いびきの原因と対策を徹底解説!改善方法や治し方・防止するためにできること

いびきの原因・対策
2024.10.20
いびきの原因と対策を徹底解説!改善方法や治し方・防止するためにできること

目次

「いびきに悩んでいるけど原因は何だろう…」
「いびきを改善するための対策ってどんな方法があるの?」

いびきのお悩みは、なかなか人に相談しにくい問題です。家族やパートナーに指摘された場合、どのように対策すればいいのか不安に感じる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、いびきを改善するための対策方法を原因別に解説していきます。防止するために自分でできる対策やクリニックでの治療法もお伝えするので、いびきにお悩みの方はぜひ参考にしてください。

いびきをかく主な原因

いびきをかく主な原因

いびきとは、睡眠中に狭まってしまった気道を空気が通ることで発生する音です。疲れや風邪によって引き起こされる一過性のいびきと、肥満や生まれつきの体型などで起きる習慣性のいびきに分けることができます。

いびきをかく原因はさまざまで、主に以下の11点が挙げられます。人によっては、複数の要因によっていびきが引き起こされているケースもあります。

 

  • 肥満体型による気道の圧迫
  • 顎や喉の形
  • 鼻炎などの疾患
  • アデノイドや扁桃肥大
  • 飲酒や喫煙による気道の収縮
  • 睡眠中の体勢や環境
  • 口呼吸の習慣
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの疾患
  • 睡眠薬の影響
  • 女性ホルモンの影響
  • 加齢による筋力低下など

いびきの原因①:肥満体型による気道の圧迫

肥満体型の方はいびきをかきやすくなります。首の周りや舌、喉に余分な脂肪がつくことで気道は狭まり、空気の出入りがスムーズに行かなくなります。
特に男性の場合、女性に比べて上半身に脂肪がつきやすいため、肥満によっていびきをかきやすいと言われています。

どれくらい肥満なのか判定する方法としては、国際的な標準指標の「BMI(Body Mass Index)」が用いられています。BMIは以下の式で計算することができます。

 

「体重(kg)」÷「身長(m)×身長(m)」= BMI

例として体重が80kgで身長が180cmの場合は、「 80 ÷ 3.24 」なのでBMIは約24.7です。
BMIが25以上の場合は肥満だと判定されます。ただし、BMIは身長と体重から計算した値のため、中には「筋肉質だけどBMIが高かった」という場合もあるかもしれません。あくまでも目安の一つとして参考にしてみてください。

いびきと肥満の関係性については下記記事で詳しく解説しています。

参考:
肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

いびきの原因②:顎や喉の形

生まれつきの顎や喉の形によって、いびきをかきやすい場合もあります。顎が小さかったり、のどちんことも呼ばれる口蓋垂が大きかったりする場合、空気の出入りが悪くなります。
いびきを引き起こしやすい特徴をまとめると、以下の通りです。

 

  • 顎が小さい
  • 口蓋垂が大きい
  • のどの入り口の軟口蓋弓が狭い、変形している
  • 歯並びが悪い
  • 鼻筋が曲がっている

いびきをかきやすい体形や骨格については下記記事でも詳しく解説しています。

いびきの原因③:鼻炎などの疾患

アレルギー性鼻炎や風邪になると、炎症で鼻の粘膜が腫れたり鼻水が増えたりします。空気が通りにくくなるため、いびきにつながります。
狭くなった鼻を空気が無理やり通ることで鼻いびきをかくケースもあれば、鼻づまりの苦しさから無意識に口呼吸になり喉いびきをかくケースもあります。

鼻づまりが原因のいびきについては下記記事でも詳しく解説しています。

いびきの原因④:アデノイドや扁桃肥大

鼻の一番奥にある「アデノイド」と喉の周りにある「扁桃」はどちらもリンパ組織の一種で、肥大することで気道を狭め、いびきを引き起こす場合があります。
扁桃組織は幼児期に増大し,アデノイドは 4~6 歳程度,口蓋扁桃は 5~7 歳程度で最大になります。そのため、アデノイド肥大・扁桃肥大によるいびきは子供に多く、サイズによっては睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症します。

アデノイドや扁桃肥大が原因のいびきについては下記記事でも詳しく解説しています。

参考:
小小児睡眠時無呼吸に対するアデノイド切除・口蓋扁桃摘出術|林 達哉(第 8 回 日本小児耳鼻咽喉科学会)

いびきの原因⑤:飲酒や喫煙による気道の収縮

飲酒や喫煙は気道を収縮させるため、いびきをかきやすくなります。寝る前にお酒を飲んだり、普段からタバコを吸ったりする習慣がある場合は、いびきの原因かもしれません。

体内に入ったアルコールは、アセトアルデヒドという物質に分解されます。アセトアルデヒドは、気道を収縮させる働きのある「ヒスタミン」を増やす作用があるため、いびきや喘息につながります。
また、アルコールには筋肉を緩める働きがあり、飲みすぎると気道周辺の筋肉が緩んで舌が落ちやすくなることもいびきの発生に影響していると考えられます。

また、喫煙は呼吸器系を中心にさまざまな悪影響を及ぼします。気道が炎症や萎縮をしたり、平滑筋が肥大・収縮したりすることで、空気の通り道が狭くなりやすいです。
いびきをかくようになるほか、呼吸のしにくさや息切れを感じやすくなるでしょう。喫煙者はもちろん、受動喫煙している非喫煙にも少なからず影響があるので、注意が必要です。

以下の記事では、喫煙が及ぼすいびきについて解説しているので、併せてお読みください。

参考:
アルコール誘発喘息|浅井 貞宏
喫煙と呼吸器疾患 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

いびきの原因⑥:睡眠中の体勢や環境

睡眠中の体勢や環境も、いびきに影響します。
例えば、いびきは仰向けで寝ると発生しやすいです。重力によって舌が喉側に落ち、空気の通り道を狭くするからです。寝返りによって体勢は自然に変わりますが、横向きやうつ伏せよりも仰向けでの睡眠が多い方はいびきをかきやすいでしょう。
また、空気が乾燥していると鼻や喉が炎症を起こしやすくなるので、寝室の湿度も大切です。エアコンをつけたまま寝る場合や、湿度の低い冬の場合は乾燥しやすいため要注意です。

下記記事では、睡眠中の体勢についてより詳しく解説しています。

いびきの原因⑦:口呼吸の習慣

普段から鼻ではなく口で呼吸をするのが習慣になっている方もいますが、口呼吸もいびきを引き起こす原因の一つです。
口呼吸が当たり前になっていると、睡眠中も同様に口呼吸をしやすいと考えられます。口を開くことで舌は喉の奥に落ち込みやすくなり、気道が狭くなっていびきをかきます。
さらに、口呼吸は口の中を乾燥させたり、感染症リスクを高めたりするデメリットもあるため、鼻や喉の炎症によるいびきを引き起こすおそれがあります。

口呼吸によるトラブルについては下記記事でも詳しく解説しています。

参考:
実は危険な口呼吸|オムロン ヘルスケア

いびきの原因⑧:睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの疾患

中には、いびきと深く関わる病気を発症しているケースもあります。代表的な疾患が、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まる病気です。血液中の酸素濃度が低下したり、眠りが浅くなったりすることで心身にさまざまな悪影響を及ぼします。
10秒以上呼吸が停止することを「無呼吸」と言いますが、1時間に5回以上もしくは7時間の睡眠中に30回以上ある場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)には種類があり、気道が物理的に塞がって無呼吸が起きるタイプを閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、呼吸中枢の異常によって呼吸自体が止まるタイプを中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)と言います。
症状は大きないびきのほか、日中の眠気や倦怠感、起床時の頭痛などがあります。「それくらいの症状なら問題ない」と思う方もいるかもしれませんが、放置すると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしたり、日中の強い眠気によって交通事故を起こしたりする可能性もある恐ろしい病気です。

また睡眠時無呼吸症候群(SAS)のほか、脳の神経に障害が起きる脳梗塞や脳出血、くも膜下出血の症状として、大きないびきをかくことがあります。急に意識を失っていびきをかき始めた場合は、脳卒中を疑いましょう。

下記記事では睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェックについて解説しています。自身に当てはまるか確認してみてください。

参考:
睡眠時無呼吸症候群 / SAS | e-ヘルスネット(厚生労働省)
睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群)について | 東京労災病院

いびきの原因⑨:睡眠薬の影響

睡眠薬には筋弛緩作用のある種類があり、服用することで喉の筋肉も緩みやすくなります。不眠症などで睡眠薬を処方されてからいびきの症状が出た場合は、睡眠薬が原因だと考えられます。
睡眠薬によっては筋弛緩作用が少ないもの、ないものがあるので処方された薬をご確認ください。

以下の記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)でも使える睡眠薬をご紹介しています。いびきのリスクを抑えながら睡眠薬を服用したい方はぜひ参考にしてください。

いびきの原因⑩:女性ホルモンの影響

女性の場合、女性ホルモンの影響によっていびきをかきやすくなることがあります。
女性ホルモンの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」には上気道開大筋の一部を緊張させる作用があるため、女性の気道は男性よりも広がりやすく、男性の方がいびきをかきやすいと言われています。
しかし、プロゲステロンの分泌量は閉経前後に急激に低下します。そのため、若いころはいびきをかかなかった女性でも年齢を重ねるとプロゲステロンが減少し、気道が塞がれやすくなっていびきをかきやすくなります。
また、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」には脂質代謝を促す作用がありますが、プロゲステロンと同様に閉経前後に分泌量が減少します。そのため肥満になりやすく、気道周りに脂肪がつくことでいびきを引き起こします。

いびきには女性特有の原因はあります。下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

参考:
女性のいびき対策について | 鼻チューブでいびきのない睡眠を│ナステント

いびきの原因⑪:加齢による筋力低下など

歳を重ねると、全身の筋力が衰えるようになります。舌や喉の筋力も低下するため、気道は狭まりやすくなります。
「若い時は大丈夫だったのに年を取ってからいびきをかくようになった」という場合は、加齢が原因の一つかもしれません。

下記記事では高齢者のいびきの危険性について詳しく解説しています。

【原因別】いびきを改善するための具体的な対策方法

【原因別】いびきを改善するための具体的な対策方法

いびきの原因を11点ご紹介しましたが、改善するには原因に合った方法を選ぶことが大切です。
いびきを改善するための具体的な対策方法を、原因別にお伝えします。

【肥満体型による気道の圧迫】が原因のいびきを改善するための対策方法

いびきの原因が肥満の場合、一番の対策は減量です。食生活や運動習慣を改善し、ダイエットしましょう。

まずは、食事の見直しです。運動で消費できるエネルギー量は限られているため、必要以上のカロリーは摂取しないように心がけましょう。栄養成分表示のエネルギー量を確認したり、ヘルシーなメニューを選んだりすれば、カロリーを抑えやすいです。
また、早食いは満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまうため、肥満につながるとされています。ゆっくりとよく噛むことは消化の助けにもなるので、早食いの癖がある方は見直してみてください。

また、日常の活動量が多い人ほど肥満を抑制しやすい傾向にあります。運動だけを取り入れると食欲が増えて余計なカロリーを摂取してしまう恐れがあるため、食事を制限したうえで行いましょう。
日々の身体活動量を今より10分(歩数だと1000歩分)多くする生活を1年間継続することで、1.5~2.0kg減の効果が期待できると言われています。
急に運動習慣を身につけるのは難しいため、通勤中に早歩きをする、車ではなく電車や自転車を利用するなど、ちょっとしたことから取り組むのがおすすめです。

参考:
健康的な体づくりのための生活習慣見直しノート|厚生労働省
肥満症診療ガイドライン2022|第4章

【顎や喉の形】が原因のいびきを改善するための対策方法

顎や喉の形など、生まれつきの骨格や特徴が原因の場合は、自力で対策することが困難です。症状にお悩みの場合はクリニックで治療を受けるのがおすすめです。
詳しくは後述しますが、専用の機械で空気を送り込むCPAP療法や、軟口蓋まわりにレーザーを当てて引き締めるパルスサーミアといった方法があります。原因に合った治療を行うので、まずは専門のクリニックにご相談ください。

【鼻炎などの疾患】が原因のいびきを改善するための対策方法

鼻炎や風邪などの疾患が原因の場合、その疾患を治療することでいびきの症状も改善できます。
いびきのほか、起きている間に鼻づまりや鼻水などの症状があれば、鼻の病気に罹っているのかもしれません。放置すると口呼吸が習慣になってしまう可能性もあるので、心当たりがある方はクリニックにご相談ください。

【アデノイドや扁桃肥大】が原因のいびきを改善するための対策方法

アデノイドや扁桃肥大によるいびきは、軽度なら様子見するケースが多いです。アデノイドは 4~6 歳程度,口蓋扁桃は 5~7 歳程度で最大になり、その後は縮小していくことから、子供の場合は成長するにつれていびきが改善されやすいです。
症状の重さによっては、外科的手術を行います。肥大しているアデノイドや扁桃を取り除くことで気道が広がり、いびきをかかなくなる効果が期待できます。

参考:
小児睡眠時無呼吸に対するアデノイド切除・口蓋扁桃摘出術

【飲酒や喫煙による気道の収縮】が原因のいびきを改善するための対策方法

飲酒や喫煙によっていびきをかいている場合は、日々の習慣を見直しましょう。アルコールやタバコを急に断つことは難しいので、毎日飲むのではなく休肝日を設定する、タバコの本数を少しずつ減らすなど、達成できそうな内容から挑戦してみてください。
ただ、中にはアルコール依存症やニコチン依存症まで至っているケースもあります。このような場合は自力で抜け出すことが困難なため、専門の外来へ相談することも検討しましょう。

【睡眠中の体勢や環境】が原因のいびきを改善するための対策方法

睡眠中に仰向けで寝てしまう場合、横向きになるようサポートしてくれる枕を使うという対策があります。気道を確保しやすかったり、高さを調整できたりする枕を使えば、いびきをかきにくいでしょう。
また、睡眠環境を見直すこともいびき対策になります。部屋が乾燥している場合は加湿器を置く、濡れたタオルを設置するといった方法があります。

【口呼吸の習慣】が原因のいびきを改善するための対策方法

口呼吸が習慣になっている場合は、普段から鼻呼吸になるよう意識するのがおすすめです。口呼吸は無意識に行ってしまうものなので、リマインダーやアラームで定期的に呼吸を確認しましょう。
また、睡眠中に口にテープを貼るのも対策になります。口を物理的に塞ぐことで、鼻呼吸をサポートできます。鼻呼吸テープや口閉じテープという名称で薬局などに売っているため、試してみてください。

【睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの疾患】が原因のいびきを改善するための対策方法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因のいびきは、まずクリニックに相談することをおすすめします。自力での対策である程度いびきを軽減できる可能性はありますが、専門的な知識がないまま症状を改善するのは難しいうえ、放置するとさまざまな合併症や突然死につながるリスクがあります。
専門のクリニックに相談すれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断を受けたうえでCPAPやレーザー治療などの適切な治療を受けることができます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策・治療については下記記事でも詳しく解説しています。

【睡眠薬の影響】が原因のいびきを改善するための対策方法

服用している睡眠薬の影響によっていびきをかいている方は、薬を処方してもらったクリニックに相談しましょう。睡眠薬の中には、筋弛緩作用のない薬もあります。
睡眠薬によっていびきの症状が出たことを医師に伝え、別の薬に変更したり量を減らしたりといった対策を行ってください。

【女性ホルモンの影響】が原因のいびきを改善するための対策方法

女性ホルモンの影響で肥満になっている場合は、減量しましょう。食生活や運動習慣を見直すことで気道周りの脂肪が落ち、いびきの改善効果が期待できます。
それでも効果がない方や肥満体型ではない方は、医師に相談して治療を受けるのがおすすめです。

女性におすすめないびき対策や治し方については下記記事でも詳しく解説しています。

【加齢による筋力低下など】が原因のいびきを改善するための対策方法

加齢によって舌の筋力が落ちている場合は、舌のトレーニングが有効だと考えられます。舌や口周りの筋肉を鍛えることで、睡眠中に舌が落ち込みにくくなります。
また、歳を重ねると基礎代謝量が減ることから、肥満に悩んでいる方もいるかもしれません。食生活や運動習慣を見直し、少しずつ減量をして気道周辺の脂肪を落としましょう。

具体的な舌のトレーニング方法については、以下の記事で解説しています。気になる方は参考にしてみてください。

いびきを防止するために自分でできる対策

いびきを防止するために自分でできる対策

いびきを指摘されてまずは自分で対策したい方や、未然にいびきを防ぎたい方も多いと思います。
いびきを防止するために自分でできる対策は、以下の5点です。

 

  • 肥満体型の場合は減量する
  • お酒やたばこの習慣を見直す
  • 睡眠環境を見直す
  • 口呼吸から鼻呼吸に切り替える
  • いびき対策グッズを使う

いびき防止のための対策①:肥満体型の場合は減量する

肥満は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の発症やいびきを引き起こす大きな要因です。減量によって症状が改善される可能性があるので、肥満体系の方はダイエットに取り組みましょう。特に、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)は肥満との関係が深く、BMIが増加するほど罹患率も高くなると言われています。

アメリカの大規模な研究によると、10%の体重増加でAHI( 1時間あたりの無呼吸と低呼吸を足した回数)は 32% 増加し,10% の体重低下でAHIは 26% 低下したそうです。つまり、肥満になるほど睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状は悪化しますが、減量によって症状の改善が目指せるということです。

肥満はいびきだけでなくさまざまな病気にもつながるので、食事のバランスや運動習慣などを見直し、少しずつ減量を目指してください。

参考:
肥満症と睡眠障害|J-STAGE
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS) – I.その他|一般社団法人日本呼吸器学会

いびき防止のための対策②:お酒やたばこの習慣を見直す

お酒・たばこは気道を収縮させるため、いびきをかきやすくなります。心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるので、習慣になっている方は量や頻度を見直してみてください。
アルコールもニコチンも依存性が認められている成分なので、飲酒や喫煙の習慣を急にきっぱりと断つのは難しいです。周囲の協力も得ながら少しずつ量を減らし、難しい場合は専門の外来に相談しましょう。

いびき防止のための対策③:睡眠環境を見直す

睡眠中に仰向けになるのをできるだけ防ぐには、横向きをサポートしてくれる枕やスリープバンテージで対策できます。
また、寝室の湿度もチェックしましょう。部屋の乾燥はいびきや感染症につながります。空気が乾燥しやすい秋冬は特に気をつけ、加湿器や濡れタオルを設置して対策してみてください。

いびき防止のための対策④:口呼吸から鼻呼吸に切り替える

口呼吸が癖になっている方は、睡眠中も口呼吸になっている可能性があります。定期的に自身の呼吸をチェックし、口呼吸になっている場合は鼻呼吸に切り替えましょう。
鼻づまりや鼻水の症状で口呼吸になってしまう場合は、鼻炎や風邪になっているのかもしれません。まずはクリニックで諸症状を解消してから、鼻呼吸を意識してみてください。

いびき防止のための対策⑤:いびき対策グッズを使う

市販されているいびき対策グッズには、さまざまなタイプがあります。ドラッグストアや通販で簡単に購入できるので、気になる方は自分に合いそうなものを試してみましょう。
代表的ないびき対策グッズは、鼻呼吸をサポートするテープです。鼻呼吸テープや口閉じテープと呼ばれ、寝る前に唇に貼って口を閉じた状態で固定します。

ほかにも、鼻の中を拡げる効果が期待できる鼻腔拡張テープや、鼻に挿入して使うノーズクリップなどがあります。いびき対策グッズについては以下の記事で詳しくお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

いびきの治し方とは?クリニックでの治療法を紹介

いびきの治し方とは?クリニックでの治療法を紹介

いびきを本気で治したいと考える場合は、いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)を専門にしているクリニックに相談するのがおすすめです。
クリニックでの主な治療法は、以下の7点です。

 

  • CPAP(シーパップ)療法
  • マウスピース治療
  • ナステント
  • 鼻炎などの原因疾患の治療
  • 外科的手術
  • いびきレーザー治療
  • パルスサーミア

いびきの治し方①:CPAP(シーパップ)療法

CPAP(シーパップ)療法とは、専用の機械によって圧力をかけた空気を鼻から送り込み、気道を広げる方法です。睡眠中は常に空気が送られるため、気道が塞がれずにいびきを防ぐことができます。装着したその日から効果があるので即効性に優れており、副作用もほとんどありません。
デメリットは、あくまで対処療法である点です。原因そのものにアプローチするわけではないので、CPAP(シーパップ)の装着を止めれば再度いびきの症状が現れます。
その為、CPAP(シーパップ)療法と並行して別途原因を取り除く根本治療を行う必要があります。また、就寝時にマスクを装着しなければならないことも大きなデメリットと言えるでしょう。

以下の記事では、CPAPの効果や注意点を解説しています。併せてお読みください。

いびきの治し方②:マウスピース治療

マウスピース治療は睡眠中に専用のマウスピースを装着し、下顎が前に出るよう固定する方法で、スリープスプリントとも呼ばれます。舌の位置が上がるため、気道を拡げやすくなります。
ただしマウスピースは歯につけるので、歯が少ない人だと装着できない可能性があります。また対処療法であり、マウスピースの装用を中止すればいびきをかくようになります。

以下の記事では、マウスピースの費用や注意点を解説しています。併せてお読みください。

いびきの治し方③:ナステント

ナステントは医療機器の一種で、チューブ状の器具を鼻に挿入して空気の通り道を確保する方法です。チューブは鼻孔から口蓋垂までの距離や形状を考慮しているうえ、ナステントの先端には潤滑剤が塗布されているので、スムーズに挿入できます。
苦痛なく使えるように工夫されていますが、鼻に入れるため違和感や痛みを感じることがあります。また、根本的な治療ではないので、いびきを解消したい場合はその間ずっと使い続ける必要があります。

参考:
いびき防止・いびき軽減に効果のある「ナステント」とは? | 鼻チューブでいびきのない睡眠を│ナステント

いびきの治し方④:鼻炎などの原因疾患の治療

アレルギー性鼻炎や風邪によるいびきは、原因となっている疾患を治すことでいびきの症状も改善されます。クリニックを受診し治療を進め、鼻の通りを良くしましょう。
アレルギー性鼻炎の主な治療は、薬物療法です。症状に負わせ、飲み薬や鼻に投与する噴霧薬を服用します。また、アレルゲンを投与することで少しずつ体に慣らす「アレルゲン免疫療法」という方法もあります。

鼻いびきの治療については下記記事でも詳しく解説しています。

参考:
アレルギー性鼻炎の治療|舌の下(したのした)で行う鳥居薬品の舌下免疫療法専門サイト

いびきの治し方⑤:外科的手術

外科的手術では、主に気道を塞ぐ部分を物理的に除去することでいびきを改善します。いびきの重症度や原因を考慮したうえで、最適な手術を行います。
例えば、いびきの原因がアデノイドや扁桃肥大の場合、肥大化した部分を切除して症状の改善を目指すことがあります。
手術の内容によっては入院が必要で、費用も高くなりやすいです。

以下の記事ではいびきの手術方法や費用を解説しているので、併せてご参照ください。

いびきの治し方⑥:いびきレーザー治療

いびきレーザー治療とは、口蓋垂から軟口蓋の一部をレーザーで切除する方法です。気道が広がることで粘膜の震えが抑えられるため、いびきを軽減できます。
ただし、治療後しばらくは強い痛みや違和感を伴うことがあります。

いびきの治し方⑦:パルスサーミア

パルスサーミアとは、いびきメディカルクリニックオリジナルのいびきレーザー治療です。喉付近の気道を広げることでいびきにアプローチする方法なので、喉いびきに対して改善効果が期待できます。

パルスサーミアは、軟口蓋まわりの深層部までレーザーを当て、表面を傷つけることなく引き締めます。従来のいびきレーザー治療と比べ、痛みやダウンタイムがほとんどありません。
また、施術時間が15分程度と短いのもメリットです。入院不要で、お仕事やお出かけのついでにさっと治療を進めることが可能です。
身体への負担をできるだけ抑えたい方や、短い時間で治療したい方におすすめです。

<いびきメディカルクリニックの痛くないいびきレーザー治療「パルスサーミア」について>

いびきにお悩みの方はいびきメディカルクリニックにご相談ください

いびきにお悩みの方はいびきメディカルクリニックにご相談ください

いびきを改善するための対策方法を、原因別に解説しました。
いびきを引き起こす要因はさまざまで、原因に合った対処を行うことが大切です。ただ、原因を特定するのは難しいうえ、自分でできる対策には限界があります。
本気で治したい方はいびきメディカルクリニックにご相談ください。いびきに特化した経験豊富な専門医が、患者様の症状やご要望に合わせて最適な治療プランをご提案いたします。

FAQ

よくある質問

いびきの原因は男性と女性で違いますか?

いびき対策グッズにはどのようなものがありますか?

いびき対策グッズは、鼻呼吸をサポートする口閉じテープや、鼻の中を拡げる効果のある鼻腔拡張テープ、鼻に挿入して使うノーズクリップなどがあります。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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