睡眠時無呼吸症候群の検査はどうやって受けられる?症状改善のために知っておこう
目次
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、適切な治療を受けるために検査を行う必要があります。
では、検査を受けるのに、どの診療科を受診すると良いのでしょうか。また、検査はどのような流れで進められるのでしょうか。睡眠の悩みから解放されるための参考になさってください。
こんな症状が出たら睡眠時無呼吸症候群の検査を受けよう
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、次のような症状が現れます。これらの症状が見られる時は、検査の受診を強くおすすめします。
日中に出る症状
日中に出る症状には、起きたときの頭痛・頭重・だるさ、居眠り、集中力の低下、息切れなどが挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠中に呼吸が止まってしまうため、体内に酸素が取り入れられず、酸欠のような状態に陥ります。そのため、上記のような自覚できる症状が現れると、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると考えられるのです。
睡眠中に出る症状
睡眠中に出る症状には、いびき、窒息感、息が止まる、夜中に目が覚める・トイレへ行くなどが挙げられます。睡眠中の症状は、日中に出る症状に比べて、自覚しにくい点が特徴です。家族やパートナーなどに、大きないびきを指摘され、初めて気づくケースも多く見られます。
睡眠中の症状を自覚しにくいため、疑いがあるにも関わらず病院を受診していない潜在患者が多いと言われています。
睡眠時無呼吸症候群の検査は何科で受けられる?
睡眠時無呼吸症候群の疑いがあり、実際に検査を受ける際には、どの診療科を受診すると良いのでしょうか。
検査可能な診療科は多岐にわたる
かかりつけ医を持っている場合は、まずかかりつけ医に相談してみましょう。
かかりつけ医がない場合は、内科・睡眠外来・循環器内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科・歯科・口腔外科・精神科などで検査が可能な場合があります。また、睡眠時無呼吸症候群の専門外来を設けている医療機関もありますので、問い合わせてみると良いでしょう。
睡眠時無呼吸症候群を扱っているかどうか事前に確認しよう
上記に挙げた診療科の中でも、病院によっては睡眠時無呼吸症候群の検査を行っていない場合があります。
検査を受けようと考えている病院が、検査を扱っているかどうか、必ず事前に確認するようにしましょう。また、病院によっては予約制となっている所もあるため、併せて確認が必要です。
自分が通いやすい場所にある病院を探そう
睡眠時無呼吸症候群の治療は、定期的な受診が必要です。そのため、ご自身が通いやすい場所にある病院を探しましょう。ご自宅や職場の近く、休日および祝日に診療が可能な所など、通いやすい条件は個人ごとに異なりますので、いくつか条件を定めた上で探すと良いでしょう。
なお、いわゆる「大病院」と呼ばれる、特定機能病院および地域医療支援病院(許可病床数が400床以上)は、紹介状を持たずに受診すると別途料金がかかります。
各医療機関が持つ役割を果たすため、まずは診療所やクリニックを受診し、必要があれば紹介状を書いてもらった上で、大病院を受診することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の検査の流れとは?
実際に、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けるときは、どのような流れで進められるのでしょうか。検査は主に2種類ありますので、それぞれの流れを説明します。
簡易検査(アプノモニター)
初めに簡易検査を行います。
簡易検査では、睡眠中に発生した無呼吸の回数や、血中酸素濃度・いびきの状態などを記録することで、睡眠時無呼吸症候群の有無を調べます。この検査は、アプノモニターという装置を自宅に持ち帰って行うケースが一般的です。ご自身で、鼻呼吸センサーと酸素濃度センサーを装着していただき、一晩計測します。
簡易検査でAHI(1時間当たりの無呼吸・低呼吸の合計回数)が40以上の場合は、睡眠時無呼吸症候群と診断されることが多くなっており、後述するCPAP療法による治療(保険適用)の対象になります。AHIが40未満の場合は、さらに詳しく調べるため精密検査が行われます。
アプノモニター検査は、検査精度に限界があり、センサーの装着方法が合っていないと正しい結果が出ない場合があります。このため、貸し出し時に病院から説明を受けた使い方に従って取り付けることが大切です。
精密検査(ポリソムノグラフィー)
アプノモニターの結果から、睡眠時無呼吸症候群と診断された方に対して行う検査です。症状をさらに詳しく調べ、治療方法を決めるのに用いられます。
調べられる項目は、脳波・眼球運動・筋電図・心電図・いびきの回数・無呼吸および低呼吸の有無とその度合い・睡眠時の体の向きや下肢の動き・不整脈・脈拍の変動・血中酸素濃度の変化など多岐にわたります。入院をした上での検査となりますが、夜入院して翌朝退院が可能な病院も多いため、仕事に支障をきたすことはほとんどありません。
検査結果が出たら、再度受診して医師から説明を受けます。AHIが15以上から中程度の睡眠時無呼吸症候群、30以上からは重症とされており、20以上の場合は後述するCPAP療法による治療(保険適用)の対象になります。
検査により睡眠時無呼吸症候群と診断されたときの治療方法は
検査を受けた結果、睡眠時無呼吸症候群と正式に診断されたら、どのような治療を行っていくのでしょうか。快適な睡眠を目指すために、それぞれの方法について理解を深めましょう。
医師との綿密な相談が必要
睡眠時無呼吸症候群の症状や重症度、生活スタイルなどによって、適切な治療は異なります。そのため、治療方針について医師と綿密に相談することが重要です。代表的な治療方法の流れを、簡単に説明します。
・生活習慣の見直し
軽度の睡眠時無呼吸症候群であれば、生活習慣を見直すことで症状の改善が見込めます。横向きに寝る・体重を減らす・禁煙する・減酒するなどを心がけてみましょう。
・CPAP療法
CPAP装置につながっているホースや肌マスクを使って空気を上気道に送り込み、気道が塞がらないようにします。中等度から重症の方に、多く用いられる治療法です。
・マウスピース
睡眠中にマウスピース(口腔内装置)を装着し、下顎を前方に突き出して気道を確保する治療法です。
・外科手術
アデノイドや扁桃が肥大しているために、気道が塞がっている場合には、手術によって取り除くと症状の改善が期待できます。
・レーザー
外科手術のひとつであり、レーザーを使って口蓋垂に治療を施します。
レーザー治療には切除式と非切除式があります。一般的に知られているのは切除式ですが、より体の負担が軽減されるのが、非切除式というレーザー治療の方法です。
詳しい治療法については、こちらも参考になさってください。
いびきメディカルクリニックでは最新治療法「パルスサーミア」を導入
東京都内で、銀座と立川の2院を構えるいびきメディカルクリニックでは、最新治療法「パルスサーミア」という非切除式レーザー治療を導入しています。
これまでのレーザー治療とは異なり、患部を切らずにレーザーで引き締めるのが大きな特徴です。切らないため出血がなく、痛みも少ないため、ダウンタイムがほとんどなく効果も長持ちします。
個人差はあるものの、1年から3年程度効果が持続するとの報告もなされています。1回の治療は15分程度ですので、仕事への影響も最小限に抑えられます。
パルスサーミアについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群の検査は、多くの病院で受けられるようになってきました。快適な睡眠を確保し、心身の健康につなげるため、気になる症状があればできるだけ早めに検査を受けましょう。