックへご相談ください

この記事では、睡眠中の息苦しさや過呼吸が起こる原因、睡眠時無呼吸症候群の治療法について、解説してきました。睡眠中に息苦しさや過呼吸が起こるのは、睡眠時無呼吸症候群が原因の可能性があります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療法はCPAP(シーパップ)ですが、いびきメディカルクリニックオリジナルのパルスサーミアという方法もあります。

いびきメディカルクリニックは、いびきや無呼吸症状の治療専門医院です。これまでに、パルスサーミアを使って、たくさんのいびきや無呼吸症状で悩む方に寄り添ってきました。パルスサーミアを受けてみたい方や自分には合う方法なのかどうか悩んでいる方は、無料でカウンセリングもしているので、どうぞお気軽にご相談ください。

<いびきメディカルクリニックの治療一覧はこちら>

FAQ

よくある質問

睡眠中に息苦しくなるのはなぜですか?

過呼吸は最悪の場合どうなる?

過呼吸の症状は、10分~30分と短時間で治まります。そのため、過呼吸自体が命を脅かすとは考えられていません。過呼吸が起きた場合は、誤った処置をしないよう注意しましょう。かつて、ペーパーバッグ法という、袋状になったものを口に当て、呼吸を制限する方法が推奨されたこともありますが、この方法で対処して、窒息死したという症例があります。

過呼吸を起こした時は、1回吸ったら、2回吐くように、ゆっくりと息を吐くようにしてください。症状が楽になるので、そばにいる人はできるだけ話しかけましょう。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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