いびき治療を受けるのに料金はどのくらいかかる?治療法ごとの相場を解説
いびきの症状は個人差があり、個々に適した治療法もさまざまです。いびき治療を受けるときには、料金が気になる方も多いかと思います。ここでは、いびきの治療法と、治療法ごとの料金相場を紹介します。
いびきの原因と症状
いびきには単純性いびき、睡眠時無呼吸症候群、上気道抵抗症候群の3種類があります。いびき治療の料金について解説する前に、これらのいびきがなぜ起こるのかという原因と、それぞれどのような症状なのかをまとめました。
なぜいびきをかいてしまうのか、どのいびきに該当するのかを自分で確かめる際に参考にしてください。
単純性いびき
単純性いびきは、ストレスや鼻詰まり症状、アルコールの摂取などによって起こる一時的ないびきです。病的なものではないため、慌てて治療する必要はありません。医療機関を受診しても、保険適用の治療を勧められる可能性は低いでしょう。
ただし、単純性いびきが悪化すると、次に紹介する「睡眠時無呼吸症候群」になる恐れがあります。睡眠時無呼吸症候群は体への影響が大きく、場合によっては命に関わります。このため、単純性いびきに気づいたら、日常生活における原因を取り除くよう、努力するのが望ましいです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
いびきに関する代表的な病気であり、主な原因は肥満、骨格の問題、就寝中の姿勢、中枢性異常、アルコールの摂取、薬の服用などです。
睡眠時無呼吸症候群は、就寝中に呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸時の息の量が通常の半分以下になる「低呼吸」が頻繁に見られます。具体的には、無呼吸や低呼吸が1時間に5回以上見られたら、睡眠時無呼吸症候群と診断される可能性が高いです。
一時的に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質が低下する、不整脈や動脈硬化を引き起こす、血糖値や血圧が上昇するなど、様々な危険を孕んでいます。早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
上気道抵抗症候群
睡眠中に上気道(鼻からのどまでの気道)が狭くなり、呼吸量が低下することで起こるいびきです。睡眠時無呼吸症候群と同じく、肥満や骨格の問題、アルコール、薬などが原因で起こります。
睡眠時無呼吸症候群のように無呼吸や低呼吸はないものの、就寝中に覚醒してしまうことが多くなって睡眠の質が低下。日中の眠気などを引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群の一歩手前と言えるため、早めに対策や治療をし、悪化させないことが大切です。
治療を検討すべきいびきとは?
いびきには、放置しても問題ない単純性いびきもありますが、中には病院での治療を検討すべきいびきがあります。どのようないびきが当てはまるのでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群をはじめとする病気が疑われる場合
大きないびきをかいていると、睡眠時無呼吸症候群や、鼻・口・喉などに関連する病気を発症している可能性があります。その中で最も疑われるのは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな原因で上気道が塞がれ、空気の通り道が狭くなることで、無呼吸および低呼吸の症状が起こる病気です。日中の眠気が強い・寝起きがすっきりしない・集中力や記憶力の低下などが見られると、発症している可能性が高いと考えられます。
鼻・口・喉などに病気がある場合も、気道が塞がってしまうため、同じようにいびきが起こります。また、病気になっていなくとも、元々鼻が詰まりやすい体質の方もいらっしゃいます。耳鼻咽喉科を受診し該当する箇所の治療を行うと、いびきが軽減できる可能性があります。
睡眠の質を上げたい場合
病気を発症してはいないものの、日常的にいびきをかいていると、夜間覚醒が起きることで熟睡できなくなることがあります。日中の眠気が強くなるうえ、集中力や判断力も鈍り、仕事に影響が出る恐れもあります。これらの不安な点を解消し、睡眠の質を上げるためには、病院での治療が選択肢に挙げられるでしょう。
周囲からいびきを指摘された場合
毎晩隣で寝ている家族・パートナーや、一緒に旅行した友人や同僚などから、いびきの大きさを指摘され、初めて自分のいびきに気づくことも多いものです。自分のいびきが原因で、周囲の睡眠を妨げていることを自覚すると、治療を検討しなくてはいけないという気持ちが強くなります。
いびき治療に保険は適用される?
いびき治療を受けるにあたり、料金面で気になるのは「健康保険が適用されるかどうか」ではないでしょうか?
健康保険が適用されれば治療費の負担が減るので、治療を検討しやすくなりますよね。
健康保険が適用されるのは「睡眠時無呼吸症候群」と診断された時
実は、単なる「いびき」という症状の治療には、健康保険が適用されません。いびきが深刻化し、健康に大きな影響を与える「睡眠時無呼吸症候群」という病名がついて、初めて健康保険が適用されます。
このため、病院を受診した際に医師がどのような診断を下すかによって、保険適用が適用されるかどうかが変わります。
治療方法によっては保険適用にならない場合も
睡眠時無呼吸症候群であっても、治療方法によっては健康保険が適用されない場合があります。
例えばマウスピース治療のうち、「ソムノデント」と呼ばれる上下分離型の装置を使用する治療を選択すると、保険適用外であるため全額自費負担になります。
ソムノデントは上顎が総入れ歯でも装着できるというメリットがありますが、費用負担が大きいので、料金面を考えるならば「スリープスプリント」と呼ばれる上下一体型のマウスピースによる治療を選択するのがおすすめです。
それ以外の代表的な睡眠時無呼吸症候群の治療法であるCPAP、レーザー切除治療、その他外科手術による治療は、基本的に健康保険が適用されるのでご安心ください。
保険診療を行なっている医療機関かをしっかりチェック
睡眠時無呼吸症候群であり、本来は健康保険が適用される治療方法を選択したとしても、自由診療しか行っていない医療機関の場合、治療費の全額が自費負担になってしまいます。
今はホームページを持っている医療機関が多いので、受診する前に、睡眠時無呼吸症候群の治療に保険が適用されるかをしっかりチェックすることをおすすめします。
ホームページを見ても確認できない場合、電話で問い合わせてみるのも1つの手段です。
参考:
治療に健康保険を使えますか?
2023/02/27,いびきは治療できるの?治療方法や保険適応についてなどを紹介
いびきの治療を受けると決心したら、次はどのような治療法があるのかを知っておく必要があります。それぞれの治療法の概要と料金相場を見ていきましょう。なお、治療費相場は病院によって異なりますので、費用の詳細は診察を受ける病院へ必ず確認してください。
生活習慣の改善
治療の前に心がけておきたいのが、生活習慣の改善です。具体的には、減量・禁酒および禁煙・適度な運動習慣・横向きで寝る・鼻呼吸テープの使用などが挙げられます。ただし、これらの取り組みによって、いびきが治るわけではなく、症状の改善および軽減が目的です。治療効果を高めるため、治療と並行して行うことをおすすめします。
かかる料金として考えられるのは、鼻呼吸テープの購入費用です。ドラッグストアなどで、数百円で購入できますので、自分に合うテープをいくつか試してみるのも良いでしょう。
マウスピース療法
下顎を、前方に数mm移動した状態に固定し、睡眠中の気道を確保するために、睡眠時に装着するのがマウスピースです。軽症レベルか、後述するCPAP治療が困難な方に適した治療法です。
いびき治療に用いるマウスピースは、特殊な形式のものであり、睡眠時無呼吸症候群と診断されれば保険適用されます。いびきの専門医から歯科医師に対して、紹介状が出されますので、歯科医院で口腔内の状況を細かくチェックし、マウスピースを製作します。
流れとしては、医師の診察の後自宅での簡易検査を行い、その後病院でポリソムノグラフィー検査を受け、歯科医師の受診を経てマウスピースが出来上がります。料金相場は次の通りです(保険適用(2割負担)の場合)。
・簡易検査…およそ3,000円前後
・ポリソムノグラフィー検査…およそ10,000円前後
(別途1泊分の入院費がかかります)
・マウスピース製作費…およそ15,000円から20,000円程度
(保険適用外の場合は、100,000円以上かかることもあります)
歯科医院で製作したマウスピースであれば、いびきの改善が期待できますが、市販のマウスピースでは効果が保証されません。確実に治療したい場合は、必ず病院を受診しましょう。
ナステント
鼻に柔らかいチューブを挿入し、気道を確保することで、睡眠時の鼻呼吸をサポートする一般医療機器です。医師の診察を受けたうえでの処方のほか、ドラッグストアやWebでの購入も可能です。1箱7本入りで、3,542円(税込)となっています。なお、病院でのフィッティングや処方指示書発行は自由診療であり、病院によって金額が異なります。
CPAP
いびき治療で最も一般的に用いられる治療法です。鼻に装着したマスクから、空気を気道へ送り込み、気道が塞がるのを防ぎます。中等症から重度の方に大きな効果が見られ、日中の眠気も大幅に軽減されます。CPAP治療を継続的に行うことで、いびきによって引き起こされるさまざまな病気を予防することも可能です。
CPAP治療を行うには、まず医師の問診および検査を受け、その後ポリソムノグラフィー検査を受けます。検査結果により睡眠時無呼吸症候群と診断されると、保険適用となります。CPAP治療期間中、継続して保険適用を受けるには、月1回の診察が必須です。料金相場は次の通りです(保険適用(3割負担)の場合)。
・簡易検査…およそ3,000円前後
・ポリソムノグラフィー検査…およそ10,000円前後(別途1泊分の入院費がかかります)
・CPAP装置レンタル費用…毎月5,000円前後(別途通院時の診察代が必要)
レーザー切除治療
気道を塞ぐ元となっている軟口蓋や口蓋垂を、レーザーを使って切除し、摘出する手術です。日帰りでできる手術がほとんどで、いびきの原因を根本から切除できますが、数年後に再発する場合もあります。これまで紹介した器具は使用せずに、普段通りの生活ができます。料金相場は次の通りです(保険適用(3割負担)の場合)。
・検査費用…およそ3,000円から12,000円前後
・手術費用…およそ30,000円前後(別途薬代が必要)
軟口蓋形成術
全身麻酔をかけた後、口蓋垂と軟口蓋を切除し、咽頭を広げる手術です。治療の際には、1週間程度入院する必要があります。
しかし、手術が成功しても数年後にはいびきの症状が再発することがあり、医師によっては積極的に勧めていません。
軟口蓋形成術の手術にかかる費用はおよそ3万円。加えて入院費もかかるため、金銭的な負担は大きめです。
鼻中隔矯正術
鼻中隔と呼ばれる部分や軟骨を切除し、鼻腔のスペースを広げる手術です。鼻中隔は左右の鼻腔の中央にあり、仕切り板の役割を果たしています。この鼻中隔が大きく湾曲していると、スムーズな鼻呼吸を妨げ、いびきを引き起こす原因となるため、手術が行われます。
花粉症などのアレルギー性鼻炎を持つ患者さんの場合、すぐには鼻中隔矯正術を受けられません。まずは薬の服用によって鼻詰まりの症状を改善し、その結果次第で手術の可否が判断されます。
費用については、日帰りで手術を受けられる場合、およそ2万円です。ただし、入院が必要な場合は入院費もかかります。
上下顎前方移動術
上顎の骨と下顎の骨を切り離し、前方に移動させることで気道を広げる手術です。噛み合わせを改善するために行われる手術で、近年では睡眠時無呼吸症候群に効果があると言われています。
上下顎前方移動術は、受けるまでに1年以上の時間が必要です。というのも、手術の前に歯の矯正治療をしなければならないためです。歯の矯正治療に必要な期間が1年以上になります。
また、手術後に顔の形が変わってしまうという懸念点もあり、受ける場合は医師と相談の上、慎重に決めなければなりません。
費用については歯の矯正治療+上下顎前方移動術の手術費用の2種類が発生します。歯の矯正治療は年間20〜30万円、上下顎前方移動術の手術費用は30〜45万円が目安です。
ただし、高額療養費制度が適用されるうえに確定申告時の医療費控除対象にもなるため、実際の支払額は目安よりも抑えることが可能です。
口蓋扁桃摘出術
全身麻酔をかけた後に口蓋扁桃を摘出する手術で、口蓋扁桃が大きい方に対してよく行われます。口蓋扁桃が大きいと気道が狭くなってしまうため、摘出することでスムーズな呼吸を助けます。
子どもに行われるケースが多い手術ですが、大人が受けることも可能です。
1週間程度の入院が必要であるため、手術費用に加えて入院費がかかります。手術費用は、両側の口蓋扁桃を摘出する場合、およそ7万円です。
いびきの治療にはいびきメディカルクリニックのパルスサーミアがおすすめ
いびきを根本から治し、快適な毎日を送りたい方には、いびきメディカルクリニックが行っている治療法「パルスサーミア」がおすすめです。パルスサーミアは、当院オリジナルの治療法であり、切開や縫合などを一切行わないことが特徴です。
いびきの原因となっている部分をレーザーで切るのではなく、温熱効果により引き締めていくため、効果が長持ちするうえ痛みも大幅に軽減できます。
早い方では、初回の治療から効果を実感される方もいらっしゃいます。いびきが軽減されていくのを、肌で感じてみてはいかがでしょうか。
いびきの治療は早い段階から開始しましょう
いびきは、体内が低酸素状態に陥り、体にかかる負担がとても大きいため、治療は早い段階から始めた方が負担を早く軽減できます。
いびき治療を考えておられる方は、ぜひいびきメディカルクリニックでの治療をご検討いただければ幸いです。不安に思われる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【よくある質問】
Q.いびき治療の料金相場はいくらですか?
A.いびき治療の料金相場は、治療内容によって変わります。
代表的なCPAPであれば、2種の検査で計13,000円前後、加えて1泊分の入院費と、装置レンタル費用が毎月5,000円前後、別途通院時の診察代がかかります。
手術を伴うレーザー切除治療は、検査で3,000〜12,000円前後、手術で30,000円前後、別途薬代が必要です。
Q.いびき治療に保険は適用されますか?
A.いびきに関する問題のうち、「睡眠時無呼吸症候群」だと診断された場合は健康保険が適用されます。
ただし、治療内容によっては保険適用とならないケースがあります。「ソムノデント」と呼ばれる上下分離型の装置を使用するいびき治療は、保険が適用されません。
この他、診療しか行っていない医療機関もあります。