CPAP(シーパップ)の音がうるさい!空気漏れを起こす原因やノイズを軽減させる対策について

いびきの治療・治し方
2024.09.23
CPAP(シーパップ)の音がうるさい!空気漏れを起こす原因やノイズを軽減させる対策について

目次

「CPAP(シーパップ)から空気漏れの音がしてうるさい!」
「CPAP(シーパップ)の空気漏れのせいで眠れない!」

このように、CPAP(シーパップ)による治療中に空気漏れやノイズに悩む方は多いでしょう。CPAP(シーパップ)療法はいびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)を改善するには非常に有効な治療法ですが、音のせいで睡眠が阻害される場合もあります。

今回は、CPAP(シーパップ)が空気漏れを起こし、うるさく感じてしまう原因と、その対処法について詳しく解説します。あわせて、CPAP(シーパップ)を継続使用していると遭遇する確率が高いトラブルについても原因と対処法をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

CPAP(シーパップ)の音がうるさい!空気漏れする原因は?

CPAP(シーパップ)の音がうるさい!空気漏れする原因は?

はじめに、CPAP(シーパップ)療法の原理について簡単に解説しておきます。

CPAP(シーパップ)療法は、CPAP(シーパップ)装置本体とそこから伸びたチューブ、そして顔に装着するマスクの3つのパーツで構成されており、CPAP(シーパップ)装置本体から送り込まれた空気がチューブを通り、マスクを通して鼻に送り込まれます。

送り込まれる空気は、CPAP(シーパップ)装置本体で調節可能で、適切な圧力で空気を送ることで気道内が陽圧状態になり、それによって気道が広がっていびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が起きないようにします。

そんな、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法の第一選択とされるCPAP(シーパップ)療法ですが、「CPAP(シーパップ)の音がうるさい!」と感じる場合は、まずどこから空気漏れしているかを探ることが重要です。

CPAP(シーパップ)の音がうるさい原因①:マスクから空気漏れしている場合

「顔の周辺から音がするなあ」と感じる場合は、マスクから空気漏れしている可能性が高いです。

マスクを正しく装着できていなかったり、ピッタリと顔に密着できていなかったりすると、そこから空気が漏れてうるさく感じます。

また、マスクのクッション(顔に付着する柔らかい部分)が汚れていたり、シリコンが劣化していたり、クッションを取り付けるマスクフレームにヒビが入っていたりする場合も、ノイズの元となります。

CPAP(シーパップ)の音がうるさい原因②:チューブから空気漏れしている場合

同じく顔の近くから音がするけれど、マスクに異常が見当たらない場合は、空気を送るチューブから空気漏れしている可能性があります。

チューブが汚れていたり、長年同じチューブを使い続けることで劣化したりすると、ヒビが入ってそこから空気漏れが発生することがあります。

CPAP(シーパップ)の音がうるさい原因③:CPAP(シーパップ)装置本体がうるさい場合

上記2つを確認しても音がなくならない場合もあるでしょう。その場合は、CPAP(シーパップ)装置本体からノイズが出ている可能性が高いです。

CPAP(シーパップ)装置本体からノイズが出る原因は、次の3つです。

CPAP(シーパップ)本体のノイズの原因①:フィルターの目詰まり

まず考えられるのが、フィルターの目詰まりです。

CPAP(シーパップ)装置本体には、「吸気口」と呼ばれる部分があり、ホコリや花粉などをキャッチするフィルターがついています。

このフィルターの交換やお手入れを忘れると、フィルターにホコリが溜まって目詰まりを起こし、装置本体がうまく空気を吸えなくなり、必要以上に大きな音が出る原因になります。

CPAP(シーパップ)本体のノイズの原因②:加湿器やチャンバーの状態

CPAP(シーパップ)装置には、送り込む空気を加湿することで湿度を高め、乾燥を防ぐ加湿機能がついているものがあります。

しかし、この加湿器の水の量が十分でないと、水が「ガボガボッ」という音を立てることがあります。

また、加湿器のチャンバー(水槽)も、劣化によってヒビが入ったり欠けたりするとノイズの原因になります。

CPAP(シーパップ)本体のノイズの原因③:吸気口の状態

先ほど、CPAP(シーパップ)装置本体の吸気口について解説しましたが、この吸気口が外から塞がれている場合も、ノイズの原因になります。

例えば、タオルがかかっていたり、布団が被さっていたりすると、吸気口が塞がれてフィルターが詰まった時と同じような異音につながることがあります。

CPAP(シーパップ)の空気漏れやノイズがうるさい時の対処法

CPAP(シーパップ)の空気漏れやノイズがうるさい時の対処法

ここまで、「CPAP(シーパップ)の音がうるさい!」と感じる原因について解説してきましたが、ここからは空気漏れや本体から出るノイズを抑える対策について解説していきます。

CPAP(シーパップ)の空気漏れがうるさい時の対処法①:定期的なクリーニング・交換を欠かさない

まず何よりも大切なのが、定期的なクリーニング・交換を欠かさないことです。

CPAP(シーパップ)療法は、たとえ正しく使用していたとしても、使っていくうちに皮脂やホコリなどの汚れが溜まり、それが雑音の原因になります。そして、そこから細菌が繁殖すると、空気漏れどころか感染症のリスクにもつながります。

ゆえに、CPAP(シーパップ)の空気漏れがうるさいと感じる場合は、今一度CPAP(シーパップ)の取扱説明書を確認、もしくは医師に確認し、クリーニング方法を見直しましょう。

CPAP(シーパップ)の空気漏れがうるさい時の対処法②:マスクのタイプを変える

クリーニングの方法を確認したうえで、それでも空気漏れが気になるという場合は、マスクのタイプを変えてみるのが有効です。

CPAP(シーパップ)療法のマスクの選び方①:寝相やライフスタイルに合わせて選ぶ

現在広く流通しているCPAP(シーパップ)療法のマスクには次の3タイプがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、そして向いている人が異なります。特に、寝相やライフスタイルに合わないものを選んでしまうと、空気漏れなどのトラブルの原因となり、CPAP(シーパップ)を使い続けることが困難になります。

下記に、3タイプそれぞれについてまとめた表を作成しました。

特徴 メリット デメリット 向いている人
鼻マスク
  • ネーザルマスクとも呼ばれ、CPAP(シーパップ)で最も一般的なタイプ
  • 小さくて、かつ安定感がある
  • 肌に当たる面積が小さく、かぶれにくい
  • 寝返りをしても外れにくい
  • 鼻筋の形状が合わずに痛みが生じることがある
  • 鼻呼吸が得意な人
  • 鼻づまりがない人
  • 睡眠中に口が空いてしまわない人
鼻ピローマスク
  • 鼻の穴に差し込んで使う、3タイプの中で最も小さく軽いタイプ
  • 肌に当たる面積が最も少ないので、かぶれる心配がほとんどない
  • 鼻腔内に痛みが生じることがある
  • 高めの圧力設定が必要な場合には向かない
  • 鼻呼吸が得意な人
  • 鼻づまりがない人
  • 睡眠中に口が空いてしまわない人
  • 激しく寝返りを打つ人、もしくは横向きやうつ伏せで寝る人
フルフェイスマスク
  • 口と鼻、両方覆うタイプで、最も大きい
  • 口呼吸と鼻呼吸両方に対応できる
  • 高圧設定にしても耐えることが容易
  • 鼻づまりがあっても使える
  • マスク自体が大きく、かさばる
  • 肌にあたる面積が広いので、かぶれやすい
  • 鼻マスクと比べると空気漏れが生じやすい
  • 価格が少し高め
  • 激しく寝返りを打つとマスクが外れやすい
  • 鼻づまりがある人
  • 睡眠中に口呼吸になってしまう人
  • 就寝中の寝返りが少なく、仰向けで寝る人

空気漏れのしにくさという観点から見ると、鼻マスクタイプや鼻ピローマスクタイプが適しているように見えます。けれども、中にはさまざまな事情でフルフェイスマスクタイプを使わなければならない場合もあるでしょう。

どのタイプにも一長一短あるので、自身の寝相や肌のかぶれやすさ、そして無呼吸の症状に合わせ、医師としっかり相談してマスクを選ぶようにしましょう。

CPAP(シーパップ)療法のマスクの選び方②:静音タイプのものを選ぶ

静音タイプのマスクを選ぶのも一つの方法です。

本来、標準的なCPAP(シーパップ)装置は30dB(デシベル)程度(ささやき声と同じくらい)のノイズを出すと言われているため、多少の音が出るのは仕方がないと言えます。

しかし、それでもうるさいと感じる方もいるでしょう。

そこで、各メーカーは静音設計のマスクを販売しており、それを使うとノイズを20dB 程度にまで軽減できるとされています。音に敏感な方は使ってみるのもおすすめです。

CPAP(シーパップ)の空気漏れがうるさい時の対処法③:CPAP(シーパップ)の設定を調整する

CPAP(シーパップ)療法のノイズが気になる場合は、CPAP(シーパップ)の設定を調整するのも有効です。

空気を送る圧力を調整することで、CPAP(シーパップ)の起動中の音の軽減になり、ノイズを抑えることができます。

ただし、医師からCPAP(シーパップ)の空気圧の設定を指定されている場合は、むやみに調整するのはおすすめしません。速やかに相談し、再度空気圧の設定を検討するようにしてください。

CPAP(シーパップ)の空気漏れがうるさい時の対処法④:CPAP(シーパップ)の設置場所を工夫する

CPAP(シーパップ)装置本体の設置場所を工夫するのもおすすめです。

CPAP(シーパップ)は起動すると置いている場所によっては振動によって音が響き、ノイズとなることがあります。ゆえに、装置本体の下にタオルやジェルクッションのようなものを敷いて振動を抑えるのは有効な手段です。

また、チューブに多少余裕を持たせ、なるべく遠くに設置してみるのも良いでしょう。

CPAP(シーパップ)の空気漏れがうるさい時の対処法⑤:静音設計のCPAP(シーパップ)やホワイトノイズを使ってみる

CPAP(シーパップ)装置本体にも静音設計タイプのものがあります。メーカーによると、騒音レベルは通常のCPAP(シーパップ)装置と比べるとかなり抑えられているそうです。

また、さらに騒音を抑えたいという方は「ホワイトノイズマシン」を使うのもおすすめです。

ホワイトノイズとは「すべての周波数帯域の音が均一に含まれる音」のことで、テレビの「ザ〜ッ」という砂嵐はまさに「ホワイトノイズ」です。

このホワイトノイズは、人間の耳に聞こえるすべての周波数が均等に混ざってできている音なので、サウンドマスキング、すなわち、別の音を流すことで人間にとって不快な音を気にならないようにすることが可能です。そして、これが快眠につながるとして近年注目されています。

さまざまなメーカーからホワイトノイズマシンが販売されているので、CPAP(シーパップ)の音をかき消したいと考える方は、使ってみると良いでしょう。

こんな症状はすぐに相談を!CPAP(シーパップ)継続使用に伴う症状について

こんな症状はすぐに相談を!CPAP(シーパップ)継続使用に伴う症状について

さて、CPAP(シーパップ)療法には音以外にも長期使用によって次のようなトラブルが起こることがあります。対処法と合わせて確認してみましょう。

CPAP(シーパップ)継続使用に伴う症状①:お腹が張る感じがする、耳鳴りがする

CPAP(シーパップ)療法によって圧力のかかった空気が送り込まれると、お腹が張るように感じたり、おならが出やすくなったりします。また、人間の耳と鼻はつながっているので、耳鳴りがする場合もあります。

これらはいずれもCPAP(シーパップ)の圧力を調整すると解決するので、主治医に空気圧の調整を相談すると良いでしょう。

CPAP(シーパップ)継続使用に伴う症状②:マスクがあたる部分の皮膚がかぶれる

CPAP(シーパップ)療法は鼻の周辺や顔全体をマスクで覆うため、肌にあたる部分がかぶれることがあります。

これは、マスクを締め付ける強さを調節したり、よりかぶれのリスクが少ないマスクに変更したりすることで解決 できます。

また、マスクを常に清潔に保っておくこともマスクかぶれを防止する有効な方法です。

CPAP(シーパップ)継続使用に伴う症状③:起床時に目の充血や乾燥が見られる

マスクから漏れた空気がマスク上部から目を刺激すると、目が充血したり乾燥したりすることがあります。

この場合も、マスクの装着方法を見直すことで改善することができます。調整方法がわからない場合は医師に確認してください。

CPAP(シーパップ)継続使用に伴う症状④:鼻や口が乾燥する

CPAP(シーパップ)療法中に口を開けてしまうと、装置から送られる空気が鼻から口に流れ、乾燥の原因になります。

本来であれば、CPAP(シーパップ)療法中は鼻呼吸をするのが望ましいですが、どうしても口が開いてしまう方は、フルフェイスタイプのマスクを使ったり、チンストラップという顎を押さえるためのバンドを使ったりするのがおすすめです。

また、季節的に乾燥しやすい時期は、室内の加湿も有効です。

いずれも改善しない場合は医師に相談してください。

CPAP(シーパップ)は正しく使用したうえで徐々に慣れていくことも必要

CPAP(シーパップ)は正しく使用したうえで徐々に慣れていくことも必要

ここまで、CPAP(シーパップ)の空気漏れによる音やその対策、そして継続使用に伴う問題について確認してきましたが、今回紹介したさまざまなトラブルは、CPAP(シーパップ)の扱いに慣れていないと一度は経験する可能性が高いです。

しかし、どのトラブルもトライ・アンド・エラーを重ねることで、CPAP(シーパップ)の扱いに慣れていき、いずれは気にならなくなっていきます。

ゆえに、CPAP(シーパップ)療法による治療を検討している人は、トラブルに遭遇したとしても諦めず、医師と最適な設定などを見つけながら使い続けていただきたいと思います。

いびきの根本治療がしたい人には切らないいびきレーザー治療「パルスサーミア」がおすすめ

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いびきにお悩みの方はいびきメディカルクリニックへ相談を

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今回は、空気漏れによってCPAP(シーパップ)療法の音がうるさいと感じる理由と、その対処法について解説しました。

CPAP(シーパップ)療法は、いびきや無呼吸の治療に非常に有効な方法です。しかし、CPAP(シーパップ)療法の音のせいで良い睡眠が取れなくなると本末転倒なので、正しく使用し、不具合があった場合には速やかに医師に相談するようにしてください。

また、いびきの根本治療ができる「パルスサーミア」を希望する方は、無料カウンセリングを実施しているいびきメディカルクリニックにご相談ください。

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FAQ

よくある質問

CPAP(シーパップ)の空気漏れで音がうるさいと感じる原因はなんですか?

CPAP(シーパップ)の空気漏れを防ぐにはどうしたら良いですか?

定期的なクリーニングを十分に行ったうえでそれでも空気漏れする場合は、マスクが合っていない可能性があります。自身の寝相やライフスタイルに合わせ、最適なものを医師に相談して探すのをおすすめします。

このページの監修医師
田沼 欣樹いびきメディカルクリニック いびき専門医
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
田沼 欣樹
いびきや睡眠時無呼吸症候群は様々な病気に合併しやすいと言われています。健康寿命を伸ばす為にも早期診断・治療をおすすめします。いびきや睡眠時無呼吸症候群で悩む患者様へ、当院のレーザー治療で快適な睡眠手に入れていただき、健康をサポートすることをモットーに日々取り組んでいます。
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