CPAP(シーパップ)療法をやめたいけどどうすればいいのか分からない方へ
目次
CPAP(シーパップ)療法は、寝るときにマスクを装着し、空気を流し込むことでいびきや無呼吸を解消する方法です。
マスク装着による不快感や、乾燥、皮膚トラブルなどの副作用があります。また、CPAP(シーパップ)療法を継続するには定期的な通院が必要であり、時間的にも負担がかかるといえるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因が解消できれば、CPAP(シーパップ)療法をやめることができます。CPAP(シーパップ)療法をやめたいと考えたときは、医師に相談しましょう。
また、CPAP(シーパップ)療法をやめられる根本的な睡眠無呼吸症候群(SAS)の代わりになる治療方法も紹介するため、あわせてご参照ください。
CPAP(シーパップ)療法をやめたい方へ
CPAP(シーパップ)療法とは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対症療法として用いられる治療方法です。条件を満たせば治療をやめることができます。
CPAP(シーパップ)療法は、寝る前に鼻や口にマスクを装着し、空気を流すことで気道の閉塞を防ぎ、いびきや無呼吸を解消するものです。マスクにはホースのような管がついており、空気を送り込む小型の機械につながっています。
CPAP(シーパップ)療法を受けている方のなかには、治療が合わず苦痛に感じることもあります。CPAP(シーパップ)療法は、あくまでいびきや無呼吸の症状を装着時にだけ改善できるを予防する手段であり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を根本的に治すものではありません。
医師によりCPAP(シーパップ)療法を継続しなくても問題ない睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善していると診断された場合は、CPAP(シーパップ)療法をやめることができます。
CPAP(シーパップ)療法をやめたい!やめる基準とは?
CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善していると判断されると、やめられる可能性があります。
ここでは、CPAP(シーパップ)療法をやめる基準を紹介します。
CPAP(シーパップ)療法をやめる基準1:無呼吸指数が20未満になる
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断は、本人の自覚症状や無呼吸指数が大きく関わってきます。無呼吸指数とは、1時間内に無呼吸や浅い呼吸が出現した回数のことです。
無呼吸指数によって重症度が分類されており、20以上の場合はCPAP(シーパップ)療法の適応とされています。
そのため、無呼吸指数が20を下回るとCPAP(シーパップ)療法の対象からはずれ、やめられる可能性があるのです。また、無呼吸指数が減少すると、CPAP(シーパップ)の機械のレンタルが保険適用から除外されます。
参考:
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020|日本内科学会雑誌第110巻第5号
CPAP(シーパップ)療法をやめる基準2:肥満が解消される
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因は、肥満が80%を占めているとされています。肥満によって睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症し、CPAP(シーパップ)療法を受けている場合は、肥満を解消すればCPAP(シーパップ)療法をやめることができます。
生活習慣を見直し、適正体重を維持しましょう。睡眠時無呼吸症候群(SAS)と肥満の関係はさまざまな研究がされており、体重が10%減少すると無呼吸指数が26%減少するという結果を公表している研究もあります。
肥満を解消することで、睡眠時無呼吸症候群が改善され、CPAP(シーパップ)療法がやめられるといえるでしょう。
CPAP(シーパップ)療法をしていると痩せるという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。下記記事では、CPAP(シーパップ)で痩せるのかどうかを解説しています。併せてご覧ください。
参考:
成人における閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と肥満の関係およびOSASの閉塞部位診断についての検討(4ページ)
中程度の体重変化と睡眠障害呼吸に関する長期研究|NIH
CPAP(シーパップ)療法をやめる基準3:肥満以外の原因が解消される
睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、肥満以外にも次のような原因が考えられます。
- 顎の骨格が小さい、後ろに下がっている
- 鼻の中の構造が複雑
- ホルモンバランス(女性の場合)
- 就寝前の飲酒量が多い
それぞれの原因が解消されることで、CPAP(シーパップ)療法がやめられるかもしれません。
ただし、原因が解消したと自己判断はせず、医師と相談しCPAP(シーパップ)療法をやめるかを判断しましょう。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由を紹介します。空気を送り込むことで気道を広げるため、いびきを解消する効果は高いです。しかし、CPAP(シーパップ)療法は、人によっては不快感が強かったり、苦しかったりする場合もあります。
そのほか、CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じるさまざまな理由を紹介します。
参考:
閉塞型睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療継続のための要因の検討|日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌第18巻第1号
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由1:マスク装着の不快感
CPAP(シーパップ)のマスクは、外に空気が漏れないようにマジックテープなどで頭部にしっかり固定する必要があります。マスクを装着したときの不快感が強く、かえって眠れなくなる場合もあるかもしれません。
回数を重ねるうちに慣れてくる場合もありますが、なかにはCPAP(シーパップ)療法によって眠れなくなることもあり、やめたいと感じる方がいるようです。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由2:空気圧の圧迫感
CPAP(シーパップ)療法は、装着したマスクから空気が送られます。気道を広げるため、空気はある程度圧力をかけて送り込まれることから、苦痛を感じる方もいるようです。
空気圧は医師の指示のもと設定されるため、空気圧が高いと感じる場合は、決して自分で行わず医師に相談して調節してもらいましょう。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由3:皮膚の乾燥や炎症
マスクの装着や空気を送り込まれることによって、鼻や口周辺の皮膚が乾燥しやすいです。部屋を加湿することで緩和される場合があるため、加湿器を設置してみるのもよいでしょう。鼻や口周辺に保湿剤を塗っておくのも効果的です。
また、マスクが一晩肌に密着していることで刺激になり、かぶれやすくなることもあります。
このようなトラブルが起こると、CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じるようです。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由4:定期的な通院が困難
CPAP(シーパップ)療法は、1カ月に1回など定期的な通院が必要です。通院の時間が取れない方には、CPAP(シーパップ)療法を続けるのが難しいと感じ、やめたいと思うかもしれません。
症状が落ち着いていたり、CPAP(シーパップ)の設定が安定したりすると、病院によってはオンラインの診察や通院間隔を延ばすなど対応しているところもあります。
CPAP(シーパップ)療法を始める際に、開始後の通院間隔やオンライン診察の有無などを確認しておくとよいでしょう。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと感じる理由5:治療期間が長い
CPAP(シーパップ)療法は肥満の解消など、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因が解消されるまで継続する必要があります。例えば、肥満が原因でCPAP(シーパップ)療法を介した場合、肥満を解消しなければなりません。肥満症治療ガイドラインでは、3~6カ月間で体重の3%の減量が望ましいとされています。減量期間中はCPAP(シーパップ)療法も並行して行われるため、長期間にわたって使用が必要といえるでしょう。
CPAP(シーパップ)療法に馴染めず、装着時の違和感を理由に途中で離脱する確率は20%以上というデータもあります。
このように、治療期間が長期間におよぶことが、CPAP(シーパップ)療法をやめたくなる理由の一つとして挙げられます。
CPAP(シーパップ)療法の費用については下記記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
参考:
肥満症治療ガイドライン2016(4ページ)日本内科学会雑誌第107巻第2号
CPAP(6ページ)日本内科学会雑誌第109巻第6号
CPAP(シーパップ)療法をやめたいときは医師に相談しよう
CPAP(シーパップ)療法をやめたいときは、医師に相談しましょう。自己判断でやめてしまうと、睡眠時無呼吸症候群が悪化し、身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があるためです。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと思った理由を医師に伝えると、代わりの治療方法を検討してくれる可能性があります。また、経過が良好な場合は検査を受けて無呼吸指数を確認してくれるかもしれません。
CPAP(シーパップ)療法を自己判断でやめるリスク
CPAP(シーパップ)療法を自己判断でやめてしまうと、自覚症状が悪化し、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、CPAP(シーパップ)を自己判断でやめるとどのようなリスクがあるのかを紹介します。
CPAP(シーパップ)療法を自己判断でやめるリスク1:自覚症状の悪化
もともと日中の眠気や集中力の低下などの自覚症状があり、いびきを指摘されて受診した結果、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されCPAP(シーパップ)療法を開始したというケースがよくあります。
CPAP(シーパップ)療法をやめると、いびきや無呼吸が再発し、呼吸状態が悪化することで日中の活動に影響を及ぼします。
CPAP(シーパップ)療法を自己判断でやめるリスク2:高血圧や心臓、脳の病気を発症するおそれがある
CPAP(シーパップ)療法をやめると、いびきや無呼吸が再発し、体内の酸素量が不足することで重大な病気を引き起こす可能性があります。身体は酸素を取り込むために、脳が呼吸を促そうと働き始めます。
脳が活動すると交感神経が優位になったり、胸腔内圧が陰圧になったりして、になり、心拍数や血圧を上昇させるため、血管や心臓、脳に負担がかかるのです。
上記のメカニズムによって、高血圧や心不全、脳梗塞など重大な病気を引き起こすリスクが高まります。
CPAP(シーパップ)療法をやめられる いびきメディカルクリニックのパルスサーミア
CPAP(シーパップ)療法をやめたいと考えている方は、いびきメディカルクリニックのパルスサーミアをおすすめします。
パルスサーミアとは、いびきメディカルクリニックが開発した独自のいびきレーザー治療です。喉の組織にレーザーを照射し、縮小させることで気道を広げ、いびきや睡眠時無呼吸症候群の根本的な治療が行える画期的な治療法です。
従来のレーザー治療では、照射後の痛みや腫れなどの苦痛を伴うものが一般的でした。パルスサーミアは、痛みや腫れを感じることなく治療が受けられることが最大の特徴です。治療時間は15分程度であり、短時間で終了することもメリットのひとつでしょう。
また、肥満や女性ホルモンの影響、扁桃腺の肥大など、気道が狭くなることでいびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こしている方は、特にパルスサーミアの効果が期待できます。CPAP(シーパップ)療法をやめて別の治療方法へ切り替えたい方や、いびきが気になっている方はご相談ください。
CPAP(シーパップ)療法をやめたいときは医師に相談し適切なタイミングを見計らおう
CPAP(シーパップ)療法は、いびきや無呼吸の解消に効果的な治療です。しかし、マスク装着の違和感や空気圧の圧迫感、皮膚トラブルなどで治療の継続が難しいと感じることがあります。
CPAP(シーパップ)療法はいびきや無呼吸に対する適切な治療を行えば、やめられる治療です。やめることもひとつ手段ですが、自分の状況を正確把握し、医師と相談しながら判断しましょう。
よくある質問
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が再発し、いびきや無呼吸が発生します。睡眠中の呼吸が不安定になることで体内の酸素量が低下し、寝ていても脳が活発に働くため、さまざまな影響が出ます。進行すると、高血圧や心不全、脳梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性もあるため、CPAP(シーパップ)療法は自己判断で中止せず、主治医に相談しましょう。