CPAP(シーパップ)の検査と治療費用【睡眠時無呼吸症候群】
目次
「いびき治療ができるCPAPってどれくらい費用がかかるのだろう?」
「CPAP治療を受けたいけれど、高額になったらどうしよう…」
家族や知人などからいびきを指摘され、CPAP治療を受けたいと思う人は多いでしょう。
現在、医療機関ではいびきや睡眠時無呼吸症候群に対する治療としてCPAP治療が一般的です。一方、治療や検査にどれくらいの費用がかかるのかわからず、治療に踏み切れない人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、CPAP治療や検査にどれくらいの費用がかかるのかわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
CPAP(シーパップ)とは、睡眠時無呼吸症候群の治療法
CPAP(シーパップ)とは、酸素を送るCPAP装置を装着して眠っている際の無呼吸をなくす治療のことです。経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure)とも呼ばれ、睡眠時無呼吸症候群やそれに伴ういびきに対して用いられます。
本来、人間の呼吸は一定のリズムで無意識下に行われるものです。しかし、睡眠時無呼吸症候群を発症すると、さまざまな原因で気道が狭窄・閉塞し、呼吸が停止する無呼吸状態に陥ります。無呼吸状態が睡眠中に何度も繰り返されることで、脳は中途覚醒を起こし、慢性的な睡眠不足や日中の激しい眠気などを引き起こしてしまうのです。
そして、上記の睡眠トラブルを解決するために治療を行うのがCPAPです。
CPAPは、睡眠前にCPAP装置本体から伸びるエアチューブを鼻に装着するだけで治療できます。装置本体からマスクを通して持続的に空気が送られることで気道内が陽圧になり、気道が狭くなったり、閉塞したりするのを防ぐことが可能です。
また、数ある無呼吸治療の中でも、CPAPは特に安全性が高いといわれています。治療の第一選択肢として世界中の医療機関で採用されているのです。
ちなみに、睡眠時無呼吸症候群は放置するとさらに恐ろしい合併症を招きます。詳しくは下記の記事で解説されているので、こちらを参考にしてください。
参考
CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)による治療、CHEST
CPAP療法、睡眠時無呼吸なおそう.com
検査からCPAP(シーパップ)治療までの流れ
CPAPは、4つのプロセスを経て必要性を判断します。検査~CPAP治療までの流れを見ていきましょう。
①問診
医療機関を受診すると、まず問診を行います。問診の中では次のヒアリングを実施するのが一般的です。
・既往歴があるか
・日常生活におけるいびきを認識しているか
・第三者から無呼吸の指摘があるか
・いびきや無呼吸による自覚症状があるか
また、睡眠尺度評価(ESS)という質問表を用いて、病的な眠気かどうかを判断します。
参考
2022.10.11、CPAP治療に必要な費用とは?
検査について、睡眠時無呼吸なおそう.com
問診について、CHEST
②簡易検査
問診で無呼吸が疑われる場合には、簡易検査に進みます。
簡易検査とは、別名「スクリーニング検査」とも呼ばれ、特殊な装置を付けた状態で普段と同じように寝てもらい、いびきや呼吸の状態から無呼吸の発生の有無を調べる検査のことです。
ちなみに簡易検査は検査機器をレンタルして自宅で検査します。就寝前に機器を取り付け、検査したデータとともに機器を返却して結果を確認するというのが通例です。
検査の結果、AHI(無呼吸低呼吸指数:1時間あたりの無呼吸と低呼吸の出現回数)が40以上だと、その場で睡眠時無呼吸症候群(重症)と診断されて即座に治療に入ります。ただし、AHIが40未満だった場合はさらに詳しく調べるため、精密検査に進みます。
参考
簡易検査、睡眠時無呼吸なおそう.com
簡易検査について、CHEST
③精密検査
精密検査で実施する「終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査」は、簡易検査と異なり、医療機関に一泊して検査を行います。
精密検査では、簡易検査でわかるいびきや呼吸状態の測定のほかに、以下の項目を検査するのが特徴です。
・血中酸素飽和濃度
・胸部や腹部の動き
・脳波
・心電図
検査の結果、AHIが5以上だと睡眠時無呼吸症候群だと診断されます。
参考
精密検査、睡眠時無呼吸なおそう.com
精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー)について、CHEST
④診断から治療方針の決定
最終的な治療の方針は、簡易検査・詳細検査によって判明したAHIから方針を決定します。参考として、以下に検査結果の診断基準を整理しました。
AHI 重症度
5以上15未満 軽症
15以上30未満 中等症
30以上 重症
そして、どのような治療が行われるかは、重症度に合わせて決定されます。
AHI | 重症度 | 適用される治療 |
5以上15未満 | 軽症 | ・マウスピース:歯に装着することで下あごを引き上げ、舌が落ち込んで気道を塞ぐのを防ぐ ・ナステント:鼻腔内にシリコーン製の柔らかい管を挿入することで、空気の通り道を確保する |
15以上30未満 | 中等症 | ・CPAP |
30以上 | 重症 | ・CPAP |
上記のAHIや重症度からわかるように、AHIが15以上、重症度が中等症以上の場合にはCPAP治療を実施します。CPAP治療は比較的症状が重い患者に実施する治療です。医療機関を利用する前に、正しい検査の流れを理解しておきましょう。
CPAP(シーパップ)にかかる費用
医療機関を受診した際の検査費用、そして治療費用がいくらかかるのか相場を紹介します。
【費用の前に】CPAP(シーパップ)は保険適応になるの?
具体的な費用を紹介する前に、健康保険適用の有無について解説します。
1998年(平成10年)より、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療は健康保険適用になりました。一部例外を除いては3割負担で検査・治療を受けることが可能です。参考として、以下に保険適用の条件を整理しました。
・睡眠中に10秒以上呼吸が止まる回数が1時間に20回以上ある
・AHIが15以上
CPAP治療は医師の判断のもと治療の実施を検討できます。急に全額負担を請求されるわけではないため、安心して受診してください。
参考
2022.10.11、CPAP治療に必要な費用とは?
SAS検査,CPAP治療に必要な費用
検査と治療にかかる費用
CPAP治療で必要となる費用は? 保険は適応される?
検査費用
各種検査にかかる費用相場は次の通りです。
問診(初診外来受診) | 3,100円(各医療機関によって差がある) |
簡易検査 | 3,000円~3,600円 |
精密検査 | 10,000〜30,000円 ※医療機関によって差があり、場合によっては入院費に加え、血圧や糖尿病、不整脈などの検査も同時に行うので、最大で50,000円かかることも) |
参考
2022.10.11、CPAP治療に必要な費用とは?
SAS検査,CPAP治療に必要な費用
検査と治療にかかる費用
【自費購入の場合】CPAP(シーパップ)治療の価格費用
CPAP治療を自費購入して実施する場合の費用は以下の通りです。
購入 | 150,000円~400,000円 ・多くの場合は、海外製のものを購入する ・装置の購入費には、健康保険は適用できない(自費購入) ・商品によっては、数年足らずで壊れることがある |
後述するレンタル費用や通院費用にストレスを感じる患者の中には、CPAP装置そのものを購入する人もいます。ただし、購入費が150,000円〜400,000円と高額であるほか、海外からの輸入が基本です。しかも、購入には健康保険は適用されないため、すべて自費で支払わねばなりません。
また、装置自体が壊れやすいことや、メンテナンスをすべて自分で行わなければならないなどのデメリットから、購入はあまり推奨されていないのが現状です。
参考
2022.10.11、CPAP治療に必要な費用とは?
SAS検査,CPAP治療に必要な費用
検査と治療にかかる費用
CPAP(シーパップ)ステーション
【レンタルの場合】CPAP(シーパップ)治療の費用
CPAP治療は、機器を医療機関からレンタルして自宅で行うのが基本です。参考として、レンタル費用を以下に整理しました。
レンタル | 毎月5,000円程度 ・保守メンテナンスの費用に加え、空気の流量、無呼吸の経過など、使用状況のデータ解析をして医師にフィードバックする機能も含まれる ・睡眠時無呼吸症候群の治療中は、毎月この金額を払い続ける必要がある |
治療開始前に医師から装置の使い方をレクチャーしてもらい、装着や調整、メンテナンスも自分で行うのが通例です。ちなみに「CPAP治療には健康保険が適用される」とお伝えしましたが、これは定期的(多くの場合は1ヶ月に1回)に外来受診することが必須条件となります。CPAP治療を継続する限り、毎月通院費とレンタル代を払い続ける必要があるため注意してください。
参考
2022.10.11、CPAP治療に必要な費用とは?
SAS検査,CPAP治療に必要な費用
検査と治療にかかる費用
CPAP(シーパップ)ステーション
【入院する場合】CPAP(シーパップ)治療の費用
入院しながらCPAP治療を受ける場合には、CPAP機器のレンタル費用および入院費用がかかります。
ちなみに、入院費用は全国平均で1日あたり約21,000円です。毎月5,000円程度のCPAP機器のレンタル費用とは別に、日換算で莫大な入院費用が必要になるため注意してください。もし日常生活を送るのが問題ないのなら、なるべくCPAP機器をレンタルして自宅治療することをおすすめします。
CPAP(シーパップ)治療をやめたいと考える人も
いびきや睡眠時無呼吸の検査、そしてCPAP治療の費用相場を紹介しました。しかし、CPAPを受けた人の中には、途中で治療を断念してしまう人も多いのが現状です。
特に、CPAPの長期使用は非常にネックで、先ほど紹介した費用負担や、終わりの見えない治療にストレスを感じ、途中でやめてしまう人も少なくありません。
こうした患者のニーズに応えるために、医療機関の中にはCPAPのオンライン診療を始めたところもあります。自宅にいながら診察できるため非常に好評ですが、まだまだ全国的な普及には至っていません。
参考
CPAP療法
パルスサーミアなら睡眠時無呼吸症候群の根本治療が目指せる
治療に負担を感じてしまうCPAPとは別に、今注目を集めている新たな治療法があります。
それが、いびきメディカルクリニックで行っている「パルスサーミア」です。パルスサーミアは、これまで難しかった無呼吸の根本治療を行えます。CPAPのような長期にわたる治療プランを立てる必要がありません。次に、パルスサーミアについて詳しく解説します。
パルスサーミアはレーザーを使用した最新治療
パルスサーミアとは、特殊なレーザーを喉の口蓋垂(こうがいすい)や軟口蓋(なんこうがい)に当てることで粘膜の広がりを引き締め、睡眠中の気道の閉塞を解消する治療法です。
「えっ、喉の粘膜にレーザーを当てるの?」と不安な方もいるでしょう。確かに、従来のレーザーを使用した治療法では、施術に伴う出血や強い痛みがあるほかに、術後には長いダウンタイムがあるため患者のストレスが非常に大きいものでした。
しかし、パルスサーミアで使用するレーザーは喉を傷つけることなく粘膜を引き締める特殊なレーザーです。施術による出血がないのはもちろん痛みもほぼありません。また、数週間かかっていた術後のダウンタイムも数日で済むため、食事制限や日常生活の制限もなく負担を最小限に抑えられます。
加えて、施術に要する時間は15分程度なので日帰り手術が可能です。日中は忙しくて治療に通えないサラリーマンや主婦の方でも、自分の都合の良い時間に治療できるため、非常に好評をいただいています。
参考
いびきの治療法
パルスサーミア治療にかかる費用
いびきメディカルクリニックのパルスサーミアにかかる費用は、次の通りです。
施術名 | 料金 | 1回あたり |
カウンセリング | 無料 | – |
初診 | 無料 | – |
初回お試し | 32,780円(税込) | – |
1回 | 109,780円(税込) | – |
Light 3回コース | 329,340円(税込) | 109,780円(税込) |
Standard 6回コース | 572,000円(税込) | 約95,330円(税込) |
1点だけ、注意事項があります。パルスサーミア治療をする場合、健康保険が適用されません。費用はすべて自己負担です。
仮に、Standardの6回コースを受けた場合、費用は総額で572,000円(税込)になるため、金額面の負担はCPAP治療よりも一見大きいように見えます。ですが、CPAP治療は1回あたりの費用負担は低額で済むことに対し、どのくらいの期間治療が必要なのか予想できないのが不安材料です。
CPAP治療が数ヶ月で終わる人もいれば、何年も治療を続けなければならない人もいるでしょう。よって、最終的な費用総額がパルスサーミアのStandard6回コースとほとんど変わらない、もしくはそれ以上になることも想定されます。
また、パルスサーミアは睡眠時無呼吸症候群も根本治療を目指しているため、費用は患者様が選択したコース費用のみです。追加の費用は発生しません。何より、先の見えない治療のストレスから解放されるというメリットがあるため「CPAP治療はもう受けたくない」という人の、新たな選択肢となるでしょう。
下記に、いびきメディカルクリニックでパルスサーミア治療を受けた患者様のアンケートが載っています。ぜひご覧いただき、治療を検討する際の参考にしてください。
参考
いびきの治療法
まとめ
今回は、CPAP治療やそれに至るまでの検査費用に関して解説しました。
CPAP治療は健康保険が適用されるうえ、費用負担が比較的少ないですが、それを長期間にわたって払い続ける必要があるのがネックだといえます。また、CPAP治療を行えない場合や、空気が送り込まれ続けるのに慣れず、途中で断念してしまう人も少なくありません。
そんな人には、いびきメディカルクリニックのパルスサーミア治療をおすすめします。治療費は少々高額ですが、選択したコース以上の費用を払う心配がないため目処がつきやすいことや、何より根本治療を目指せるのが魅力です。
「治療を受けてみたい」と思った方は、ぜひクリニックの無料カウンセリングに一度ご相談ください。
【よくある質問】
Q.CPAP(シーパップ)治療を受けるには、どれくらいの費用がかかりますか?
A.月に1回の通院を行えば、毎月の負担額は5,000円程度です。
Q.CPAP治療はいつまで行えば良いですか?
A.症状が改善されるまでは、CPAP治療を継続しなければいけません。人によっては数ヶ月で改善されますが、何年も治療を行うこともあります。