CPAP(シーパップ)の疑問を専門医が解決!治療期間や費用など初心者にもわかりやすく解説
目次
CPAP(シーパップ)療法に興味があるけれど、いったいどのような治療なのか、どれくらい治療を受ければよいのかといった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、CPAP(シーパップ)療法の疑問解決に役立つ情報を、専門医が詳しく解説します。治療手順や費用の情報はもちろん、治療中に感じる疑問についても取り上げているので、納得したうえで治療を受ける参考にしてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に利用されるCPAP(シーパップ)療法とは?
CPAP(シーパップ)療法とは、一時的に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な治療法です。CPAP(シーパップ)の機器を鼻に装着し、気道に圧力をかけながら呼吸をサポートします。
空気の圧力をかけることで気道を広げ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している人の症状を緩和できます。
参考:
クリニックで診る睡眠時無呼吸症 ―CPAP(経鼻的持続陽圧加圧装置)治療と管理―|中山 明峰、寺西 正明
CPAP(シーパップ)療法はいびきの治療にも利用できるの?
CPAP(シーパップ)療法は、いびきだけの治療法として利用できませんし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症していなければ、睡眠時にわざわざこのような大掛かりな装置を装着する必要性はないでしょう。
なお、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に付随していびきを改善するという条件なら利用できますが、誰でも好きに利用できる治療法ではないと覚えておきましょう。
参考:
循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン|厚生労働省
CPAP(シーパップ)療法の流れについての疑問
CPAP(シーパップ)療法について
「初めて利用するから使い方の手順がよくわからない」
「どれくらい使うべきなの?」
といった疑問をお持ちの方もいるでしょう。
参考として、よくある疑問とその答えをまとめました。
CPAP(シーパップ)療法を利用する流れは?
CPAP(シーパップ)療法は、以下の手順で治療を進めていきます。
- いびき外来や睡眠外来の無料カウンセリングを予約する
- 問診を受けて医師に検査の必要性を判断してもらう
- 簡易検査(スクリーニング検査)を受けて無呼吸の発生の有無を調べる
- 精密検査(PSG検査)を受けて詳細な呼吸状態を測定する
- AHI値が簡易検査で40以上、精密検査で20 以上となった場合にCPAP(シーパップ)療法が必要だと決定される
- 機器を購入・レンタルして自宅でCPAP(シーパップ)療法を続ける
- 定期的に症状の改善状況を医師に確認してもらう
病院に相談したらすぐに治療を始められるわけではなく、事前に問診や検査を受けたうえでCPAP(シーパップ)療法が必要なのかが判断されます。まずはいびき専門のクリニックを探し、無料カウンセリングを予約してみてください。
より詳しく検査の流れを知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本内科学会雑誌第110巻第5号
CPAP(シーパップ)療法はどういった病院で受けられるの?
CPAP(シーパップ)療法について相談できるのは、以下に示すいびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に対応した病院となります。
- 耳鼻咽喉科
- 呼吸器内科
- いびき外来や睡眠外来
なかでもいびきや睡眠時無呼吸症候群を専門とする病院なら、すばやく検査・治療へ進めます。各病院の特徴や違いを知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
CPAP(シーパップ)療法は何ヶ月くらいで効果を実感できるの?
CPAP(シーパップ)療法は、使用した日から効果を実感できる人もいれば、効果が出るまでに数週間~数か月かかる人もいるなど、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の改善の効果が人によって違います。具体的に〇ヶ月で効果を実感できると断言できないため、医師に相談しながら正しくCPAP(シーパップ)の機器を使用できているか確認を取りながら治療を続けることが重要です。
また、症状が軽くなったからと言って自己判断で中止するのはおすすめしません。まずは病院で症状の程度を確認されたうえで、医師の判断のもと治療の継続の有無を検討してください。
CPAP(シーパップ)療法は一度の治療で改善するの?
CPAP(シーパップ)療法は、あくまで対症療法であることから、途中でやめると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が再発したり、症状が悪化したりする恐れがあります。もし長期的な治療に負担を感じてしまいそうなら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因を取り除ける根本治療を検討することが大切です。
なお、CPAP(シーパップ)の機器は正しい呼吸をサポートするのが主な役割となります。自身の身体が正しい呼吸に慣れるまでに時間がかかるため、継続的な利用が必要になると想定しておきましょう。
CPAP(シーパップ)療法の費用についての疑問
CPAP(シーパップ)療法について費用面の不安や疑問を感じている方も多いでしょう。お金の心配を減らす参考として、CPAP(シーパップ)療法にかかる費用の情報をまとめました。
CPAP(シーパップ)療法にかかる費用はいくら?
CPAP(シーパップ)療法では、検査費用・治療費用がかかります。以下に各種費用を整理しました。
検査・治療の項目 | 料金相場 |
---|---|
問診 | 約3,100円 |
簡易検査 | 3,000~3,600円程度 |
精密検査 | 10,000~30,000円程度 |
CPAP(シーパップ)機器の購入 | 150,000~400,000円程度 |
CPAP(シーパップ)機器のレンタル | 月5,000円程度 |
入院してCPAP(シーパップ)療法を受ける | 日当たり入院費約21,000円 |
上記の金額はあくまで目安です。病院によって価格が違うため、利用する店舗の料金情報を確認しておきましょう。
また、より詳しい料金情報を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
CPAP(シーパップ)療法の機器は勝手に購入してもいいの?
CPAP(シーパップ)の機器は、医師の診断がない状態で無断購入できないことに気を付けましょう。医師の判断のもと購入する場合には、自費購入も可能ですが、費用が150,000~400,000円程度と高額になることに注意してください。
CPAP(シーパップ)療法は保険が適用されるの?
1998年(平成10年)より、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療は健康保険が適用できるようになりました。CPAP(シーパップ)療法も睡眠時無呼吸症候群(SAS)を対象とした治療であるため、保険の適用が可能です。
なお、AHIが簡易検査で40以上、精密検査で20以上で、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されなければ、CPAP(シーパップ)療法を受けたとしても、保険は適用されません。保険が適用されない場合、10割負担となります。
参考:
日本式・睡眠時無呼吸症候群診療サービスの 提供に向けた実証調査|経済産業省
CPAP(シーパップ)療法の効果についての疑問
CPAP(シーパップ)療法の効果に関する疑問をお持ちの方向けに、よくある疑問とその答えをまとめました。気になる項目をチェックしてみてください。
CPAP(シーパップ)療法にはどういった効果があるの?
CPAP(シーパップ)療法を継続すれば、次のような効果を期待できます。
- 睡眠中の無呼吸やいびきが減少する
- 寝起きの頭痛や日中の眠気が改善する
- 心不全や脳卒中、生活習慣病といった合併症のリスクを防止できる
CPAP(シーパップ)療法の治療対象である睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、命にかかわる合併症のリスクがあります。症状が重い人ほど合併症のリスクが高いため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれないと不安な方は、無料カウンセリングを予約してみてください。
CPAP(シーパップ)療法の効果がないと感じるのはなぜ?
CPAP(シーパップ)療法の効果を実感できないのは、次の理由が関係しているかもしれません。
- CPAP(シーパップ)機器の設定圧が正しくない
- マスクから空気が漏れている
- 睡眠中に鼻づまりといった問題が起きている
- ほかの睡眠トラブルを併発している場合がある
CPAP(シーパップ)療法の効果を高めるためには正しい設定と装着方法の理解が欠かせません。まずは担当医に相談し、何か問題が起きていないか確認してみるとよいでしょう。
CPAP(シーパップ)療法が合わないと感じたときはどうしたらいい?
CPAP(シーパップ)療法が自分に合わないと感じた人は、ほかの治療法を試してみることをおすすめします。対症療法としては、ほかにもマウスピース療法などを選択可能です。また、根本治療としていびきレーザー治療といった対策も可能ですので、次なる手段を担当医に相談してみるとよいでしょう。
CPAP(シーパップ)療法を受けても眠気が残るのはなぜ?
CPAP(シーパップ)療法を受けても眠気が残るのは、次の理由が関係しているかもしれません。
- CPAP(シーパップ)機器の設定圧が正しくない
- 使用期間や使用時間が短い
- ほかの睡眠トラブルを併発している場合がある
例えばCPAP(シーパップ)療法の機器は、1日4時間以上装着する必要があると言われていまが、4時間以上というのはあくまで目安です。「CPAP の使用時間(CPAP アドヒアランス)を考える」の研究によると、4時間睡眠の人・8時間睡眠の人が同じ4時間使用した場合には、改善の効果が変化することがわかっています。人によって適正の使用時間が変わることもあるので、担当医に相談するのがよいでしょう。
また、ほかの睡眠トラブルを併発している人の場合にはCPAP(シーパップ)療法だけでは解決できない場合があります。改善しないとお悩みなら、新たな対策を提案してもらうために治療中の悩みを医師に相談してみてはいかがでしょうか。
参考:
CPAPのトラブルシューティング|国立精神・神経医療研究センター
CPAP の使用時間(CPAP アドヒアランス)を考える|藤田 幸男、山内 基雄、室 繁郎
CPAP(シーパップ)療法の自宅治療についての疑問
CPAP(シーパップ)の機器をレンタル・購入し、自宅で治療を進める人の場合、自身で機器を使用しなければなりません。安全にCPAP(シーパップ)の機器を利用する参考として、よくある疑問を整理しました。
CPAP(シーパップ)の機器はどのタイミングで装着すべき?
CPAP(シーパップ)の機器は、寝る直前に装着します。睡眠中の呼吸をサポートする役割があるため、ベッドに入ったタイミングから装着しておくとよいでしょう。
鼻が詰まっているときもCPAP(シーパップ)の機器を装着していいの?
CPAP(シーパップ)の機器は鼻に装着して利用するため、鼻づまりなどを発症している人の場合には使用できないことがほとんどです。事前に鼻づまりといった問題の解消が必要になるため、医師に相談したうえで治療の手順を判断してもらうことをおすすめします。
参考:
CPAPのトラブルシューティング|国立精神・神経医療研究センター
CPAP(シーパップ)の機器は旅行中・出張中も持ち歩くべき?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状がひどい人は、CPAP(シーパップ)の機器は、旅行中・出張中も持ち歩くべきです。
CPAP(シーパップ)の機器は旅行や出張中に持ち歩けるサイズであるため、自宅以外の場所でも使用できます。なお、CPAP(シーパップ)の機器はコンセントに接続して利用する必要があるので、延長コードなどを持ち歩いておくとよいでしょう。
参考:
CPAP療法のよくある質問(Q&A)|フィリップス・レスピロニクス合同会社
CPAP(シーパップ)療法の効果がないならいびきレーザー治療で根本治療
「CPAP(シーパップ)療法の効果を感じられない」
「一度改善したけれどすぐに再発した」
とお悩みの方は、対症療法ではなく、長期的な改善を期待できる根本治療を始めるのがおすすめです。
なかでも全国的に利用できるのが「いびきレーザー治療」であり、のどまわりの肥大した粘膜を切除することで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因である舌根沈下を防止しやすくなります。外科的施術を伴う治療ですが
「短期間でトラブルを解決したい」
「長期的に問題が起こらないようにしたい」
という方は、ひとつの対策として検討してみてはいかがでしょうか。
痛みが苦手な人や忙しい人は、切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」を検討しよう
従来のいびきレーザー治療やナイトレーズは、いびきおよび睡眠時無呼吸症候群(SAS)の改善に効果がある根本治療ですが、次のデメリットがあります。
- 施術中に痛みがある
- ダウンタイムが発生する
もし痛みやダウンタイムの悩みを解決した状態で根本治療を始めたいなら、切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」がおすすめです。パルスサーミアは肥大した粘膜を引き締める効果を持つ治療法であり、痛みやダウンタイムの問題を解消できます。
「長期間休めない」「痛みがある治療は怖い」とお悩みなら、パルスサーミアの利用を検討してみてください。
<いびきメディカルクリニックのオリジナルいびきレーザー治療「パルスサーミア」とは>
CPAP(シーパップ)療法が気になる方は、いびき専門のクリニックに相談しよう
CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状を改善する際に役立つ治療法であり、検査を受けたうえで医師から治療の必要性を判断してもらえます。保険適用にもなる治療法であるため、いびきや呼吸が止まってしまう症状にお悩みなら、ぜひ専門のクリニックに相談してみてください。
<いびきメディカルクリニックの睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療の詳細はこちら>
よくある質問
いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療には、舌根沈下を防止できるマウスピース療法、鼻いびきを改善できる投薬治療、根本治療の効果があるいびきレーザー治療(パルスサーミア)などがあります。